とある白姫の誕生秘話──お姫さんと俺様17

──俺様な、実は数カ月前に偶然お姫さんに会ったんだ。

いきなりの爆弾発言。

「「「「えええええーーー?!!!!」」」」

驚いたのはギルドメンだけではない。
隣でアーサーも驚いた。

が、後者はその後に続くギルベルトの話で、ああ、あれか…と、納得する。

『俺様、休日にな、弟と買い物行った時に、チンピラに絡まれてるお嬢さん達助けたんだけどな。
その片方がお姫さんにそっくりだな~とか思ってたら、もう1人に、「アリアちゃん」とか呼ばれてるわけよ。
で、それだけならすげ~~~確率の偶然かもと思うわけなんだけど、そのアリアちゃんの方はもう片方の子を「ミアさん」とか呼んでて、もうこれはーーー!!!!って思うだろ』

うああああーーーー
と、ディスプレイの向こうであがるギルドメンの驚きの声。

『でな、どうしても気になって、その時はもう落ちつかないから帰るって言われたんだけど、どうしても確認したい事があるから、非通知や捨てアドで良いから連絡くれないかって、自分のメルアドと携番渡したんだ。
で、自分、実は…って打ち明けたら、これが、もう奇跡っつ~の?
本当にお姫さんでな』

『まじっすかっ?!!!
アリアさんのキャラ激似ってことは、すごい美少女ってことですよねっ!!
そっか~~世の中にはこのレベルの美女って存在するんですねぇ…』
『ミアさんもキャラそのままだったり?』
『もうこれ確率すごすぎて運命感じますね』
『その後、会ったりしてるんですか?』

などなど矢継ぎ早に投げかけられる言葉に、ギルベルトは楽しげな笑みを浮かべながら答えている。

『お姫さん、絶世の美少女。
ミアも結構まんまだった。…けど、これはここだけの話な?
リアルに抵触するのはアレだし、特に女の場合は色々馬鹿な輩が寄って来るから』

『もちろん!単なる自分的好奇心なだけなので、そのあたりはわきまえてます』

『そそ、確率すげえなって俺様も思った。
宝くじ当たるよりすごくね?
あと…その後な、その後は……』

と一瞬言葉を切って、ギルベルトはちらりとアーサーに視線を向け、そしてまたディスプレイに視線を戻した。

『その後は?』
と、その間を待ちきれず聞いてくる面々に、いたずらっぽい笑みを浮かべながらちゃかちゃかとキーボードに指を滑らせた。

『なんと、今お姫さん、俺様の隣でPC向かってるんだぜぃ!!』

『えええーーーー!!!!!』


『まじ?!!』
『もち、マジ!!』
『え?え?なに?どうなってんの??』
『えっとな、今バカンス一緒に来てる』
『なに?!いつのまにかリアルでつきあってたりとか?』
『そそっ。リアル恋人。こっちいる間に指輪買いに行く』
『うあ~~!!!おめでとおぉぉ~~!!!!』
『リアル式には呼んでとは言えないから、せめてイルヴィス婚しましょうよ!参列してえ!!』
『あーー!!いいね、それっ!!!』
『リアルでも結婚予定の新郎と新婦が付き合う事になったきっかけは、新郎がStkrから新婦を助けた事でしたって感じですねwww』
『ギルドメンはみんな知ってる例の奴な?wwww』

などとギルド会話で大盛り上がり。

「イルヴィス婚、良いかもな。
リアルだと俺様は良いけどアルトは周りにバレるの怖いってことなら、式あげるにしても大勢に祝福されてにぎやかにってのは無理だしな。
申し込むかっ」

と、隣のアーサーに言いつつ、ギルベルトはその返事を待たずに、申し込み手続きを始めた。




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