錆兎が居れば不死川が居ても許容できる…
義勇の答えは簡単に言えばそういうことだ。
それは錆兎にしてみたら悪い答えではないはずなのだが、錆兎は困った顔を宇髄に向けた。
まあ普通の相手に対してならそれをそのまま不死川に伝えて文句を言うなら叩き潰すというところなのだろうが、さきほどの錆兎自身の発言によると宇髄は義勇から好意を持たれているから、錆兎にとっては数少ない優遇すべき相手としてカウントされているがゆえに、極力意向に沿うようにという気遣いなのだろう。
直接的な大切な相手というまでいかない、大切な相手に好意を持たれている相手と言う立場の宇髄にすらこの気遣いなのだから、大切な相手に対する気遣いがどのくらいすごいものなのかはお察しと言ったところだし、宇髄個人としてはこれで完全に諦めがついた。
「じゃ、俺が実弥と話すわ。
実弥の部屋はいまあいつだけだ.し、俺達が移動したほうが早いな。
ってことで冨岡は煉獄が一緒にいる村田の部屋か」
と、パンと膝を軽く叩いて立ち上がると、宇髄は錆兎にそう話しかける。
「…大丈夫か?」
と少し難しい顔の錆兎。
「ああ。これ以上先延ばししても仕方ねえ。
事実は事実と受け止めて先に進むっきゃねえだろ」
今回は本当に不死川の気持ちに寄り添って行動してきた宇髄だが、これはもう、二人の友人について公平に考えれば考えるほど、不死川の方の意見を通すと言う選択肢はない。
暴力暴言の被害者だった義勇は今、誰もがうらやむほどの幸せを掴んでいて、それをこれまで散々加害行動を繰り返して来た不死川の願いを通すために捨ててくれなんて、どんな嫌がらせだよとさすがに思う。
なので宇髄は今回初めて不死川の方をなんとか抑えるには…と考え始めた
こうして錆兎と義勇と連れ立って3人で錆兎と義勇の部屋を出ると、まず村田の部屋に行って義勇を預け、錆兎と二人になって不死川と煉獄の部屋へ。
特に足音を忍ばせていたわけではないが、響くほど大声で話していたわけでもない。
だが、二人が部屋に近づくとノックするまでもなく開くドア。
さすがに不死川も気になっていたらしい。
「で?どうなったんだァ?」
となにはともあれ、と言った風に聞いてくるので、そこは宇髄が
「とりあえず色々話しておくことがあるから、入れろよ。
廊下で話す話でもねえだろうよ」
と苦笑交じりに言う。
「あ、ああ、すまねえ。
入ってくれ」
と、そこで不死川は慌てて少し体をずらして宇髄と錆兎を部屋へと招き入れた。
誤用じゃないかもしれないけれど...^^;「抑えられるには」→「抑えるには」ではないかな?(・・?と思ったのでお暇な時にご確認ください(__)ペコリ
返信削除ご指摘ありがとうございます。
削除修正しました😀