俺様別にお前の事嫌いじゃねえけど…結婚するほどの付き合いってしてきた記憶があんまねえし?ぶっちゃけ突然すぎて何故それ言われてんのかわかんねえんだけど?」
決断は早い方だと自負している。
自分の方の諸々はと考えると、今は特定の相手はいない。
というか、作らない主義だ。
それは過去に流されたとある交友関係に起因するものではあるのだが、それはとりあえず置いておいて、もし何かイギリスの側に事情があって言っているのであれば、そういう形を取ってやるのを絶対に拒否するレベルの拒否感でもない。
事情があれば聞くが?という意味合いを暗に含ませてそう答えて相手の説明を待とうとプロイセンはソファにゆったりと座ったままマグに入ったコーヒーを一口、口にした。
飽くまで落ちついた様子を見せるプロイセンに、イギリスは途方にくれた子どものように眉尻をさげた。
そんな風にしていると、1000年超えの老大国には到底見えない。
弟を1人立派に育て上げた兄心がうずうずと顔をもたげてくる。
本人、国家が関わると古参顔して若い国を見下ろすが、プライベートで気を張るような相手がいなくなった途端、実は末っ子である弟オーラがダダ漏れるので、兄気質の面々は無意識に甘くなってしまうのだと思う。
相手に分かって欲しい事、やって欲しい事があるなら、自分できちんと言え。
言わないで分かってもらおうと言うのは怠惰な甘えだ。
最愛の弟のドイツにさえそう言って育ててきたのに、零れ落ちそうな大きな目を心細げに泳がせているイギリスに、プロイセンはあっさり降参した。
「わかった。
お前も一応人名の戸籍って持ってんだよな?
籍入れんのはかまわねえ。
だけどなんか事情はあるんだろ?
それを教えてくれ。
どの方面に対しての結婚しましたアピールなのかがわからねえと、対応しようがねえ」
この瞬間、イギリスの弟スキルはプロイセン式スパルタ魂を制圧した。
自分の都合に合わさせるなら相手を説得する手間暇を省くなというプロイセンをして、事情を話せば全面的に支援してやると言わせしめたのだ。
これはすごいことである。
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