ツインズ!錆義_05_義勇視点-チェンジ!

レースにフリルにリボン…
柔らかい女の子の洋服の世界

困ったことに実は義勇はそれが嫌いではない。
というか、すごく好きだ。

自分がアオイと同じ女の子だったなら、確実にその世界にどっぷりと埋もれている。

でも男である以上、そんなものが好きだと言ったら確実に引かれるので、家族にすら母親が与えたがるのをアオイが拒否るから仕方なくといっている。

もっとも学校でも男の義勇が刺繍や手芸が得意でも引くことなく仲良くしてくれる女子が少数いるが
まあ、彼女たちでもさすがに女装姿を見たら引くだろう。

絶対に絶対に自分だとバレるわけにはいかない。
そう思えば身支度にも気合が入る。

幸いというか不幸にもというか、アオイがロングヘアのウィッグまで持っていたのでそれをかぶり、さらに本人が秘かに貧乳を気にしていたらしく、本当の胸の感触に近いパッド、ヌーブラを持っていたのでそれ+そのサイズ用のブラを借りやるなら徹底的に!と、男性用女装変装用パンツパッドなるものまで通販で注文されて、股間まで完璧な女装グッズを渡されていたので、もうあとは本人しだいというところなのだが……

とりあえず全部を身につけてみる。

サラサラのロングヘアのウィッグを被り、上下のパッドを身につけアオイ提供の勝負をするつもりもないくせに持っている勝負下着の上下を身につけて、その上からアオイの制服を着た。

どうしよう可愛い。
我ながらあまりに可愛くて楽しい気分になってくるのがまずい。

一方で自分の制服を着たアオイがイケメンすぎて怖い。
正直自分よりもよほどかっこいい気がする。

「これやばいわ
「ああ、やばいな

「私ね、自分が男で義勇が兄弟じゃなかったら、交際申し込んでるレベルだと思う」
「俺も自分が女でアオイが兄弟じゃなかったら、二つ返事でOKしてると思う」

互いに互いを凝視すること数秒。
互いの口から出てきたのはそんな言葉で、

「「男女逆だったら良かったのになあ」」
と、それは二人の口から揃って漏れた。


とりあえずアオイは別に義勇の制服を着ているのを見られても自分だとバレても構わないというが、義勇はさすがに女装がバレるのは避けたい。

なので、二人が揃っているとバレる確率も倍だろうということで、それぞれ別に現地に向かい、店の最寄り駅で待ち合わせをするということになった。



恥ずかしいバレたら怖い

そんな気持ちが強いのは確かだが、一方で可愛い格好をしているのが楽しい自分がいるのが本当にやばいと、義勇は思う。

アオイが先に家を出て、やや遅れて自宅を出る義勇。
庭先でくるりと回ってみれば、ふわりと揺れるスカートが正直楽しい。

こんな可愛い制服が好きじゃないというアオイは本当に変わっていると思う。
もちろんその原因が、女の自分よりも遥かにそれが似合ってしまう兄がいるせいだということを、義勇は知らない。


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