子供の頃、父親が殺されたあとご神体を取りこんで以来、取りだすのはどのくらいぶりだろうか…。
みなぎるような力はなくなった気はするものの、なんだか体が軽く感じる。
人としてはありえないほど長く続いてきた生も、おそらく今後は常人並みの短いものになるのだろうが、それもまたいい。
「とりあえず…無限ではない時間を有効に使わないといけないあるな」
まずは闖入者達に教えられた“伝える事”から始めようか。
「香~、菊を呼んでくるあるよ。」
あの子の好きなお菓子を揃えて、機嫌の良いところで事実を伝えよう。
王はそう考えて、香に菊を呼びに行かせた。
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