そんな話をしているうちに皿洗いが終わったらしい。
「ふ~、皿洗いなんて久々にしたよ~」
同じく皿洗いを終えてダイニングに顔を出す善逸と炭治郎と女性陣。
「あ…」
と、声をあげた。
「どうした?」
と、その声に顔を覗き込む炭治郎。
「お風呂場に時計を忘れて来ちゃった。爺ちゃんにもらった大切なやつなんだ。取ってくる」
と立ち上がる善逸の腕を炭治郎が掴んで言う。
「危ないから俺もついていこう。空手部が来るかもしれないしな」
「うんっ!ありがとう!!」
と炭治郎に礼を言った後、
「じゃ、ちょっと言ってくるね」
と、3人娘に振り返りざま笑顔で言う善逸。
「うんっ!きをつけてね!」
と、女性陣は手を振ってそれを見送った。。
そして残った錆兎と義勇と3人娘。
「なんだかさ、我妻って学校にそんなに仲いい男子いなかったけど、学校外にあんなに仲いい友達いたんだね。
なんか一緒にいると嬉しそう」
と由衣が言う。
「うん。いい奴なんだけどね、なんか友達いないよね、我妻」
と、それに頷く真希と理香。
さきほどの食事の支度の時の会話からすると、真由は彼氏がいるが錆兎を好きなんだと思うし、その他の3人娘にしたって、ずいぶんと錆兎に楽しげに話しかけている。
錆兎はああは言ってくれたが、やっぱり貧相なフツメンの自分よりも可愛い女子高生達といるほうが似合っている気がして、なんだかひどく落ち込んだ。
そしてその場にいるのが辛くなって、善逸達と合流しようと浴室に足を向ける。
客もいないのでやや照明を落とし気味なため、薄暗い廊下。
窓から見える外はすでに真っ暗だ。
そんな中でハラハラと何か白い物が空から舞っていて、なんだろうと目を凝らすと、少し離れた所に桜の木。
なるほど。舞っているのは桜の花びらか…と、納得した。
そう言えば…桜の根本には死体が埋まっている…なんてよく言うよな…と、ふと思い出して、そしてそれを恐れるよりも羨ましいと思ってしまう。
綺麗な桜を咲かせる肥料になれる死体の方が、何もかもに優れたカッコいい錆兎の横に居て邪魔になっている貧相な自分よりも素晴らしいんじゃないだろうか…
そんな事を考えていると、涙がハラハラ流れてきて、義勇は慌ててそれを拭った。
そして善逸達と入れ違いにならないように浴室に急ぐ。
走って浴室までたどり着くと人の気配がするので、善逸と炭治郎だろうと思ってガラリとガラス戸をあけた…その時だった。
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恐らく修正漏れ? 錆兎ベルト←ギルベルトさんの名残りが…^^;💦
返信削除ですね(;^_^A
返信削除修正しました。
ご指摘ありがとうございます💦💦
ワクワク!
返信削除この次から事件本番です(*'▽')
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