続聖夜の贈り物_11章13

「じゃ、そういう事で行こうか♪」
イヴァンは鼻歌を歌いながらアーサーの腕を掴んでナターリヤ達の方へ向かいかける。

「ちょ、待て~!!!」
そこでギルベルトがアーサーを奪い返した。


「なに人のモン連れてこうとしてんだよっ!」
「え~?だって彼魔術師だから♪ヒマワリ綺麗に咲かせてくれそうだし」
「そんなん自分でやればいいだろうがっ!」
「呪術じゃ花は咲かないんだよ?」
「じゃ、自分で努力しろっ!」
「ふふっ。じゃ、それは努力するよ。
ということで…ひまわりの花と同じ色の髪と葉と同じ色の瞳が可愛いからもらってくね♪」
「や~め~ろ~!!!アルトも少しは抵抗しろっ!」

「とりあえず、ギルベルトがうるさいからお前はこっちな」
ロヴィーノが呆れたようにため息をつくと、アーサーの腕をつかんで自分の後ろに隠す。

「あの…イヴァン?」
ロヴィーノの後ろからおずおずと声をかけるアーサーに
「うん、それは君へのプレゼント。君の魔力の雰囲気は覚えたからまた遊びに行くね♪」
と、イヴァンはヒラヒラ手を振った。


「ありがとう。お前良いやつだな」
と返すアーサーに、イヴァンは一瞬ぽか~んと呆けて、次にニッコリ微笑む。

「そんな事言われたの初めてだ。
やっぱり僕君の事好きだなぁ。
その傭兵君がうっとおしくなったら、僕の所に涼みにおいでね♪」
そう言い残して、今度は本当にナターリヤとアルの方へ向かう。


「君…無理に来なくていいんだぞ?!
なんならあっちの暑苦しいおっさんと一緒に遊んでたらいいんじゃないかい?」
「それ以上言ったら100キロ……」
「うぅ…わかったよ!君も一緒でいいから、世界平和を守るために出発するんだぞっ!」
そんなやりとりを交わしながら、3人は仲良く箒で飛んでいく。

それを見送ってため息。

「あ~!!!」
いきなりフェリシアーノが叫び声をあげた。
「土の石!あれないと宝珠完成しないよっ!」
「うぁ、フェリちゃん、おっかけようぜっ!」
と同じく慌てるギルベルト。

そんな喧騒の中、アーサーはロヴィーノの腕をクイクイっと引っ張った。
「これ…さっきもらった」
「おま…これって」
「ああ、土の石」

「え???」
その言葉に全員が集まる。

「揃っちゃった…んだ…」
ぽか~んと呆けたようにつぶやくフェリシアーノにうなづく一同。


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