人魚島殺人事件_07_宇髄の旧友

こうして炭治郎と善逸、錆兎と義勇が初めて出会ってから1年後の高3の夏休み。
4人は宇髄所有の別荘に集まることになった。

とは言っても錆兎達は少し用事で遅れるということなので、炭治郎は善逸と共に禰豆子の先輩達を含む他の面々と一足先に島入りをすることに。

一応モデルの採寸の必要もあることだし、現地で作成…ということで、島には長期滞在をする予定になっている。

島ということで船以外の交通手段は使えないのはもちろん、その前に”宇髄個人所有の”という文字がついているため、公共の船舶が行き交う事もないので、お前ら勝手に現地集合しろ、とは当然言えない。


ということで、宇髄家の豪華クルーザーで、少し遅れて合流する錆兎と義勇をのぞく当事者である監督、デザイナー、スタイリスト、音楽の4名の他、ボランティアで手伝ってくれるという音響、縫製、照明、カメラマン、モデルの女性3名、そして炭治郎、善逸、禰豆子は一足先に人魚島というなんともロマンティックな名前の島へとたどりついていた。

一面に広がる青い空。
白い豪奢な別荘はちょっとしたプティホテルくらいあり、その正面には白い砂浜。
島全体が個人所有ということは、もちろん当たり前にプライベートビーチだ。
さらに別荘をはさんで海と反対側にはプールまである。

ちなみに…今回縫製を手伝う遥、カメラマンを務める別所、そして当事者の一人、音楽担当の成田は同じ城上大の3年生だ。
あとはデザイナーの綾瀬瑞希とスタイリストの平井が東京家政大な他は、監督の古手川、モデルの水野、淡路、斉藤の3人組は全員尚英大である。

その他には全体のデザインと縫製補助の松坂綾太郎。

彼はなんと中等部までは海陽学園に通っていて錆兎達の1年年上の先輩とのことである。
特に留学をしていたため現在は錆兎達と同学年だが年齢は1歳年上の宇髄とは小等部時代は同学年で同じクラスで部活も同じで仲良くしていただけでなく、同じ画塾に通っていた友人らしい。

それだけではない。
在学中に権威ある画家が極少数探していた特別な弟子として選ばれて、高校からはその画家が名誉教授を務めている現在の大学の付属校に特待生で入学したという優秀な人物だ。

互いに炭治郎達を含めた参加メンバーが決まって初めて互いの参加を知ったらしく、
──綾太郎が来んなら参加して良かったぜっ
と、宇髄にしてはストレートにその再会を喜んでいる様子で、基本人当たりは良いがあまり他人に執着しない宇髄のそんな様子には炭治郎も善逸も秘かに驚いてしまった。








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