ヒロイン絶賛傷心中25

「わけわからん環境やったら皆とりあえず説明して欲しいて話すんの待つやろ?

学校の教室の退屈な授業みたいなんやったら、騒ぎ出すやん。
退屈せん環境で、退屈せんパフォーマンスしながら、自分の言いたい事主張すんのが一番や。


失言したら取り返しつかんてリスク負うても生放送にこだわったのは、顔知らん記者よりは俺の方に好意持ってくれとるお茶の間の皆が後ろにおる事意識させるため。

名札つけさせとるのに質問前に会社名と個人名言わすのは、その【悪友のアントーニョ】のファンの前で身分さらしての質問やから、度を超えた態度取れる奴少ないやろ思うてな。

お茶の間は少し大げさなくらい『面倒見が良い、下のもんちゃんと守ったる親分』を強調したったら、味方についてくれるし、スキャンダルより面白いパフォーマンスさらしつつマスコミ全体に対しては協力的な態度取る気ぃはあるとこ見せたれば、寝返ってウェンズデイのいい加減な記事の方叩く記者もでてくるな~思うたら案の定やし。

まあ…祈愛の登場は想定外やったんやけど、結果的には良かったんちゃう?

…というわけで、何か質問ある?
なければ親分、エリザんとこにアーティ迎えに行って安心させてやらな。

せっかくの連休半日潰れてもうたし、これ完全に広まるまでちょお回りうるさいやろうから、今日は家やけど、明日はどっか連れてったろ思うとるから。
なければ行くで~」

と言う言葉に悪友二人は目を見開いて無言でブンブン首を振る。



それを見て

「ほなな~。また明後日な~」

と、ひらひらと手を振って楽屋を出て行くアントーニョを見送り、パタンとしまったドアを凝視したまま、フランシスがつぶやく。



「……びっくりした」

と、その言葉に、ギルベルトは大きく息を吐き出して、いっきに緊張を解いた。


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