青い大地の果てにあるものsbg_第3章_帰路の車内で…

「はぁ~きっつ~。」
こうして敵を一掃して戻る車の中、真菰はグタ~っと後部座席のクッションに身を投げ出した。

「最近レッドムーンの動き、異常に活発よね。真面目にきっついわ~」
「ごめんネ、真菰さん。私達がちゃんと一人でイヴィル一体くらい倒せれば良いんだけど……」
と、その言葉に蜜璃がしゅんとうつむくのに、
「ああ、それは仕方ないわよ。あたしと錆兎は場数が違うしね。
蜜璃ちゃんもしのぶちゃんもよくやってくれてるわ」
と、真菰は自分よりも体は大きい蜜璃の頭をわしわしと撫でる。

しのぶの方は蜜璃のように素直に甘えることも出来ず、しゅん!と身を縮こませるように座って俯いているので、錆兎が
「まあ…蜜璃はパワーがあるし、しのぶは仕事が細やかで正確でミスがないからな。
今は補佐ではあるが十分信頼ができるし居ると気が楽で助かるぞ」
と言ってやると、少しだけホッとしたような笑みを浮かべた。

「そうだよ。俺だって炭治郎と1人で1体だしね」
とそれにさらにフォローを入れる善逸には、
「俺達はもう少し精進すべきだけどなっ!鍛錬しないと!」
と、そこで炭治郎が自戒を込めて言うが、善逸は鍛錬の部分は完全にスルーして、くあぁぁと猫のように伸びをした。

そんな二人の様子をこちらもスルーして、ずっと無言だったしのぶがふと思いついたように口を開く。

「まあ真菰さんも錆兎兄さんも、もうすぐ少し楽になるんじゃないかしら?
上の方針でジャスティス全員本部に集めるらしいから」

姉が事務方である研究集団ブレインのトップなため、しのぶは情報通だ。
そう言うしのぶの言葉に真菰の目がきらりと輝いた。

「あー、極東支部組でしょっ!
合流するって噂は聞いたわっ!
義勇君!!
可愛い子よっ!天使よ、天使っ!!
可愛いだけじゃなくてジャスティス唯一のヒーラーだものねっ!
アタッカーからすると助かるわぁ~~」

「あと…あの手の数多い雑魚殲滅も楽になるよねっ」
「…ああ、もう一人は遠隔範囲いける魔術師系らしいな」
と、その善逸の言葉には錆兎が運転席から口をはさむ。
それにも真菰は目を輝かせて食い付いた。

「宇髄天元君っ!
こっちも美少年らしいよね。
二人揃って美少年。
楽しくなりそうだよね」

「………」
「………」
「………」

その真菰のテンションに、男3人がまた真菰の病気が…と言わんばかりに押し黙る。
そして錆兎が一言…
「お前…食うなよ?」
「…食わないよ?夢は対象外だから」
「…意味わからん……」

ああ、本当にこいつの話す言葉の半分の意味もわからないが、わかりたいかと言うとわかりたくない…
それが正直なところで、それ以上追及はしない事にして、錆兎は運転に集中する事にした。









2 件のコメント :

  1. いよいよ義勇くんのお名前が!面白くなる予感バリバリです〜!
    公開して下さるその時を楽しみにしてます😆✨💖

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    1. 読んでいただいてありがとうございます😊
      6話くらいから天然弟気質Giyuに振り回されるSabitoの話が始まります😁

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