村田の人生やり直し中_35_初柱合会議

本当に本当に切実に逃げたいっ!!

錆兎の離れでお茶を飲んで錆兎に連れられていざ出陣!
初めての柱合会議はとんでもなかった。

当たり前だが柱が勢ぞろいしている。
まだ時期が早いため、前世で知っている顔は半数くらいだ。

岩柱の悲鳴嶼と音柱の宇髄…そして直接的に知っているわけではないが炎柱の煉獄杏寿郎の父で前炎柱の煉獄槇寿郎。
そして…蟲柱の胡蝶しのぶの姉の胡蝶カナエ。

その姿を目にすると鼻の奥がツンとする。
遠目で見たことしかなかったが、とても優し気で実際一緒に任務についていた同期は頂点の柱なのにとても優しく慈しみ深い人だったと言っていた。

村田が17なので、彼女はおそらく現在16。
あと1年で上弦の弐に殺されると思うと、胸が締め付けられるような思いだ。

出来れば彼女の死も回避したい。
最初の最終選別の結果を受けて歴史は変わったのだ。
前世のこの当時にはすでに半数以下になっていた同期だってまだ5分の4くらいは残っているのだし、不可能ではないはずだ。

と、そんなことを考えていると、お館様がいらっしゃる旨が伝えられ、そこで村田はハッと我に返る。
そうだ、水柱を辞退したい旨をどう伝えるかを全く考えていない。

頼みの錆兎にはここに来る前に、『助けもするし愚痴も聞くが辞退は無理だ、受け入れられない』とはっきり宣言をされている。

そうして慣れぬ場所でオロオロとしているうちに、お館様に先んじて他に紹介され、水柱として頼むねとまで言われてしまって、否と言う機会を逸してしまった。

「…えっと…俺じゃ無理というか……」
と、それでもぼそぼそと形ばかりの反論をしてみると、ちょうど隣に並んでいた炎柱に
「君と初めて会った筆頭と君の初任務で筆頭もそんなことを言っていたが、こうして立派にお館様の代理役や輝利哉様の教育係を務めているしなっ。
大丈夫っ!君もしばらくたてば立派な水柱の顔になるっ!
大切なのは鬼を倒したいという気持ちだっ!
心を燃やせっ!そうして共に無惨を倒そうぞっ!!」
と、バスン!!と思い切り背を叩かれて、反論を続けさせてもらえない。

その後も
「筆頭を助けながら一緒に道を切り開いてきたくらいには腕は良いんだから、あとお前に足りないものは自信と派手さだろっ!」
と、宇髄に畳みかけられ、実力もですっ!と言おうと村田は口を開きかける。

が、その直後に煉獄父と逆の隣に居た胡蝶カナエに
「サラサラ君…は私より一歳年上だったかしら?でも同年代よね。
私もまだ柱になって間もないし、一緒に頑張っていけると嬉しいわ」
と、あまりに美しい笑顔で言われて見惚れているうち、
「そういうことで現状報告を始めていいかな?」
とその話題はそこまでとばかりに次の話題に移ってしまった。

ずるい、その笑顔はずるいでしょっ!と村田はため息。
それでももうなるようにしかならないと諦めて現状を受け入れることにしたのである。


こうして今の鬼殺隊や鬼狩りの状況や十二鬼月の情報、そして今後の方針などの話が終わるといったんは会議は終了ということでお館様は退出なされたが、せっかく昼間に集まったことだしと、村田は宇髄に誘われてカナエや錆兎達と共に飯を食うことになった。







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