少女で人生やり直し中_35_その後…

自分の勝手な行動で死ぬのは自分だけではない。
他も危険に巻き込むし、下手をすれば隊を全滅させることだってある。

それは今回の任務で不死川が実際に体験して思い知ったことだ。

だから任務が終わったあと、まず錆兎に謝罪して、お館様宛に謝罪をしたためたいが自分は字が書けないので誰か代筆者を紹介してもらえないかと頼んだら、なんと本人が代筆を申し出てくれた。

そして、上の階級…柱にまでなれば字も書けた方が良いからよければ互いに暇な時に教えるから習いにこないか?とまで言われて、もうその懐の深さに年齢で物を判断するものではないと、不死川は初っ端の偏見…同い年なのに…というところがそもそも間違っていたのだと実感した。

さらに忙しい柱に一方的に剣技でもないことに時間を割かせるのは…と、さすがにそれには遠慮して見せると、『じゃあ俺は不死川に字を教えるから、お前は俺に風の呼吸を教えてくれないか?有用な技を編み出すのに色々な呼吸の技を知りたい』などと申し出てくれたので、了承する。

そうして互いに任務がない時には不死川は水柱屋敷にせっせと足を運び、文字を教わり、風の呼吸の型を教えた。

文字を教わっている時にはいつも継子の義勇がお茶と一緒になぜか毎回おはぎを出してくれる。

おはぎは不死川の好物だが、それを教えていないのに当たり前に、『不死川は好きだろう?』と言葉を添えられるのがとても不思議だ。

しかもそれがとても美味くて──うめえなァ…と思わず言うと、──男が出したら捨てるくせに…とまた覚えのない不思議な話をする。

もうそのあたりいちいち気にするときりがないので、義勇は不死川によく似た人間と知り合いで、そいつと勘違いしているのかも…と思うことにしていた。


水柱屋敷に入り浸るのは不死川だけではない。
たまに少し遅れて行ったりすると、すでに煉獄が錆兎と稽古試合をしていたりする。

稽古試合と言っても、終わった後に錆兎が『さっきの型は…槇寿郎さんのはこんな感じだったと思うのだが…』などと、キレイな炎の呼吸の型を披露しつつ煉獄の構えを修正したりしているので、教えてくれと言いつつ、実は他の主な呼吸の型も網羅しているのかもしれない…と思ったりもした。

それでもそう言ってもどうせ認めやしないのだろうから、今は色々借りしか作れなくても、いつかこの人の好さで無駄死にしそうな桃太郎をこそりと支えてやれるくらいの男になってやろう…と、それが最近師範が急死したため兄弟子の匡近くらいしか大切な人間というものがなくなってしまった不死川の大きな目標となったのである。


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