続聖夜の贈り物_3章13

「あ~やっと我の肩の荷も降りたあるな」
子供の頃、父親が殺されたあとご神体を取りこんで以来、取りだすのはどのくらいぶりだろうか…。

みなぎるような力はなくなった気はするものの、なんだか体が軽く感じる。

人としてはありえないほど長く続いてきた生も、おそらく今後は常人並みの短いものになるのだろうが、それもまたいい。

「とりあえず…無限ではない時間を有効に使わないといけないあるな」
まずは闖入者達に教えられた“伝える事”から始めようか。

「香~、菊を呼んでくるあるよ。」
あの子の好きなお菓子を揃えて、機嫌の良いところで事実を伝えよう。

王はそう考えて、香に菊を呼びに行かせた。



Before <<<   >>>Next (4月6日0時公開予定)


0 件のコメント :

コメントを投稿