人魚島殺人事件_46_神様の取り計らい?

宇髄と善逸を見送ったあと、錆兎が松坂の自白に従って松坂の部屋のクローゼットの中を調べると、斉藤の絞殺死体が発見された。

そこでまたふと感じる違和感…。
しかしはそれが何かどうしてもわからない。
そうこうしているうちに警察がやってきた。


「赤井です。今回はよろしくお願い致しますっ!」
責任者らしき人物にいきなり頭を下げられて戸惑う錆兎。

「いや…こちらこそ…。というか…何故俺に?」
「加藤警視から今回の事件現場には警察も手をやいた昨年夏の高校生連続殺人事件を始めとして5件もの事件を全て短時間で解決してみせた天才高校生がいるから勉強させて貰って来いと言われてまして…」
あの人はぁ…と、錆兎は内心頭を抱えた。

「え~と、もう思い切り尾ひれつきまくってるんで。その件は忘れて下さい」
錆兎はきっぱり言うと
「現在の状況は…」
と、話を先に進めた。


「被疑者は確保してます。
自供と、その裏もある程度取れてます。
これがとりあえず報告書です。
調べてこちらに上げて頂きたい事もここに明記してありますので」

警察を待っている間にノートPCで作成した報告書をだすと、赤井はそれを見て感嘆の声をあげる。

「さすがですねっ!もう解決されてましたか。
毒や指紋についてはもちろん通常調べる物ですから、結果が分かり次第報告させて頂きます」
赤井はそう言うと、部下にテキパキと指示をする。


「あ、あのぅ…申し訳ありません、鱗滝さん…」
やがて錆兎に警察の責任者の赤井がきまずそうに声をかけてくる。

「あ、はい。何かわかりましたか?」
「はい。淡路さんはおっしゃった通り死因は溺死。斉藤さんは絞殺。
渡して頂いた髪の毛も確かに斉藤さんの物でした。
で、水野さんの死亡原因となった毒はりんごジュースの瓶の中から発見されました。
他のオレンジジュースや炭酸飲料からは薬物の類いは検出されていません。
他に何かお聞きになりたい事があれば誰でも捕まえておっしゃって下さい」
赤井は錆兎に調べる様に依頼されていた事を報告する。

「ありがとうございます。」
錆兎が礼を言うと、赤井が下がって行く。

「宇髄が飲める物には…毒が入ってなかったんだな。
宇髄が飲めないたった一本しかないりんごジュースにだけ毒って、やっぱり神様が友達殺させない様にってはかってくれたのかもな」

横で一緒に報告を聞いていた義勇がつぶやいた。

「神様じゃなくて、毒いれたのは松坂さんだけどな」
と、錆兎はそれに発想が可愛いなと思いつつ苦笑する。

まあ…毒物入りの飲み物を他と間違わないように一本だけ種類を変えて、水野の側にさりげなく置いたのだろう。

え?
しかし…錆兎はふと思いついて硬直した。
一つの考えが頭をよぎる。

そして
「赤井さん!」
と、錆兎は赤井に一つの事件の情報提供を依頼した。

そして…しばらくして情報がもたらされると、錆兎は確信して、赤井に松坂を含めた今回の参加者の学生全員を集めてくれるよう頼んだ。









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