村田の人生やり直し中_96_合流

──えっ?!!宇髄、無事だったのっ?!!伊黒も蜜璃ちゃんも…

そこには宇髄だけではない。
伊黒も甘露寺もいた。

その村田の言葉に首をかしげる宇髄。

そこで村田は
「だって…お前らが担当だった上弦の弐がこっちに来たからさ…。
てっきりやられちゃったのかと思って焦ったよ」
と苦笑交じりにそう説明する。

それでようやく合点がいった部分といかない部分が半々と言うところだろうか…

「あ~…お館様情報の上弦の弐がいるはずの部屋にたどり着いたらもぬけのからだったから、待ってても戻ってくるのかわかんねえし、とりあえず先に進もうかって色々なぎ倒しながら一番近そうなここに向かったんだよ。
で?上弦の弐がこっちに来たってことは…?」
と宇髄が村田と錆兎の二人を見比べながら聞いてきた。

「あ~、うん、倒した」
とそれに村田が端的に答えると、宇髄も伊黒も甘露寺も、揃って目を丸くする。

「マジかよっ!!
お前、そんなすごいこと、何あっさり言ってやがんだっ!
…ってか、ぜんっぜん大きな怪我もなしってか?
水の呼吸組の面目躍如かぁ」

という宇髄の言葉に村田は自分も倒した頭数に入れられていることに気づいて
「いや、俺は立会人で刀抜かないって約束になってたから…」
と、そこは否定しておいた。

しかしその言葉はさらなる誤解を生んだようで、
「えっ?えっ?ウソだろっ?!!
錆兎一人で上弦の参と弐を一度に倒したのかっ?!!」
と宇髄は絶叫する。

「あ、いや、それは嘘」
と村田はそこも否定。

「正確には錆兎と上弦の参で上弦の弐を倒したと言うのが正しい」
「はあぁあ???」

まあわけがわからないのも無理はない。
よもや錆兎が上弦の鬼と厚い友情を築いているとは誰も思っても見ないだろう。

そこで村田がその旨とこれまでの経過を説明すると、さすがの宇髄も心底呆れ返って
「錆兎…どんだけ人たらしなんだよ…
さすがに上弦の鬼に協力させるとかないわぁ…」
とため息をつく。

「それで?めでたく上弦の弐を一緒に倒した上で上弦の参も消えて?
お前らなんでこんなとこでのんびりしてんだよっ。
まだ上弦の壱も…無惨も残ってんだからなっ?
ここでちゃっちゃと駆け付けねえと死人が増えんだ。
ほら、行くぞっ!」

そう言ってただ俯いていた錆兎の腕を取って引きずるように部屋を出る宇髄。

この状況でどうしていいかわからずに戸惑うしかできなかった村田はそうして次の行動へと誘導してくれる彼にホッとした。

伊黒と甘露寺も同じくらしい。

錆兎も落ち込んではいたものの、そう言われると立ち止まるわけにはいかないと思ったようで、
──次は…上弦の壱、黒死牟だな……
と、何か苦いものでも飲み込むようにそう言って、刀をしっかりと握り直す。

──おう。それが済んだらダチの仇の無惨だなっ
──…っ!…そうだな、奴にあったら容赦なく全てを使って切り刻んでやるっ
宇髄は本当にのせるのが上手い…と村田は感心した。

確かに今回のこの状況だと好敵手を戦うことなく正々堂々ではないやり方で殺したのは確かに無惨である。
そう考えると錆兎的には普通の仇よりも憎むべき仇なのだろう。

宇髄の言葉にしっかりと顔を上げた時には、もう迷いのない戦う剣士の顔に戻っていた。








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