温和で控えめ、人づきあいが苦手な童顔な中年。
それは世を忍ぶ狩りの姿と言っても良い。
そして…彼を彼たらしめる萌えの世界での彼の名は…サークル塩じゃけのキク
学生時代から活動していた彼の1人サークルは今では大人気の壁サークルへと成長し、彼が描く二次創作のみならず一次創作さえもがイベントでは毎回完売御礼になっている。
最近の彼のヒット作は【ただしイケメンに限る】という一次創作。
モデルは言うまでもなく直属の部下…というには助けてもらい過ぎている兄貴肌の古参の部下だ。
それまでは二次創作が中心だったキクだが、二次創作を中心に公開していたブログで、最初はその部下のイケメンエピソードを語っていたらこれが盛況を博して、それを漫画にしたらすごい評判になった。
そこで調子に乗ってついに本を出したら、二次創作以上に速攻ではけていく。
それ以来、二次創作も描くが、その一次創作作品がキクの代表作のようになっていた。
部下、ギルは本当に存在自体が二次元だ。
ただのイケメンじゃなくて、存在自体がイケメン。
もうそんな人間本当にいるのか?と言いたくなるほどなんでも出来る男だ。
転属したてで慣れない本田に対して全く気を使わせる事なく当たり前に部署に馴染めるようにフォロー。
どちらが上司だか年上だかわかりはしない勢いで、一歩一歩前進すれば褒めてくれる。
立場的には彼の上司の本田が言うのもなんだが、理想の上司、理想的な男性だと思う。
普通に男でも惚れそうなくらいの好青年ではあるが、残念ながら本田は自分を物語の主人公とする夢小説には興味はない。
飽くまで主人公達を遠目で見る傍観者でありたいので、しばらくは彼単体でのエピソードを綴りつつも、いつか相手役が現れると良いなぁと思いながら、待つことにした。
そうしてしばらくして現れたのが、お姫さんことアリア嬢。
一応自分はとにかくギルベルトの身バレはあまり好ましくはないので、名前は英語読みのギルバートとし、アリアを少年キャラにしてBLとして描いてみた。
可愛らしく素直な初心者少年キャラが、ペドに追いまわされるのを、みかねたギルが何かと世話を焼きつつも距離が近くなっていく様子は、腐ったお嬢さん達の心をわしづかみにしたようで、イベントで早々に売り切れてしまって買えなかった方々用に、通販分として多めに刷り直したくらいだ。
それがキクのBLデビューだったわけだが、BLでのシリーズの継続を望む声があまりに多く、そのオンラインゲーム編とは別に、今度はあの伝説の会社での面接の逸話を元にしたリアル編を執筆中だ。
それは一応パラレルと言うか、違う世界線での話としているが、相手役の少年は同じ人物で描いている。
最初はアリアは少女キャラなためにその少年のイメージを掴むのになかなか苦心したわけなのだが、描き始めてしばらくたった頃、面接でギルベルトがスカウトした童顔の青年が思いのほか愛らしくて、相手役の容姿は彼をモデルにさせてもらった。
もちろんリアル編の相手役も彼だ。
なにしろ話を作るまでもなく、実際のギルベルトと彼がスカウトした新人アーサーの間の展開はすごい。
いきなり他の部署の面接官もいる面接で自分の部署を選んで欲しいと思い切り直談判に持ち込んだのもすごければ、無事自分の部署にゲットすると隣にデスクを置き、仕事中はもちろん、昼食時や飲み会の席でまできっちり側で世話を焼き、挙句の果てに、ストレスで胃痙攣を起こして病院に担ぎ込むはめになった彼のために、なんと個人的に同居用の家を買ってしまったと言う、現実は小説より奇なりを地で行く状態だ。
若干のフェイクを入れながら綴ったそれは、まだリアル編は公開していないのでオンライン編のみなのに、わかる人間にはわかるらしい。
そう…彼をよく知る彼の幼馴染あたりには……
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