まず飯食ったら互いに身支度整えて、指輪買いに行くぞ。
そのあとはデートな。
行きたいとことかあったら言ってくれれば手配する」
「へ?」
早々に食べ終わったプロイセンが淡々と告げると、それまで料理に釘づけだったイギリスの視線が、プロイセンに向けられる。
ああ、眼がまんまるで可愛いじゃねえか。
と、笑いだしたくなるのを堪え、プロイセンは、ゆっくり噛んで飲み込んでからにしろよ?と、くしゃりとその頭を撫でた。
そしておそらく聞きたいのであろう疑問に答える。
「一応、数百年付き合ってるって事になってっからな?
互いに一緒にいる時間増やしてそういう動作や反応に慣れておかねえと、いざって時に不自然さが出るからな。
バレねえためにしばらくは極力一緒にいて、“恋人として”すごすぞ」
「…なるほどな」
もぎゅもぎゅごっくんと口の中のものを咀嚼して飲み込むと、イギリスは納得したらしくこっくりと頷いた。
なんだか国政から離れて素に戻った飾り気のないイギリスは、反応がいちいちあどけなくて可愛いと思う。
「っていうことで、取れるなら休み取ってこっちで過ごして、お前が取れねえなら俺がロンドンで過ごす。
で、ヴェストとカナダの予定が合い次第、教会の予約して式あげて、そこまでは邪魔が入らねえように秘密裏に速やかにだな。
式あげて人名で籍入れて、その翌日には全国の国体に向けて結婚報告のハガキを発送だ」
食後に紅茶のおかわりを淹れてやりながらプロイセンが言うと、それにもコクコクと素直に頷くイギリス。
いつも一言文句を言わねば気が済まない皮肉屋のように言われているが、普段からきちんと誠実な対応を取って良好な関係を築いていれば、実はそんなに気難しい性格をしているわけではない。
むしろおおらかで細かい事にこだわらないほうだとすら思う。
こうして食事を終えると、プロイセンはイギリスに先にシャワーを使って身支度を整えるように言い置いて、自分は食器を片づけにキッチンへと向かった。
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