列車任務が終わって水柱屋敷に帰宅後、ホッと一息をつく村田。
これでとりあえず前世で早い段階で亡くなった胡蝶カナエと煉獄杏寿郎の死は回避できた。
彼らが生き残ったということで未来が変化したので、必ずしも前世の歴史が参考にならなくなってきたが、まあ、おおまかな流れは変わらないだろうから、次の大きな戦いは上弦の陸戦だろう。
命を失くすよりはマシだができればこれも回避したい。
前世で炭治郎に聞いたところによると上弦の陸は兄と妹の二体いて、同時にその首を斬らねばならないらしい。
そして妹の方はとにかくとして、兄は毒の武器で攻撃してくるため、当たったらまずいとのことだ。
前世では討ち取ったあとに禰豆子が浄化してくれたらしいが、毒を食らえば戦闘中の動きは当然悪くなる。
というか、前世ではたまたまそうなっただけであって、今生でも敵が毒を持っていることは絶対的に変わらないだろうが禰豆子が浄化できるのかは未知数なので、攻撃を食らって毒におかされれば下手をすれば死ぬ。
元忍者ということで柱の中でも回避に優れているはずの宇髄でも食らった攻撃を食らわずに敵を倒す、それは容易なことではないだろう。
そうなると人選はおのずから限られてくる。
もちろん村田が考える厄介ごと要因は錆兎一択なわけなのだが…
今回に関しては単純に倒せばいいというわけではなくて、攻撃に一切当たらずに倒せるということなので、正確に言えば錆兎with義勇というか…当人が錆兎の護衛専用と言い切る義勇独自の剣技、凪頼みだろうというところだ。
だが問題は場所が遊郭ということなので、錆兎が本人はとにかくとして義勇を近づけさせるのを嫌がりそうだ。
それをどう説得するかが問題だ…と一人悩んでいたところに、さらにとんでもない事件が起こる。
とある任務の時である。
それは炭治郎と善逸、そして伊之助の3人が請け負った難易度の高い任務で、もちろん新人の3人だけでなく、風柱の不死川の元の補佐というものだった。
しかしながらお世辞にも協調性があるとは言えない不死川と、同期である彼の弟の玄弥に対する不死川の態度に対して思う所がありすぎて任務以前に彼と揉めていた炭治郎、そして空気を一切読まないで暴走する伊之助に挟まれて泣きわめく善逸というカオスな組み合わせで上手くいくわけがない。
本当なら別の柱を送りたいところなのだが、あいにく錆兎を含めて柱は全員遠征中だ。
…ということで、せめて同門ということで炭治郎は抑えられるだろうし、不死川が今生では対応が優しくなっている義勇を緩和剤として同行させようということになったらしい。
そこまでは良かった。
炭治郎は義勇の言うことならとりあえず大人しく聞くし、不死川も同じくで、二人の間の対話は義勇を通せば平和的に成り立っていたようだ。
だがそこで恐ろしいことに、義勇が敵の血鬼術にかかった。
そしてさらに恐ろしいことにその鬼に逃げられたらしく、血鬼術が解けない。
そこでようやく手の空いた悲鳴嶼を加えて柱が二人いるなら新人3人は足手まといだということで、不死川と悲鳴嶼が今その鬼の行方を追っている。
………というわけで…上弦の陸戦という厄介な戦いの前に、すでに血鬼術で美少女のなったまま戻れない義勇という錆兎が知ったら激怒ではすまない事態が起こって、対錆兎の謝罪要員として村田に白羽の矢が立ったのである。
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