青い大地の果てにあるものsbg_第70章_乙女ジャーナル編集部

モブ子が本部へ来てからまず訪ねたのが蔦子の親友だと言うブレイン本部長の胡蝶カナエだ。

さらさらの黒髪ロングで蔦子と同じ清楚な美女。
これ…類友?美女は美女を呼ぶ??
と、久々に超ド級の美女との新しい出会いに、極東支部を出る前に蔦子と話してさすがに内心沈みがちだったモブ子もテンションが上がる。

自分が美女になることは物心ついた頃からとっくに諦めている代わりに、美しいものをカメラに収めるのが大好きなモブ子にとって鬼殺隊は幸せのいっぱい詰まった宝箱みたいなところだった。

なのにその幸せの元の一つである美女の方から
「モブ子ちゃんねっ。
蔦子ちゃんから噂を聞いて会えるのをとても楽しみにしていたのよ」
などと満面の笑みで駆け寄ってこられて、モブ子、実は明日が自分の命日??とか思ってしまったくらいだ。

「それでね、さっそくなんだけど、義勇君のナイト様として目をつけているのがねっ…」
といそいそとモブ子を乙女達の秘かな楽しみ、乙女ジャーナル編集部の部室として確保しているという部屋に連れ込むカナエ。

「みんなっ!モブ子ちゃんがきたわよ~」
とドアを開けるなりパンパンと両手を叩いて室内の注目を集めてそう告げたカナエの言葉に、室内からは何故か
──おおぉぉ~~!!!
という歓声があがった。

さらに
──あの有名なモブ子氏?
──あの天才写真家の?!!
などと、とんでもない声があがって、モブ生活20うんねんのモブ子は驚くとともにびびってしまう。

「な、なんです?天才って…」
と隣のカナエに視線を向ければ彼女はにっこり
「義勇君を可愛らしく撮る天才ですもの。
乙女ジャーナル編集部部員一同、モブ子ちゃんの写真を日々楽しみにしてきたのよ?」
などとのたまわった。

「ま、まあ、それについては確かに…。
私の撮る義勇君は世界の至宝であると自負はしておりますが、そもそもが被写体がこの世の奇跡と言って良いレベルの愛らしさなのでっ!」
と、義勇君の可愛さを最大限に引き出すことにかけては誰にも負ける気がしないというのは自分でも否定できないなと思いつつ、一応被写体がそもそも素晴らしすぎるのだと言うことは主張しておく。

そんなモブ子の発言に沸き起こる拍手。
そして隣のカナエはテンション高く編集長デスクと名札が置かれた自分のデスクにモブ子を呼び寄せて、ノートPCを開いて言った。

「やっぱりね、写真はモブ子ちゃんには誰も敵わないと思うの。
だからこれからは義勇君と共に彼のナイト様…もといセコムになってもらう予定の彼の写真も一緒に撮って欲しいのよ。
そう…蔦子ちゃんにも安心してもらえるように、吟味に吟味を重ねた結果選び出した、本部ジャスティス最強の男、鱗滝錆兎君にしっかりと寄り添われて守られた義勇君の写真を彼女に送れるようにっ!!」









2 件のコメント :

  1. めちゃくちゃ些細な部分ですが一応「清楚の美女」→清楚系の美女or清楚な美女…かと思います。ご確認くださいA^^;

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    1. ご指摘ありがとうございます。
      修正しました😃

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