清く正しいネット恋愛のすすめ_180_一夜明けたら有名人

「村田、お前、有名人じゃん!!」
「蜜璃ちゃん、アオイちゃんの日記見たよ~」
「宇髄、学校ではタキシードじゃねえの?」

翌日…学校に行くとすごい騒ぎになっていた。

なにしろ若者に大人気のレジェロの公式キャラ扱いで、さらにテレビや動画サイトなど、多方面でお馴染みのヘキサゴンのうち二人が家に泊まっているのである。
騒ぎにならないはずがない。


「鱗滝君ちに遊びに行きた~い!!」
「亜紀から頼んでよっ!冨岡さんと仲良くなったんでしょ?
彼女から言ってもらえばOK出るんじゃない?」

と、武藤まりの意向を無視した瞬間に遠巻きにしてきた女子達が、また以前のようにワラワラと亜紀を囲んでくるが、そのあたりは予測済みの錆兎の指示を受けた村田がススっといつのまにかその中に割り込んで、

「ごめんな。
なんか取材が続いている間は部外者を呼ぶの禁止らしいんだ」
と、Noと言えない性格の亜紀の代わりに、そうお断りをいれた。


「なぁんか、俺だけ距離出来た感じだよなァ」
と、そんな役員組の周りの狂騒を前に自席で頬杖をつく不死川。

それには村田は逆に
「いや、お前と胡蝶さんには休みの日でも良いから時間がある時に一度でも顔出しして欲しいんだけど?
あとカナエさんと茂部太郎?」
と、声をかける。

「え?俺もですか?」
「うん。アオイさんが言ってた」
「え?え?モブの分際でカインの家に出入りするとかしていいんですか?」
と、驚きを隠せない様子の茂部太郎に村田はさらに言う。

「えっと…お前風に言うと、モブから見た主人公たちと言う形の対談をしたいらしいよ?
てことで、お前の連絡先、アオイさんに教えていい?」
と、自分でもたいがい失礼な言い方をしているなと思いながらそう言う村田に、
「推しの話ならいくらでもしますっ!!」
と、頷く茂部太郎。

一方で、村田の助けを得て女子達から脱出した亜紀は一路しのぶの元へ。

「…何かしら?」
と、自分の席についたまますぐそばに立つ亜紀を見上げる胡蝶しのぶ。

美人だがややきつい顔立ちの彼女に嫌われているだろうという自覚がある亜紀はそれだけでビビるが、ここで怯んでいてはダメだと、体育祭の時から毎度毎度振り絞っている勇気をまた頑張って振り絞りながら、

「…あの…幼稚舎の時はごめんなさいっ!」
と、ガバっと頭を下げて言った。

「…何がです?」
と淡々とした口調で聞かれて、一瞬言葉に詰まるも、
「…ダンゴムシ……まりと一緒に入れたから…」
と震えながら告白する。

それに対して返されるため息にビクッとなったが、しのぶの口から出てきた言葉は

──先日の体育祭でミミズに進化した時には全く加担していなかったようなので、もう良いです。私は実害受けませんでしたし。
で、心底ほっとした。

しかしそこは手厳しいしのぶなので、きちんと
「ただし…次はありませんよ?
私はもちろん、私の周りに危害を加えたら一切の手心なしに女子科生徒会に訴えます」
と、綺麗な笑みを浮かべながら、そう釘を刺してきて、亜紀もそれにも大きく頷いたことで、その件は1件落着となる。

そうしてクラスメートに囲まれていて抜け出せそうにない他の面々の代わりに、亜紀が胡蝶姉妹にも一度話を聞きたいと言うアオイの申し出を伝え、もしよければ鱗滝邸に顔を出してほしい旨を告げた。


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