錆兎とお館様と話をした翌々日、最終決戦について話し合うために臨時で柱合会議が開かれた。
前世での大方の流れは3人の時に村田が説明したのだが、さすがに全員が村田の言うことを信じてくれるわけではないだろう。
まず、上弦には極力大勢で当たった方が良いのだが、それでも逃げられないうちに無惨の所までたどり着くには全員で上弦一体一体に当たるわけにはいかない。
なので上弦のそれぞれの能力を全員が知ったうえで、可能な限りそれぞれに対峙する柱を決めようと言うことになった。
前世ではそれぞれ上弦の陸になった獪岳は善逸が、上弦の弐は胡蝶しのぶとカナヲと伊之助が、上弦の参は義勇と炭治郎が…そして上弦の壱は悲鳴嶼と不死川兄弟、そして無一郎が倒したのだが、上弦の参以外は犠牲が多すぎたし、そもそも条件が色々変わってしまったので同じ組み合わせには出来ない。
なのでまず下位から。
前世では一人で思いつめた善逸だが、今生では桑島老の悲報を聞いてすぐ炭治郎に事情を話して善逸の所に向かわせて寄り添わせたため、一門から出した鬼は自分が…という善逸を空気を読まない長男が『水臭いぞっ!俺と善逸の仲じゃないかっ!お前の使命は俺の使命っ!一緒に倒すぞっ!』と押し切ったようだ。
前世を考えると善逸だけでも倒せるかもしれないが、あとで障害が残る結果になると思うので、そこは伊之助も合わせて3人で。
あとは色々と言葉に翻弄されないように飽くまで言葉を聞かずに我が道を行く煉獄を3人の監督がてら投入することに。
トリッキーな上弦の弐は攻撃が速いので同じく速い宇髄を中心に、攻撃が同じくトリッキーで読みにくい伊黒を補佐につける。
もちろん甘露寺も一緒だ。
続いて上弦の参はおそらく避けても追ってくるだろうから、錆兎が。
こちらは絶対に一対一の勝負を望むだろうと言うことは想像に難くない。
だが、単独行動は状況がつかみにくいので、立会人として村田がつくことになった。
「猗窩座戦は同じ条件で正々堂々という条件を付けようと思う」
と、その話が出た時に錆兎が言う。
「同じ条件?」
とその言葉に首をかしげる柱達。
「ああ、奴は鬼だがそういう意味では立派な武人だ。
卑怯な真似を嫌うし、当然自身も卑怯な真似はしない。
だからとりあえずこちらは村田同伴だがどれだけ俺が危なくなっても絶対に村田に手を出させない立会人の立場を逸脱させないということを誓う代わりに、同じ条件でないと強さの優劣はつけられないはずだということで、首を落とすとか人間で言えば致命傷に当たる傷を負わせた場合はあちらが負けを認めて引き下がるという条件を提示しようと思っている。
負けたペナルティは俺達に道を開けること。
それで無惨との決着がつこうとつくまいと、互いが生きているならまた互いに鍛えて時間を取れる時に勝負しようということで…五分五分くらいだろうか…」
「…それ…真面目に言っているか?」
と、まず宇髄が口を開く。
「ああ、大真面目だ。
それでダメならもう相手が諦めて蘇生をやめるまで付き合うしかないが、それで引いてくれたら儲けものだろう?
上手くいけば上弦壱の黒死牟戦に間に合う」
と、宇髄の言葉に錆兎は笑顔で頷いた。
「マジかぁ…俺が言うのもなんだが、ほんっと思考が脳筋だなァ…」
と、呆れかえる不死川。
このあたりの人選は錆兎とお館様で予め話し合って決めていたので、お館様は無言でただニコニコと笑みを浮かべている。
そういうわけで、残りの悲鳴嶼、不死川兄弟、カナエ、カナヲ、無一郎は前世で黒死牟が居たあたりに向かうということで決定した。
もちろん他にも隊士は居るが、上弦と戦うまではいかないくらいの強さなので、雑魚掃除となる。
さらに槇寿郎と鱗滝はこちらに呼ばれていて、花柱屋敷で義勇と共に避難している輝利哉と、その後に合流予定のお館様ご夫妻を護衛することとなった。
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