それを了承して切ると、ギルベルトは部屋のカーテンを閉めた。
「ヴェ、ホント、どうなってるの?」
と涙目なフェリシアーノがタンスの中からころがるように出て来た。
「詳細は後でな。簡単にだけ説明するな」
時間がないのでギルベルトは早口に始める。
「昨日この宿で殺人事件が起こった。殺されたのは一人で来てた中年男小澤。
で、フェリちゃん一人で露天の鍵返しにいった時、ペンダント拾って氷川澄花に見られたか渡すかしただろ。
それがどういう風に関わってるかわからねえけど殺人事件の立証に関わるものらしい。
で、フェリちゃんが誘拐されて今救出したわけなんだけど、全部状況証拠だけだから相手を拘束できないし、フェリちゃん救出するために非合法な手段で氷川夫妻の離れに入ってるんで、それバレるとこちらの行動制限される可能性もあるんでまずい。
でもって、フェリちゃんがみたものがどう殺人に関わってくるものなのかわからないうちは、またフェリちゃんが狙われる可能性も出てくる。
でも警察は不確かな情報だけじゃ動かないかもしれない。
という事でな、こっそりフェリちゃんを旅館の方でかくまってもらって、その間に殺人事件の方調べてみることにした。以上」
なんで…また殺人事件なんかに巻き込まれてるんだろう…。
ギルベルトの話を聞いて惚けるフェリシアーノ。
去年の夏から数えてこれで3回目?ありえない。
それで生きてるのもすごい…
と、フェリシアーノはさらにルートが以前思ったのと全く同じ事を思う。
「とりあえず…詳しい事はまたメールででも送る。
危険だからな、絶対に暴走せず大人しくかくまわれててくれ」
と、ギルベルトはそう言いつつ、こんな状況でフェリシアーノを一人で預けるのは不安だが仕方ないとため息をついた。
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