青い大地の果てにあるものGA_13_9

初遠征9



「お前らさ、こっちを気づかってくれんのは良いけど、重要な事はきちんと報告しろ。
でねえとこっちだって安心して戦えねえ」

率直なところをそのまま伝えてくれそうなのはトーニョの方なので、戦闘があっただけならそちらに電話するところだが、ジュエルの異変も含まれるとなると、それはどう考えてもブレインの管轄だ。

だからブレインのトップのロヴィーノに電話をして、第一声、冒頭のように言うと、何故か電話の向こうで軽いやりとりが聞こえて、

『あ~、すまん。
ちょお、今ロヴィにあんま言うの堪忍してやって?
親分が話するわ』
と、アントーニョに代わった。

あれだけ不協和音だった事務方と現場が協力体制を取れるようになっているらしいことはめでたいと喜ぶところだが、現状を考えると喜んでも居られない。

ギルベルトは、はぁ~と息を吐きだすと
「俺らが行ってから敵が本部を襲撃、フェリちゃんと梅が出動した。
その後?フェリちゃんのジュエルだけ本人の身体に吸収された。
吸収されたあとでもジュエルをアームス化する事はできるが、アームス化を解いたらまた体内に取り込まれる。
俺が聞いたのはその3点だ。
とりあえず、それに間違いはないか?」
と聞くと、

『おん、それで間違ってへんわ』
と、やはりため息交じりでアントーニョが答えて来た。

『ほんで?何が確認したいん?』
と、そこで丸投げしてくるのが、アントーニョのアントーニョたる所以だと思う。
下手に言い訳をしたり要らぬ説明をしようとしないあたりが、今この緊急時にはありがたい。

「とりあえず…」
と、ギルベルトは脳内で考えをまとめながらも再度口をひらいた。

「戦闘はどうだったか?
具体的には攻めて来た敵の質や数。
それと人的物的被害状況と、第二弾が来た時に大丈夫そうかどうか。
もう一点はジュエルの方だな。
こっちはブレインでも解析中なんだろうから分かる範囲で良い。
まずフェリちゃんだけって話だけど、きっかけのようなものは?
他の2人も今後そうなる可能性があるのか?
アームス化には問題がないってことだが、体内に取り込んでるフェリちゃんの身体的に何か影響はあるのか。
質問は以上、2項目、5点だ」

ギルベルトの話自体はオープンにしてロヴィーノも聞いているらしい。
2人で話し合う声がする。

そして数分後、やはりアントーニョが答えて来た。

『敵はイヴィルが2体とおつきの魔道生物がぎょうさんやな。
そっちの正確な数はさすがに堪忍したって、わからへん。
でもギルちゃんも知っとる通り、イヴィルは倒せへんけど魔道生物はフリーダムでもいけるさかいな、そっちは仰山おっても問題ない。
今回も梅ちゃんとフェリちゃんでイヴィルに対応。フリーダムが雑魚掃除で桜ちゃんが回復とか後方支援やな。
次回どうかて言われると、正直わからへん。
イヴィルの数と質次第ちゃう?
でもそれ言うたら、ギルちゃんとアーティがおれへん時点で、絶対はないわ。
最悪の場合はフリーダムが食いとめて、ジャスティス3人とロヴィに残りのジュエル持たせてギルちゃん達の居る方に逃がすくらいは頑張ったるけど』

という言葉に電話の向こうで『正直に言いすぎだろっ!』と怒るロヴィーノの声が聞こえるが、逆に正直にごまかさないからこそ、その判断は信用できるし、信用できる情報があるから安心して色々考えられる。

だからギルベルトも苦笑しつつ
「あ~、わかった。そっちの問題は最悪大丈夫そうだな」
と、それが許容の範囲である事は伝えておいた。




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