諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_37_秘密の任務

──ね~、なんで元忍も来てるの?柱なのに暇なの?
と、とある村の木の枝に座りながら、弟弟子に命じられたきつねっこ長女…もとい真菰が自分と同じく気配を消して隣にしゃがんで下を窺う元忍に言う。

いくら柱の継子だとしても余所の柱にあまりに失礼な言い草だが、音柱の方も全く気にする様子はない。

それどころか彼女の言葉を受けて
──いつもではねえけどな。今はちょうど暇になったんで、見物に来た。
と、たまたま時間が空いていたので来た旨を伝える。

それに…時間が空いたのか強引に空けたのかは微妙なところだよね…と、真菰は苦笑した。

しかしまあ自分も自分の上司となった弟弟子…水柱に命じられなくてもこっそり様子見には来ていたと思うので、その辺は追及しないことにして高い所から気づかれないように後輩の鬼退治を見守ることにする。


それはある意味仕組まれた鬼退治だった。

あの日、元忍&花狐同盟を組んだあと、二人で色々相談をした。
そして速やかに粂野匡近を柱にするのをまず最優先で進めていくということで一致して、柱でお館様とも色々と関係のある宇髄がまず、長く空いている風柱の座をさっさと埋めることに対しての重要性を説いて、さりげなく匡近の名を出した。

「なんつ~か…『天元が考えているならそれがおそらく最適解なんだろうね。任せるよ』とか言われたんだが…」
とポリポリと頭を掻きながらそう報告する元忍の顔が少し嬉しそうで、
「まあ…全面的に信頼されてるって嬉しいよね。わかる」
と真菰はそれに寄り添う。

それは便宜上の言葉ではなく、自身も錆兎に同じような事を言われたことがあるので、そのことを口にすると、宇髄は
「あ~…そのあたりが俺らと違って本当に上に立つべくして生まれた人間ってやつなんだよな」
とこちらも納得したように頷いた。

ということでお館様の協力が得られることになったところで、真菰は前世の記憶をたどって今回の計画に最適な下弦を選別し、宇髄は元忍の情報収集能力を駆使してその居所の情報を探る。

そうして選ばれたのが、今回の任務の下弦の参だった。

下弦はわりあいと頻繁と言うほどでもないがそこそこの頻度で柱に倒されているので、決めたからには他に倒される前に計画を実行しなければならない。

前世では最初は下弦とはわからず、弱い鬼が多数ということで新米隊士が大勢で任にあたったのだが、犠牲者が多数出た時点で、何かがおかしいということで援助要請を出した任務だ。

結局は確か胡蝶カナエの前任の花柱が倒したのだが、まあ別に花柱がこれを倒そうと倒すまいと対して未来は変わらない。
なので倒される前にこっそりとその任務をこちらへと寄こしてもらった。


本来なら新米を大勢送り込むところに、どうせなら早く鬼を50体斬らせたいということで匡近を、そしていくら弱くても一人だけでは無理だろうという事で、匡近の面倒も見ていたということで錆兎に話を持って行かせたが、錆兎はあいにく任務が詰まっているということで、代理で真菰をということになった。

まあそのあたりは計画通りで、最初は真菰の補佐で匡近に下弦を…と思っていたのだが、そこになんとどうしても共にその任務に就きたいのだと実弥が割り込んできた。

兄弟子の補佐として共に…と錆兎に土下座。
それは当たり前に匡近もいる場所で…何も知らない匡近が感動して一緒に土下座。

錆兎はその二人の様子に、ん~~と視線を天に向けて考え込み、そして
「ま、いいんじゃないか。兄弟弟子の共闘も」
とあっさりそれを許可してしまった。

だがそうして二人がそれぞれの思惑で喜んでいるのを遠目に、ちょいちょいと真菰に手招き、そして言う。

「お前はお前が行かねばという理由があるんだろう?
ならこっそり気づかれないように見張ってればいいんじゃないか?」

ああ、もうお見通しか。
気にしていないようでいて、錆兎はいつだって真菰の意見を尊重してくれる。

幸いにして真菰は錆兎の管理下で任務も錆兎から命じられて就くので、錆兎がそう言えば全く問題はない。
真菰は錆兎に礼を言うと、そうさせてもらうことにした。

…ということで、今日こうしているわけである。


鬼自体は12鬼月の中でも下弦だけあって特別に強いわけではない。

ただ、身体を自由に変形させて擬態でき、地面の下から鬼に擬態した手足を伸ばせるため、一見複数体の鬼が居るように見える。
しかし一体の鬼に見えても本体以外は飽くまで手足の擬態なので、首に見える部分を斬っても当たり前だが鬼は消えない。
なので前世では弱い鬼が大勢いると思って送り込まれた新人達がそれで動揺してかなり亡くなった。

真菰は自分が死んでから無惨が倒れるまで、少なくとも12鬼月に関しては全てを見て全てを記憶している。
だが何度も言うが下弦の鬼は頻繁に入れ替わっていたので、不死川は自分が対峙した鬼以外は記憶していないだろう。

現に今回も普通に弱い鬼が複数体いる案件だと信じている。
目的はおそらく匡近がこれ以上鬼を斬って50体に到達するのを阻止すると同時に、自分が1体でも多く斬って階級を上げて匡近に追いつくことだろう。

その証拠に現場に着くなり、
「匡近、俺もちったぁ強くなってきたつもりだし、もう一段階な、鍛えてえんだァ。
それで1対1だけじゃなくて、複数体を相手に戦いてえ。
だから匡近はここで待っててもらって、まず俺に任せてくれねえかァ」
と持ち掛けた。

それに対して匡近は、
「お前が強くなったというのは俺も重々承知している。
だが上が複数人でと言ったからには複数人必要な任務という事だろう。
一緒に行こう!」
と悪気もなく生真面目に提案するが、
「うるせえっ!!」
と、不死川はなんと短刀を持ちだしてそれでザクっと匡近の隊服の右袖を近くの木の幹に縫い付けると、匡近が驚きつつもそれを外そうとしている間に先に村の中へと駆け込んでいった。








2 件のコメント :

  1. 更新ありがとうございます😊
    毎回楽しみに待っています‼️
    真菰と宇髄さんの強力サポート、ほんと頼もしいですね。

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    1. コメントありがとうございます😊
      このあとも変な味方がどんどん増えていきますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです💕

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