興奮するエリザにギルベルトが冷ややかにつっこむ。
「でも島の平和とか抽象的な願いが叶うわけじゃないってわかったわけだし、何に使うんだよ」
「あ~そうだよねぇ。ならいっそヒマワリでも良かった?」
「いや…ここ北でヒマワリ咲かせようって事になるとだ、それなりにこの土地熱くするって事だから、自然形態狂うし、下手するとここから温暖化が始まって、氷山とか解けだして、水没する国とか島とかでるぜ」
ギルベルトの言葉に、なるほど~とフェリシアーノはうなづいた。
「とすると、下手な事頼めないわけよね?
同じ理由でおかしなことになる可能性あるじゃない?」
「ま、そういう事だ。
だから本来持っている特色を強めるのは良いけど、持ってない特色持たせるとかはやめた方がいいと思うぜ」
「なんだか難しいんだねぇ…なんだか俺もういいや。ルートといられればどうでも」
「フェリシアーノ…」
見つめ合う二人にチッと舌打ちをし、ロヴィーノは自分が預かっている水の石をアーサーに手渡した。
「元々俺は部外者だからな。こいつはお前に任せる」
「ギルベルト…どうしよう?」
自分は単にフェリシアーノのために集めていただけなので、それこそどうしていいかわからず、アーサーはギルベルトを見上げた。
「う~ん…俺もアルトがいれば別に要らねえんだけど……」
と考え込むギルベルト。
「あ、そうだっ!」
しばらくして、良い事思いついたとばかりに手を打った。
「なになに?なんか良い考え浮かんだの?ギルベルト兄ちゃんっ!」
フェリシアーノが駆け寄ってくる。
「スコ兄にやったらいいんじゃねっ?アルトの結納代わりにプレゼントしようぜっ!」
「結納ってなんだよ、結納って」
「アルトは俺がちゃんと責任持って全部美味しく頂きますって事で…」
というギルベルトの言葉はすこ~んとフライパンで後頭部をどつかれて遮られた。
「エリザ、おまっ!何すんだよっ!」
涙目で後頭部を押さえて聞くギルベルトに、エリザはしれっと
「アーサーの両手がふさがってたから代わりに殴ってあげただけよ」
と、エリザは真っ赤な顔をしたアーサーの頭をよしよしとなでてやる。
「ま、とりあえずアーサーのお兄様に会いに行こうぜ。
結納うんぬんて戯言はおいといて、でも一番安全に効果的な活用法考えられんのは確かにカークランドかもしんねえし」
最終的にロヴィーノがそう言って、
「じゃ、力使うのこれで最後だね」
と少し寂しそうにフェリシアーノはアーサーをうながした。
こうしてアーサーに引き出させた風の石の力で一行は一気にまたカークランドの城へ向かったのだった。
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