本田もよくそのコマーシャルをみかけて、これまでは、『リア充爆発しろっ!』と思っていたのだが、最近はそんな出会いをするCPが身近にいても良いのかも…と思い始めていた。
身近にいたらうっとおしいと思っていたのだが、案外悪くない。
自分がそうなりたいかと言うと丁重にゴメンこうむりたいところなのだが、双方を知っている親しい若者達がもどかしく距離を縮めていくのを見ているのは意外に楽しい。
本田がそう思っている相手は、自分のリアル部下だが自分の方が何かと面倒を見てもらっているギルベルト・バイルシュミットと、元々世話好きの彼がネット上で面倒をみているアリアという名の少女キャラである。
このアリアの方は、最初のギルドでケイトというそのギルドのマスターが連れて来たネット初心者らしいプレイヤーだ。
紅茶や刺繍、花などに詳しかったり、そう主張するわけでもないのにどこか愛らしい女性らしさがにじみ出ている少女キャラ。
甘やかしたがる周りに甘えることなく、常に礼儀正しく敬語を崩さず、自分のことは極力自分でやろうとしたうえで、助けを求める時も極力相手に手間暇をかけないようにという心遣いが見え隠れする今時珍しく出来たお嬢さんだ。
先日も60になった彼女のホワイトメイジのクラス装備取りを手伝ったのだが、6人パーティが3組一緒に行動するアライアンスでするそのイベントで、当然のようにイベントに必要な諸々をきちんと調べた上で野良で他のクラス装備希望者やヘルプを集うのは本人。
自分がお願いしたヘルプには、当たり前にその場所に行くまでに必要な戦闘を避けるために姿を隠す薬や戦闘に必要な食べ物と薬を自前で配布。
最後にはお礼にとそのジョブに合わせた食べ物を1ダースずつ渡す気遣いようである。
ノアノアはドカン!と一発がでかいブラックメイジなのでレベル上げでは誘われにくいがイベントのヘルプではよく呼ばれるが、正直ここまで丁寧できちんとした当事者は初めてだ。
とても真面目で細やかさに満ちた良いお嬢さんだと常々感心する。
彼女を連れて来たケイトには勝手に夫婦扱いをされて内心辟易としたものを感じてはいたのだが、彼女を見いだしてきた事だけはGJ!と思う。
そんな彼女がケイトに粘着されて困っていた時にそれを助けたのが、リアルで自分が世話になっている部下で実に好青年だと思っているギルベルトだ。
自分はネット恋愛を含めて自身が恋愛をするのは面倒くさい人間なのだが、他人のそれを見ているのは楽しい。
どうせなら2人くっついてしまえば楽しいのに…と思い始める。
アリアの方の年齢も性別もわからないのでリアルでまでとは言わないが、ネット内では非常に性格も良い美男美女なわけだし、イルヴィスウェディングくらいしてもいいのではないだろうか。
そんなあれこれを見るのもオンラインゲームの楽しみの一つではある。
と、本田は実は秘かにやっている同人活動の最新刊に、そんな2人の物語を題材にしようかと思い始めていた。
題材はそう…
──新婦がストーカーに追われているところを助けたのが、新婦と新郎の出会ったきっかけでした…
あたりでどうだろう?
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