諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_14_想定外の最終選別

そうして選別についての諸々の説明を受けた後、

──では、いってらっしゃいませ
と、美しい女性の言葉に送り出されて鳥居を超えて会場の森へ。

実弥のさきほどの発言もあって、数人が実弥を追うようについてきている。

実弥が目指すところの最終選別からの華々しい活躍はすでに先にされてしまったとは言え、だからと言って自分がやらないという話にはならない
そうなれば目撃者は多い方がいい。

少し出鼻をくじかれた感はあったものの、実弥はそう思い直して走り進んだ。

前世だか予知夢だかは知らないが、前回の感覚だと鬼が近くに来ればわかる。
そう思って居たのだが、そもそもが鬼の方も隠れる気はなかったようだ。

走っていると前方に堂々と現れて、実弥に向かって長い爪の生えた手を振り上げてくる。

(速さが売りの風柱にそんな攻撃当たるか、ボケェ!!)
と、軽く避けようとしたが、何故か思って居たより体が重いし、動作が鈍い。

…え??
と、そこで実弥は初めて違和感に気づいた。

ザシュっ!と鬼の爪が腕をかすめて血が飛び散る。
それについてきた少年少女達は悲鳴を上げて逃げ出した。

あっという間に一人きりになって内心焦る実弥だが、それでもなんとか踏ん張って立っていると、目の前で鬼がフラフラし始める。

あ~…そっか、稀血かァ…
と、そこで前世で強くなってからはほぼ意識しなくなっていた自身の特性を今更ながら思い出した。

そうして落ち着いて刀を握り締めると、やや苦労をしながらも酔っ払って立ち上がれなくなっている鬼の首を斬り落とす。

しかしそうしていざ斬ってみると、覚えている前世の時と違って、呼吸もうまくは使えず、こんな弱い鬼一匹を倒すのにも苦労した。

当然だ。
実弥は全く気付いていないが、同じ人物で記憶はあったとしても、肉体的にはまだ修行を始めて2年くらいで体力も腕力も呼吸も十分には身についていない少年の力だ。

特に実弥は別にそれまで剣道やそれに近いことをやった経験もなく、2年前、匡近に師範の元に連れて来てもらって、その時に初めて刀の握り方から教わった初心者なのである。
頭で理屈は覚えていても体は全く覚えていない。

そう言う意味ではそのちぐはぐさのせいで、出来ること出来ない事の判断がつかない分、本当の初心者よりもまだ苦労する。

もちろん実弥はそんなことには当然気づいていないので、あんな風に強かったのは単に自分の夢だったのか…と、唖然として途方にくれた。

それでも元々は日輪刀すらなく稀血だけで鬼を酔わせて陽の光を浴びせて倒していたのもあって、斬るのに苦労しようと刀があるだけマシだと思い直して7日間。
なんとか生き残って選別を終えた時には刀はボロボロ、自分もボロボロだった。

結局生き残ったのは実弥を入れて4人。
最初についてきたうちの一人も居たが、互いに目も合わせない。
一応実弥だって鬼を斬ったには斬ったのだが、その場面を見ていないので広めてもらうことは出来そうにない。

はぁ…と、想像とは違った最終選別に肩を落としながら師範の家に帰った実弥は、その後は記憶の通りに最初の任務の後に師範に失踪されて、世間の荒波に放り出されることとなったのである。





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