とある白姫の誕生秘話──目指せっ!ネカマの星☆!!3

とにかく一刻も早くまたお姫さんと活動できるように、忍者のレベル上げに没頭する日々。

パーティ作っては狩り、パーティ作っては狩り。
雑談する暇も惜しんで、ひたすらモンスターを叩いて叩いて叩いて…コツコツコツコツ…そしてついに忍者レベル35達成!!


可愛い可愛いお姫さんと話し始めてしまうと、自分はもうレベル上げに集中できないであろうことは自分でわかっていた。

そのため、挨拶以外は自粛していたのもあって、もう色々お姫さんロスが厳しかったのだが、ようやく話せるし一緒に遊べる!!

『お姫さん!サブクラスのレベル上げ終わったぜー!!』

と、このところずっとサブキャラのアリスを使っているお姫さんにそう声をかければ

『おめでとうございます!お疲れ様でした~♪』
と、返ってくる。

あまつさえ
『これでまたご一緒できますねっ♪』
なんて嬉しい言葉も添えられて、気分は急上昇。

そこで
『お姫さんの方は調子はどうだ?大丈夫だったか?!』
と、ギルベルト的には当たり前に続けると、何故か

『え~と……』
と、歯切れが悪い言葉が返ってくる。

それからしばしの沈黙。
沈黙……沈黙……沈黙……

そして最終的に返って来た言葉は、

『でもっ!このサブ垢は倉庫キャラにすれば無問題かなとっ!!』
で、思い切り大丈夫じゃなかったのか、と頭を抱えた。

まあ…確かにメインキャラではないので、普通なら使わなければ良さそうではあるが…しかし…このゲームの場合、状況によってはそうでもない。

お姫さんは気づいてないのかもしれないが……

『あ~…でもサブキャラでもフレンド登録してるとメインキャラを使うとリストに出るぞ?』
と、指摘してやる。

そして、気づいてなかった気がするよな…と思いながら少し反応を待った。

すると、案の定

あああーーー!!!!!

と、悲鳴があがる。


ああ、やっぱりな。
ここで何も起きなければお姫さんじゃねえ…。

…とため息をつきつつ、ギルベルトが

『で?何があったんだ?』
とさらに聞く。

サブクラスのレベル上げ終了日にまずやる事がお姫さんの粘着対策ということはまあ、思い切り想定の範囲内の事で、覚悟はしている。
むしろ日常が戻って来たなという感じさえする。

だから当たり前に
『話してみ?何か困ったことになってんなら、なんとかすっから』
と言ってやれば、

『本当に申し訳ありません…。
えっと…実は……』
と、お姫さんは申し訳なさそうにぽつりぽつりと話始めた。



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