ということで、金狼寮に関しては納得した錆兎は、次に
「で?無一郎のところは?」
と、無一郎を振り返った。
本当に邪気がない可愛らしい笑顔だ。
その一見全く邪気がなさそうなところが恐ろしい。
「銀竜寮はね…目立たないところがミソなんだよ?」
と、まず軽いジャブ。
「実は金銀虎寮から同盟のお誘いをうけてるんだ、うち」
「へ???」
あまりに意外な言葉に錆兎は目を丸くした。
戦力というならこれほどない寮も珍しいんじゃないだろうか…。
それが何故?
…と、一見失礼で、しかし誰もが持つその考えを、当然無一郎も自覚している。
「一番無力で無害…それがミソなんだよ」
と、そんな風にみられていることも自覚済みとばかりに無一郎は微笑んだ。
「今の状況としてはね、金銀虎は表向きは同盟を組んでる。
互いに不可侵。
でも双方1位を狙ってるからね。
互いのテリトリーに足を踏み入れられれば警戒される。
でも弱くて守って欲しいだけな銀竜寮の人間なら出し抜かれる心配はないからね。
双方で情報を交換したり足並みをそろえる作戦を伝える、テリトリーに入っても何もできない無害な連絡役としてうちの寮を欲しいってこと。
で、最終的に、出来れば互いを出し抜く手伝いをさせたい…ってとこかな?
あとは、たぶん…両方の寮が手にしたブレスレットが同数だったら、うちの寮を叩いてブレスを強奪して相手に差をつければ良いと思ってると思うよ?
もちろんそうは言わないだろうけどね」
と、笑顔は可愛いが語る言葉は可愛くはない。
「…っていうことで、うちは3年生寮と組むのは論外。
とすると、同盟相手は錆兎達しかいないってこと。
錆兎達のメリットは…自分達を絶対に裏切れない同盟者が出来るってこと?
3年生組が組むのは決定だから、あとは金銀の2年生が3年生組か1年生組につくことになるんだけど…金竜は絶対に裏切るよ?
彼らだって優勝したいと思ってるからね。
もちろん…2年生を引き入れずに1年生寮2寮だけで戦うって選択肢もなくはない。
だけど、うちも不死川のとこと一緒で、今回の事だけじゃなくて他のつながりがあるから絶対に錆兎を裏切れないと思えば、いないより居た方がいいでしょ?」
これ…大したことはできないけど、裏切らないし頭数だけでも多い方が良いだろうと言われてるのか…と、錆兎は脳内で整理する。
だが…確かに寮としては大したことができない弱い寮だとしても、実は姫君は腕力はなくとも策略においては海千山千の最強の姫君だ。
「わかった。銀竜への条件は無一郎も我妻と同様銀狼寮の陣地にこもること。
で…兵隊は俺の預り。
寮長の村田は俺と敵の攻城戦。
ってのが表の条件で、裏の条件。
陣地の設計は俺がするが、無一郎も本気で身を守るとしたら…ってことで、意見聞かせてくれ。
実弥も含めて全員の認識として、守る順番はうちの姫さん、無一郎、我妻な?
それで万が一、2寮の姫君や実弥、村田がブレスを取られることになったとしても、俺が他寮から分捕って最低保証はする。
…ってことでどうだ?」
「十分!ってか、うちはマジ余ったらで。
我妻の命の防衛が最重要事項だからな」
「うちも了解だよ。さすが錆兎。良心的だね」
と、不死川と無一郎がそれぞれ了承する。
こうして同盟と大まかな役割が決定したところで、錆兎は内線で炭治郎を呼び出して、4人で細部の検討に移った。
誤変換じゃないかも知れないけど一応、最後の「見当」→「検討」ではないかご確認ください。(*- -)(*_ _)ペコリ
返信削除ご指摘ありがとうございます。
削除誤変換ですね😅
同音異義語は最初に出たのをぽちしちゃうことがよくあります💦💦