清く正しいネット恋愛のすすめ_194_コンコンキツネと一緒に魔王戦パート2!

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こうして第一戦が終わった後、魔王城の外に吐き出されてパーティーの組みなおし。

…って言っても、カナエちゃんとサビト君がチェンジするくらいであとは一緒。


イルヒト君がハイテンションでポックルの衣装を身につけてて、ギユウちゃんも楽し気に杖を振って羽を飛ばしてる。


そんな中でちょっと雰囲気が変わるサビト君。
いや、今までが彼にして何というか…妙な影と言うか色気?みたいなものがあって、今、普段の彼に戻った感じ?

思わずサビト君を凝視してると、テンゲン君が
「どうした?」
って声をかけてくれたので、

「いえ…なんていうか…ギユウちゃんが同じパーティーか違うパーティーかでなんかサビト君の雰囲気が違う気がするなぁ…なんて…ははっ、気のせいですよね」
と、微妙にごまかしながらもそう言うと、なんとテンゲン君、にやりと笑みを浮かべて

「あ~、鋭いねぇ、アオイちゃん。
そうそう。彼女様を他人に預けてる時のウサはちと影が出来んだよな。
普段がお天道様みてえな奴だから、なんか目立つっつ~か…色気?みてえなもんが出んだよなぁ」
などとまさに私が考えていたことをまんま肯定してきたのでびっくり。

「…テンゲン、お前、またそういうわけのわからんデマ流すのやめろ…」
と、それにサビト君が嫌そうに言うんだけど、テンゲン君は

「ほんと、ほんと!
石油王でも落とせそうな色気醸し出してるからっ。
自覚ねえの?」
なんてただ笑うだけ。

それに、はあぁあ~とため息をついて見せつつ、
「そういうこと思ってる奴を家に置くのは身の危険感じるから、お前は我が家に出入り禁止な?」
とサビト君が言うと、そこでようやく焦った顔で

「嘘っ!嘘ですっ!!
追い出さねえでくれよ、家主様っ!」
と、テンゲン君は前言撤回して見せた。


そしてサビト君、今度は私の方を振り返るので、何を言われるのか、よもや取材許可撤回?とか戦々恐々としていると、少し困ったような笑みを浮かべて

「そういう感情を表情には出さないようにはしているんですけど、楽しくはないので…ギユウが他の盾の後ろにいるのは…。
でもそれはそれとして役割はちゃんとこなすので。
ご心配をかけてすみません」
と、謝ってくれる。

いや…別にそういう意味じゃなかったんだけど、こちらこそごめんね?と言う感じだ。



リアルでそんな会話を交わしながらも、実は二人ともちゃんとネット上では戦闘に参加している。

今回はボスをメイン盾役のサビト君がキープ。
カナエちゃんの時と違うのは、事前にヒーラー二人にHPが3分の1を切るまでは回復を入れないように指示をした上で、MP回復薬をガンガン飲みながら自前のヒールでHPを回復していること。

「これは…どうして?」
と聞いてみると、サビト君いわく、

「カナエさんと同じやり方をしても動画的には面白くないのでは?
俺は防戦一方のうちに可能な限りヒールヘイトを稼ぐことで、全員攻撃になってマコモが神霊いれたあと、1hアビ使わずにタゲ戻せないかやってみようと思います」
ということ。

なるほど。
紹介するこちら側の都合を色々考えて頂いて、本当にありがたいばかりだね。
さすがコウが自分が高校生だった頃より出来た高校生と絶賛するだけあるよ。

ってことで、側近攻略の2パーティーの動きはさっきとほぼ一緒。
シエル君がタゲ取ってカナエちゃんがさっきのサビト君みたいにMP装備でシエル君に対してのヒール補助をしながら、神霊を撃った後にマコモちゃんに来たタゲを【守る】で肩代わりしつつ、攻撃装備で攻撃を入れて、攻撃+ヒールのヘイトでタゲ取り&シエル君の側に回り込み。


そして側近を倒してからは本番の魔王戦。
マコモちゃんの神霊魔法が唸る!
それが着弾する寸前、サビト君のHPが何故か大きく減った。

ヒーラーが走りかけるが、サビト君がリアルで
「ギユウ、大丈夫だから、そのままっ!」
と声をかけ、ギユウちゃんが止まり、それを見たシノブちゃんも止まる。

マコモちゃんの魔法が着弾し、魔王がマコモちゃんに向かいかけた時、サビト君が大きくHPを回復すると同時に【挑発】その他アビ連打で、魔王のタゲがサビト君に戻った。


「おおおーーー!!!」
と、リアルであがる感嘆の声。

「さすがサビト君っ!!」
と、シエル君がいつものセリフを叫び、隣でアキちゃんがそれに大きく頷く。

「え?え?どういうこと??」
と私が聞くと、サビト君はその後もカナエちゃんと違って攻撃装備で
「あ~、マコモの魔法のエフェクトが見えたタイミングでヒールヘイト稼ぐために一瞬装備を紙薄にして魔王の攻撃を喰らってHPを減らしたんです。
それでHP減ったら即装備を攻撃装備にして、着弾の攻撃ヘイトに合わせて色々なタゲ取り用のアビを連打しながらヒールを何度か入れて減ったHPを戻しがてらヒールヘイトも同時に稼いでタゲを戻してみました。
で、今はもう少しタゲを強く固定するため攻撃装備のまま自己ヒール中です」
と、説明してくれた。

「すごいね…HPをギリギリ減らすのもタゲ取る手段なんだ…」
と、心底感心する私にサビト君は

「今回は実験的にやってみただけで、おすすめはしませんけどね。
HPを減らす加減を間違ったり、正確に計算しててもクリティカル喰らったりしたら、下手すると死にますから。
うちはほら、俺が倒れてもすぐにメイン盾を代わってリカバリできるだけの装備とスキルのあるタンクがいるからできるけど、メイン盾とサブ盾の役割が決まっていて代わりができないパーティーだと、メイン盾が死んだら終わりますからね」
と、ナイト層が厚いコンコンキツネだからできる作戦だと教えてくれる。

そうだよね。
実際、最初の戦闘はカナエちゃんがメイン盾張ってたから、もしサビト君がこれでミスって倒れても、マコモちゃんにシエル君が【守る】を使ってる間に、カナエちゃんがタゲをなんとか戻して魔王の後ろに移動すればいいんだしね。


このあとはラスト、シエル君がメイン盾で魔王を倒して持っていた鍵3つ分、3戦終了。

2,3戦合わせてドロップは魔王の衣装ともう一組従者ボックルの衣装、それにエリスの武器(本)とカインの衣装だったので、魔王の衣装は本人強く希望でマコモちゃん、ボックルはモブ三銃士勝負でモブタロウ君が勝ち、エリス本は申告通りシノブちゃん、カインの衣装は本人は色違いがあるから良いって言ったんだけど、周りの強い希望でサビト君ということで、他はマコモちゃんがキープしつつ、イベントが終わって何ももらえなかった人がいたら、売って分配ということになった。


とりあえず今日はここまで。
今回は最初だから確実に勝てる方法で…ということだったけど、明日からはレア武器やレア装備使わないとか、変わった編成でとか、色々縛りプレイで魔王を倒してみるみたい。

ということで、その様子はまたこの日記で公開するので乞うご期待!

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