「ね、アーサーは結局お兄ちゃんとどうなりたくて、どこまでやってみる気があるの?」
兄の同級生に兄を取られたくない……
ブラコンな親友の訴えにそう聞いたのは確かに自分だ。
「どうしたいんだろう?フェリ、どう思う?」
で、その後、そのアーサー厨な友人の菊から
「とりあえずどうしたら良いのかは後で考えるとして、勝つにはまず敵に関する情報ですよっ。
攻略するにはまずデータを集めなければ。
その気障男と接触して、相手の弱点を調べあげましょう。
アーサーさんに攻略できないキャラなんていませんからっ!
というわけで、私はデータを元に攻略法を練りますから、データ収集はフェリシアーノ君、お願いしますねっ!」
と、ご無体なご指名を受けるとは思わなかった。
「えっ?えっ?何で俺?」
「私はPCは得意でも対人得意ではないので。
フェリシアーノ君、人懐っこいし警戒心を抱かせないタイプなので適任じゃないですか!」
という菊の言葉はなんとも説得力に満ち溢れすぎてて、異論を唱える余地は欠片もない。
そこでちらりと傷心の当事者に目を向ければ、それに気づいたが
「今のアーサーさんに敵情視察とか高度な事が出来ると思いますか?」
と、言われて撃沈。
確かに今はショックのあまりドアに激突するレベルなのだから、まともな対人活動なんて無理だろう。
かくして何故か、フェリことフェリシアーノ・ヴァルガスは、アーサーの兄とアーサーのライバル(らしい?)フランがいる高校に潜入することになったのであった。
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