──真菰さん、クリームなしのあんこマシマシですよね?
──うんっ!ありがと~っ!さすがしのぶちゃんっ!!
しのぶは本当に卒がない。
周りの好みを細かいところまで記憶している。
ただ、いつか判明する彼女の第二段階が後衛よりのものであればそちらを多用することになるだろうね…などと丁度これから説明をする予定のものになぞらえて真菰はちらりと脳内でそんなことを考えつつ、礼を言ってしのぶからあんみつの器を受け取った。
そして
「新しい仲間を迎えたところで、ちょっとね、皆にももう一段階上を目指して欲しいなと思うの。
で、その方法についてね、錆兎から説明があるから皆デザート食べながらで良いから聞いてね」
と切り出す。
は~い!と素直に返事をする蜜璃と義勇。
しのぶだけは真菰達が4人だけで共有したい話をしていたのかと思っていたので少し意外そうな顔をするが、とりあえずは──わかりました…と頷いて姿勢を正した。
そうして3人が聞く体制に入ったところで、
──しのぶはあとで炭治郎にも伝えておいてくれ
と一番説明が上手いしのぶに振った上で錆兎が説明に入る。
「ジャスティスってのはブレストアームス、通称ジュエルに選ばれた人間の集まりで、その武器はジュエルが変形したものというのは皆も知っての通りだ。
だが、このジュエル、選ばれた時点では変形する武器は一種類なんだが、ジュエルとの相性…これは便宜的に共鳴率と呼ばれているんだが、これがあがると最初の武器を含めて3段階にまで変化する。
ただし第三段階ってのは能力を極限まで引き出す形になるから、そこまでやると良くて再起不能、悪くすれば死ぬ。
だからないものと思っていい。
で、皆には第二段階までの能力をひきだせることを目指して欲しいと思っている。
俺の場合、第一段階は刀、第二段階は槍。
真菰の場合は第一段階が大剣で第二段階は鎌。
皆見たことあるよな?
これは俺達が特別なんじゃなくて、俺達は共鳴率が上がったことによって第二段階の武器まで引き出せるようになったってことなんだ」
ほぉぉ~と感心する蜜璃としのぶ。
唯一義勇が驚いていないところをみると、彼は知っていた…あるいは宇髄と一緒で第二段階までいっているのかもしれない。
「それを目指すことにはもちろん異存はありません。
全力を尽くそうと思います。
それで具体的には?
共鳴率というものはどうすればあがるんですか?」
真面目なしのぶは身を乗り出すようにして聞いてくるが、そこで錆兎と真菰、それに宇髄は顔を見合わせた。
「…俺は…なんとなく?
もうジュエルに選ばれてすぐくらいには戦闘に忙しくて気づいたら第二段階突入してた。
当時は近接アタッカーの義勇の親父さんもいたからな。
俺が防御よりになっても問題なく回ってたし結構使ってたぜ?」
「あ~あたしはいつだろ…。
たぶん錆兎も鱗滝さんも居なくて一人で回してた任務でだったんじゃないかな?
当時まだ12くらいで未熟者だったしね。
ソロでイヴィル倒すのもいっぱいいっぱいでプラス魔導生物いたら結構死ぬかも?ってくらいだったのに、イヴィルとクマ二体とか来ちゃって、でもフリーダム置いて逃げるわけにもいかないし、彼ら先に逃がしつつ、もう死ぬ!無理死ぬ!とか思ってたら気づけば?
鎌モードだと攻撃することで自己回復できるからなんとか乗り切れた」
「…真菰、話が長い。
ジャスティス2年目に第一段階では困難な戦況で到達したでいい」
「何よ~!
詳しく話した方が何かヒントが見つかるかもしれないでしょっ!」
状況を思い出すように語る真菰にピシっと最低限だけまとめろと言う錆兎。
真菰は言われてぷくりと頬を膨らませて反論する。
そんな二人のやりとりも気にすることなく蜜璃が
──つまり…ピンチに発動する必殺技ですねっ!!
と、キラキラした目でこぶしをギュッと握り締めると、善逸は
──12歳でイヴィルをソロでって真菰ちゃん最強すぎない?!
と驚き、しのぶは
──つまり…共鳴率のあげ方についてはっきりしたことはわかっていないと言うことですね?
と冷静に確認してくる。
それに対してはまさにその通りなので真菰と錆兎は揃って頷いた。
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