と、ワン呼吸おいて、脳内で伝えるべき事を整理する。
きょとんとするお姫さんは可愛い。
ああ、もう何をしていても可愛いのだが…それはおいておいて…
『最近、ミアと仲良いみてえだけど、ケイトの二の舞にならないかってのが一点。
あと、そのナイト三大勢力?がお姫さんの粘着になったりしねえのかってのが一点。
最後にミアと仲良くしすぎて、そいつらに嫉妬されないかってのが一点。
以上3点が気になるんだが……』
と、伝えると、おお~!と感心するお姫さんの危機感のなさに力が抜ける。
『えっと…ミアさんは本当にお姫様で男性キャラにしか興味がなくて、私と一緒にいるのは逆にそういう心配が一切ない相手で、恋バナとか色々女の子がするような話?をしたいだけだということなので…。
実際、私はほぼ彼女の周りの男性陣のお話とかの聞き役なので、ケイトさんの時みたいな事はないと思います。
あと2番目に関しては、ミアさんを日々見ている方々が私ごときに興味をもたれる事はまずありません。
3番目は…ん~~……』
つらつらと並べるお姫さんに、ギルは大きくため息をつく。
本当にため息だ。
1番目はまあギルベルト自身も可能性は高くはないと思う。
でも2番目に関して言うなら、まずないと言いきるその根拠のない自信はどこから来る?と思う。
3番目に関しては、本人すら大丈夫だと言えないあり様だ。
『お姫さん…自分がどれだけ可愛いのか分かってねえだろ。
本当に“ごとき”って奴なら、あんなに粘着現れないからな?』
と、とりあえず特に2番目に関してさらに言及してみれば、
『でも……』
と言ったあとに一呼吸おいて言った言葉が
『万が一があったら、いつもギルさんがなんとかしてくれるかな?って』
ゴン!!とリアルでデスクに頭をぶつけた。
なんなんだ、それは~~!!!!!
いつもいつも自分で出来る事は極力自分で。
甘やかしたがる周りの申し出もすべて断って、一生懸命自立を心掛けるくせに、俺様だけは特別か?!!!
正直…ネット上で良かったと思う。
今絶対に自分の顔は真っ赤だとギルベルトは自覚している。
しかもそんなやりとりをしているうちにノアノアがミアに連絡を取ってくれたらしい。
そして、伝言を伝えてくる。
『ミアさんから──それならアリアさんのナイト様もご一緒にいかがですか?ちょうど6人パーティになれますし♪──と言う事ですよ?』
うあ~うあ~うあ~~!!!
こいつ実は空気読んだ良い奴じゃね?!
ちゃんとお姫さんのナイトは誰だかわかってそれかよっ!!
と、現金なものでギルのミアに対する認識は一気に好意的な方向に動いた。
『…えっと…ギルさん、…だめ…ですか?』
と、聞かれて否というわけがない。
とりあえず2番目の心配に関しては、自分が側に居れば睨みを利かせる事でさけられる。
というわけで、
『お姫さんの安全にかかわるのにダメとは言えねえだろ。わかった。俺様も同行する』
とその旨を了承。
ギルベルトもお姫さんと共にナイト三大勢力とやらを見物に行くことになった。
とある白姫の誕生秘話始めから
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