青い大地の果てにあるものsbg_第27章_脳筋達の会話

「そう言えば…錆兎はどうしたんです?
新人ならたぶん一番に顔合わせしておいた方が良くないです?」

真菰が一通りの人間について言及、あるいは紹介を終えると、炭治郎は不思議そうに辺りを見回した。

「おかしいな…。
こういう時って絶対に案内役頼まれてると思うし、不参加ってことないと思うんだけど…。
もしかして不死川さんに頼まれてフリーダムの仕事手伝ってるのかな。
俺探してきましょうか?」

何も知らずにそう言う炭治郎。
不死川…というワードに青ざめる蜜璃と善逸。
苦笑いの真菰。

「ああ、たぶん相方が砂ちゃんに粘着されて保護されてるみてえだから、明日でいいわ」
とそこでそう口をはさむ宇随に炭治郎は
「砂ちゃん?」
と首をかしげた。

そのやりとりに真菰は宇髄に説明役を振ることにしたようだ。
──ちょっと飲むもの貰ってくるね
と、いったん離れる。

それに頷いた上で炭治郎は宇髄の方を向き直って聞く体制に入った。


「で?誰です?」
と言う炭治郎に宇髄が言う。

「極東のブレイン支部長で、もう一人の極東のジャスティス、ヒーラーの義勇のストーカーな、砂田。
で、明日には極東に帰るから砂田も必死だろうし今日何かあったら怖いってことで義勇は逃走中なんだが、どうやら錆兎が義勇を見つけて保護してくれてるらしい。
だから俺との顔合わせは明日以降に……」
と、宇髄が説明する言葉は最後まで紡がせてはもらえなかった。

「女性にセクハラなんてとんでもない奴ですねっ!!
俺がそいつ探して隔離してきますっ!!」
と、炭治郎はいきなりこちらも真菰並みのどでかい声で叫んで止めるまでもなく駆け出していく。

──いや、義勇は女じゃねえが……
というそれを追いかけるように後ろからかけられる宇髄の言葉は当然聞いていない。

そう、炭治郎は非常にまっすぐ直情的で使命感に燃えやすい男だった。


「あ~、炭治郎また暴走したかっ」
と、そこにケラケラと笑いながらグラスを手にした真菰が戻ってくる。

「…砂田を張り倒すのは別に止めやしねえが、義勇の性別は…」
と、それに聞かない炭治郎の代わりにと真菰に伝えてくる宇髄。

しかし
「うん、大丈夫大丈夫!
男でも女でもジェンダーレスでも問題なし。
それでも何か炭治郎の暴走が続くようなら殴れば止まるからっ」
と返してくる真菰。

それに宇髄は
「本部は豪快だな」
と噴き出す。

「うん、こっちのジャスティスは善逸君としのぶちゃん以外は基本脳筋だから、わかりあえないと思ったら基本殴り合えばいいと思うよ?」
という真菰の言葉にいきなりそれだと戸惑わないかと心配する善逸だが、宇髄はそれにむしろ好印象を持ったらしく。
「面倒くさくなくていいなっ」
と楽しそうに笑った。











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