うちの天使ちゃん可愛え、めちゃ可愛え
「トーニョ、まじありえないからっ!本当に焦ったわよ」
収録が終わってどっと疲れたように肩を落としてため息をつくエリザベータ。
「ほんとにね。おつかれさん、エリザちゃん」
と、フランシスは苦笑してその肩をいたわるように叩く。
態度大きいけどこの番組の諸々の権限持ってんのこの女じゃねえから。
ああいう話はプロデューサに言え」
とギルベルトがエリザを親指で指しながら言って
「誰が態度でかいのよっ!」
とフライパンで殴られたところで、
「え?そうなん?
これってエリザちゃんの番組やって思うてたわ。
プロデューサに頼んでこよっ」
と、アントーニョが軽い足取りでスタッフと何やら相談しているプロデューサーの所に走って行く。
まるで番組の延長のような光景だ。
「プロデューサーさん、ちょっとお願いあるんやけど…」
と、当たり前に物怖じもせず話しかけるアントーニョ。
それに側にいた事務所の担当が苦笑する。
「ああ、来週から天使ちゃんも一緒だって。
それで話があるんだけど皆集まって」
「ほんま~。おおきにっ!」
アントーニョがはしゃいでいる間に残り3人も集まってくる。
そして全員集合すると、担当はチラリとプロデューサーに視線を送り、プロデューサが頷くと4人の方に視線を戻して話し始めた。
「とりあえずね、テンション上がりきったトーニョにその手の演技は無理だから…」
との第一声で、アントーニョを除く3人はうんうんと頷く。
「もうそのままでいいよ。
天使ちゃんは後輩猫かわいがりする先輩トーニョが可愛がってる後輩って事で売ってくから。
他は適当にツッコミいれて。
あ、でもエリザだけは…いつもと逆で頼むね」
と視線を向ける担当に、エリザはにこりと頷いた。
「OK、OK。天使ちゃんとトーニョの仲を肯定的な感じな態度取ればいいのよね?」
「エリザはホントに察しが良くて助かるよ。お願いね。
他の二人が落としたらフライパンで殴るくらいでいいから」
「げ…なんだよ、煽らねえでくれよ」
と、頭をかばう動作をするギルベルトの横でフライパンで素振りをするエリザ。
「ということでね、方針が決まったところで明日から常にトーニョと同席させるから、皆よろしくね」
「「は~い」」
と全員揃って良い返事を返したところで、その日は解散と相成った。
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