オンライン殺人事件再来っ07

計画始動


** 新人Xの社長様観察日記 **

やりましたっ!ついに潜入しましたよっ!社長様のご自宅、通称白い家!

社長様が跡取り様の頃、初めてお姿を拝見してから2年間弱。
ユキさんの恩人だからと言って頂いて社内フリーパスを手に入れたのを良い事に、社長様のおっかけをし続けていたわけですが…ついにご自宅を訪問させて頂く許可を頂きましたっ!

社長様のご自宅である白い家は元々は側近候補であったユキさん達の修行の場であった建物を住居用に改造したもの。

そこは今では社長様はもちろんの事、三銃士の皆さん、アオイさん、ランスさん、そして…我らがアイドルにして社長様がそれはそれは溺愛されているという伝説の姫様、フローレンスさんが住んでいらっしゃる夢の館。

イルヴィス国民としてはもう、死ぬまでに一度は訪ねてみたい場所ナンバーワンなのでございますよっ!

教えて頂いた住所に辿り着くとそこは花咲き乱れる豪奢な白い洋館。
その花々はフローレンスさんが丹精込めて育てていらっしゃるとの事。
緊張しつつもチャイムを鳴らすと、若い女性の声。
俺が名乗ると門のロックが開いて中から応対して下さった若い女性がドアを開けて下さいました。

まあなんというか…アオイさんです。
本当にあのキャラのままのアオイさん。
社長様とは姫様や三銃士のユートさんと同じく、社長様が三葉商事社長に選ばれるきっかけになったネットゲーム時代からのつきあいになる最初のお仲間。
もうほぼ伝説の人物なのにとても親しみやすく俺なんかにも気軽な感じで接して下さって、偉そうな部分が全くないのがすごいです。

そんなアオイさんに案内して頂いて長い廊下を進んで行くと現れる立派なドア。
それを開けるといきなりピシっと黒のスーツの青年に迎えられちゃいました。
「いらっしゃいませ。当館の執事でございます」
と、なんだか若いのにきちっとした物腰。
さすが社長様のお宅です。

もう場違いな場所にカチンコチンな俺。
やっぱり社長様ともなれば生活からして違うんですねっ。
ところが…驚きはまだ続きますっ!

俺が中に通されると、奥からもうなんだか違うオーラが…
高級そうな食器の乗った高級そうなワゴンを押していらしたその人物を見た瞬間…意識一瞬飛びました。
天使のようなっていうのはこういう事をいうのか…と納得するようなふんわりとした雰囲気の超絶美少女。
確かに他の皆さんと同様、イルヴィス内のキャラのイメージはあるんですが、もうなんというか…超えてます!
お姫様オーラというか天使様オーラというか…とにかく神々しいまでのそれでいてふんわりとした癒し系オーラに包まれてます!

”こ…この方が噂のフロウレンスさん!!!”

「ごきげんよう。初めましてっ(^-^」
というその声もめっちゃ可愛い!そんじょそこらの声優なんて目じゃないですっ!!
もうこの方が側にいて下さるならそりゃ、殺人犯くらい素手ではり倒したりとか、炎の中で人命救出したりとか、もうなんでもしちゃうだろうなって思いましたっ!
ああ、もう神様ありがとうって感じですっ!
なにがありがとうなんだか自分でもわかりませんがっ!

もう俺カチンコチンどころの話じゃありません。
石像と化しましたっ。

そんな俺をアオイさんが色々気遣って下さいます。
すごい気さくで優しい良い人ですっ!
一見普通っぽいけどそのあたりがさすが伝説のお仲間の一人ですっ!

もう眩しすぎてフロウレンス姫は直視できないので、俺のインタビューの相手はもっぱらこのアオイさんに。
そして話は自然とアオイさんが社長様と出会った例のゲームの事へと流れて行きました。

まあそれはそれは、現実は小説より奇なりを体現するようなすごい奇想天外な出来事。
それがアオイさんの口から語られると、まるでその状況が目に浮かぶように生き生きとよみがえります。

この方…めっちゃ話上手いんですよっ!
すごくわかりやすくて、でも勢いがあるっつ~か…だてに社長様の仲間やってません!
ずっとずっと知りたかった最初の一連の事件をまるで物語を読んでいるかのように語ってくれました。

…そこの君っ
”おぃ、お前、自分だけ聞いてんじゃねえよ!俺らも知りたいんだよっ!”
…って思いましたね、今!
ええ、ええ、わかってますとも!
俺だって何も手ぶらで戻ってませんよっ?!

アオイさんにしっかりお願いしましたっ!
”ぜひっ、ぜひぜひ、そのお話を公式でイルヴィス国民のみんなにもっ!!!” とっ!!!

という事でお待たせしましたっ!イルヴィス国民の皆さん!!

我らが社長様コウさんの最初の事件!レジェンド・オブ・イルヴィス プロトタイプ物語!!
ついに明らかになる高校生連続殺人での社長様の活躍!!

近日中に公式に発表して頂く事になりましたっ!お楽しみにっ!

******


うっああ~~~…私は真っ赤になった。
恥ずかしいよ、これ!
自分の事をこういう風に語られるのってめっちゃ恥ずかしいっ!

以前私がX君の記事面白いって言った時にコウが”自分がネタじゃなければな”って言ってたのを壮絶に実感。
私の後ろではやっぱり記事に目を通したランス君がクスクス笑ってる。

「これでアオイも有名人の仲間入りだな~。ネットにインしたらおっかけくるぞ」
「もう…勘弁してよ」

最近ユキ君のスパルタのおかげであんまりつなげなくなってたけど、出没すると大騒ぎな他と違って私の周りは比較的静かだったんだけどな。
たまに他のメンツについて聞かれるくらいか。

「あっま~い!俺なんかさ、もうすごいよ?
自分がおっかけられるのもあるし、それ以上に嫌がらせがすさまじいっ。
アイドルのお付きなんてやってるからさっ。
以前コウに送ってたギルのwisなんて可愛いもんに思えるよっ」

うっああ~~。あれで可愛いのかぁ…

確かに…フロウちゃんは結婚してなお、イルヴィス王国のお姫様だからなぁ…。
ほとんどフローラ姫と同一視されてる。

そうこうしてるうち、フロウちゃんを伴ったコウが降りてくる。
フロウちゃんがブランチの準備にキッチンに消えて行くと、ダイニングで席につくコウ。

「コウ…今日会社休み?」
と私のダイニングに戻って聞くと、
「ああ。午後から映くるんだろ?最初だし方向性決めるなら俺もちょっと参加したい」
と言って、手にした新聞に視線を落とした。

あ~もしかしてそのために帰ってきてくれたのかな…。
忙しそうなのになんのかんの言って時間作ってくれてるよね…。

「コウ…」
「ん~?」
「忙しいのに…ありがとう。私今度こそ頑張るからねっ」
私の言葉にコウはやっぱり新聞から目を離さずに
「いや…色々のついでだから」
とボソボソっと言った。

なんていうか…最近みんな偉くなって離れて行っちゃった気がしてたけど、なんのかんの言って私の事気にしてくれてるんだなぁ…。
ちょっと感動…。

やがてフロウちゃんがサンドイッチとサラダを手に戻ってきて、コウと二人遅い朝食。
「アオイちゃんも召し上がります?」
ニッコリと私にもすすめてくれるフロウちゃん。
「ありがと、でも私ご飯食べたばかりだから」
と、それは遠慮して久々にフロウちゃん手ずからの紅茶を入れて頂く。
う~ん…やっぱり美味しい。

以前だったら普通に新聞読んでたけど、フロウちゃんがキッチンからダイニングに戻ってきた瞬間に完全に新聞放り出してフロウちゃんに注目なコウの姿に、やっぱり今忙しいんだなぁって実感。
こういうちょっとした時間も貴重なんだろうな。
それでも私の事で時間とってくれるコウには本当に感謝。

「んじゃ、映来たら呼んでくれ」
食事が終わるとコウは立ち上がって私にそう言い、今度はランス君に
「悪い、片付け頼む」
と声をかける。

そしてさらに
「あ、私が…」
とフロウちゃんが伸ばした腕をつかんだ。
「姫はこっち。たまには独占させてくれ」
と、二階の私室に上がって行く。

う~ん…昔のコウからは考えられない。
なんていうか…硬い…硬質のコウ君だったもんなぁ…。
感情的な部分で相手と一緒にいたいなんて意思表示するタイプじゃなかったよね。
その身も蓋もない言い方で何度私も揉めた事か…。
なんだかフロウちゃんといてどんどん貴仁さん化してく気がする。

ランス君も後片付け終わって掃除始めちゃったし、私はリビングにノートPC持ち込んでプロットの続きを練る事にした。

「アオイ…部屋でやらんの?お茶とかなら内線で呼んでくれれば持って行くけど?」
不意にランス君が聞いてくる。
「あ、ごめん、邪魔だった?」
と顔を上げると、ランス君はいやいや、と、首を横に振った。

「ただ…単に俺掃除機とか持ってうろついてるからうるさいかなぁって思っただけ。
アオイが気にならんなら俺は別にいいよ」

「あ~なんていうか…雑音にホッとするっていうか…ね。
自分以外の人の気配が欲しい」
…って…以前コウも言ってたっけ。

ここんとこユキ君がいる時以外は2階の勉強部屋にお籠りだったし、なんだかみんな遠く行っちゃってすごくひとりぼっちなきがしてたせいかな。

…コウも…孤独感感じてたのかな、あの頃…。
いつかちょっと当時の心境きいてみたいな、コウには。


そうこうしているうちにお昼になって、ランス君と二人で昼食。
一応コウにも声かけたらしいんだけど、あとで何かつまむから映ちゃん達くるギリギリまで放置してくれといわれたとのこと。
まあ…ずっとなかなか二人の時間て取れなかったもんね。わかる気はするけど。
私だってユート帰ってきたら二人きりになりたいし。

今日のお昼はおにぎり、唐揚げ、卵焼きにサラダ。
お味噌汁がなかったらお弁当みたいなんだけど、これは最近執事モード全開を余儀なくされてるランス君の趣味。
たまにはこういう庶民ぽい物が食べたくなるんだそうだ。
わかる気はするけどね…。

食事が終わるとランス君が後片付けしてる間に、私は打ち合わせの準備。
そうこうしているうちに映ちゃん達がやってくる。

チャイムの音にドアを開けると、映ちゃんとヨイチの他にあと一人…スラリと背の高い女の子。
少しの癖もないサラサラの黒い髪。
まつげは濃くて長く、少しきつい印象を与える意志の強そうな真っ黒な切れ長の目の上には凛とした印象を与える黒くてまっすぐな眉毛。
綺麗な人なんだけど、なんだろ~誰かを思わせる…と思って思わずじ~っと見てると、私の視線に気付いたらしい。きちんとしたお辞儀と共に挨拶。

「葉月です。今日は宜しくお願いします」
「あ、こちらこそっ」
ペコっと頭を下げる私。

「葉月はね、HP管理とかやってもらってる。プログラムとかも詳しいし博識だからわからない事あったらきくといいよ」
と、秀才ヨイチが言うところをみると、かなり賢いんだね。
なんでこんな腐女子ギルドにいるんだろう…。

私がチャイムの音に3人を出迎えに行っている間にランス君がお茶の準備を完了させてる。
リビングに通してとりあえず3人をソファにうながすと、ヨイチがキョロキョロあたりを見回した。

「どうしたの?」
と聞く私にヨイチは当たり前に
「コウは?」
と、聞いてくる。

「あれ?私今日コウが打ち合わせ参加するなんて言ったっけ?」

記憶に…ない。てか、コウ帰ってきてるってわかったの今朝だから言ってないはず。
そう思って聞き返すと、ヨイチはちょっと複雑な表情。

「帰って…ない?」
「帰ってるけど」
と私が答えると、なんとなくやっぱりみたいな顔をした。

「どうして知ってるの?
私、コウが帰ってきてるの知ったの今朝で言ってないと思うんだけど?
もしかして昨日コウが帰ったのってヨイチが打ち合わせ参加要請とかしたから?」
と、聞いてみたら、ヨイチは苦笑して首を横に振り
「いや、別にそういうわけじゃ。なんとなく…だよ」
と、にっこり微笑んだ。

…?
変なの。

私が3人を出迎えに行っている間にランス君が呼んでたらしい。
すぐにコウとフロウちゃんが降りてくる。

フロウちゃんはすぐランス君と共にお茶を配り始め、コウはヨイチを見るなり
「謀ったな」
と苦笑。

なんだろう??
でもそれでヨイチにはなんだか意味が通じてるっぽい。

「ん~、でも謀られて良かったでしょう?」
と、にっこりいつもの柔和な笑み。

「まあ…そうだけどな」
と、コウはそれ以上追求もせずソファに腰を降ろした。
謎だ……

男同士そんな会話を交わしてる間に、映ちゃんはちゃっちゃとPCをセットする。
葉月さんも同じく。
二人がPCのセットを終えたのを見計らって、ヨイチがコウに書類を差し出した。

「とりあえず…今回の事業計画。
一応基本的には公式でストーリー発表って事になってるけど、ある程度反響も知りたいし、それに付随したコンテンツをうちのHPで発表して、単に公式だからのぞいたとかじゃなく、それ以上に興味を持ってくれた人数をある程度把握したらどうかと思ってる。
コンテンツに関してはアオイの方の作品がある程度できた時点で詰める形で考えてるんだけど、ストーリーとかはアオイの著作物だし、とりあえず作品について語る掲示板プラス映が描いたイメージ画像の付加分みたいな感じかな。
で、その反響についてはコウの方に随時あげていくから、それによっては今度は事業として発展させてもらえるとお互い楽しい事になるかなと思う。
詳細や著作権に対する扱いはその書類参照して」

なんか…単にブログ程度の感覚で引き受けたけど、随分きっちり計画たてられてるんだな…。
てか、ヨイチすごい。私と同じ大学生とは思えないよ…。

実際に映ちゃんとこのギルドHPでどんな感じで発表するとかは見本を見せつつ葉月さんが説明する。

「一応…メインから特設コーナという事で飛べるようにしてあります。
あくまで現在はこういう形でという動きの見本でデザインについては別の専門の人間がまた詰めていきますので」
と見せてくれたけど、なんだか文字が踊ってたりとかズームアップしたりとか、なかなか凝ってる。

てか、デザインする人も専門にいるってすごいな。
本当にプロみたいだよ。

「pealにまで精通してるのか…」
映ちゃんのギルドのHPを色々見ていたコウが腕組みをして言う。
「一応…javaやpeal、あとはアクションスクリプト程度なら…」

もうすでに私にはわからない領域。

コウは一瞬沈黙。
そして顔をあげて一言
「なんでこんなとこいるんだ?」
その言葉にランス君が一生懸命笑いを堪えてる。

「こんなとこは失礼だなぁ」
と映ちゃんはむくれるけど、私もそう思う。

すると葉月さんはすまして
「まあ…社会勉強の一環です。私のメリット、デメリットについてはお気になさらず。
受けた仕事は途中で投げません。きちんとこなします」
と言った。

……変わった人だ……。

その後ランス君は庭木の手入れに離席。
コウとヨイチは今後の具体的なスケジュールについて話し合い、映ちゃんは作画に取りかかっている。
そんな中、お茶を入れ直そうとティーポットを手にキッチンへ向かおうとするフロウちゃんの手から
「手伝います」
と、いつのまにやら葉月さんがトレイをスッと取る。

てっきりやんわりとお断りをいれると思っていたフロウちゃんは意外な事に
「ありがとうございます♪」
とにこやかに言うと、葉月さんと一緒にキッチンへ消えて行った。

「ヨイチ…」
それを見送ってコウが口を開いた。
「ん?」
「あれ…何者だ?」
「あれって…葉月?」
「ああ」
「気になる?」
ヨイチもチラっとキッチンに目を向けた。

「実は僕もよくわからない。半年ほど前フラっと入ってきたんだけど…
腐った方面にはあまり興味はなさそうだし。
でもシステム詳しいし淡々と仕事こなしてくれるからなんとなくやってもらってるっていうか…」
ヨイチの言葉にコウは少し考え込む。

「もう少し人物像見えて来るまで、あいつ姫に近づけないでくれ」
コウの言葉にうなづくヨイチ。
「何?コウ君焼きもち?」
映ちゃんがやっぱりいつものノリではしゃぐのを、
「映ちょっとやめといて」
と、厳しい声で制した。

「まあ…コウ次第だからね、このプロジェクトが発展するかどうかは。
コウが嫌だって言うなら気をつけるよ。次から連れて来るの止めた方がいい?」
さらに聞くヨイチに、コウは小さく首を横に振った。

「いや…打ち合わせとかにはいるのが普通の人材だし、そこで姫に変な印象持たせるのも嫌だしな。下手につつくと暴走するから。
単に二人きりにしないように気をつけてくれるだけでいい」

本気で心配性だなぁ…コウ。
まあ…確かに本気でなんでここにいるのかわかんないような人というのはあるけどさ。

その後、私がコウや映ちゃん、ヨイチとプロットを詰めている間、コウはランス君を呼び戻したんだけど、当のフロウちゃんはコウの気持ちとは裏腹に葉月さんの作った見本を珍しげに見つつ、色々質問している。
どうやらフラッシュとか動きのあるものがお気に入りみたいだ。
確かに面白いけどね。
相変わらず…他の心配には全く気付かないのがフロウちゃんらしい。

そして夕方。明日は作画のヘルプさん数名とデザイン担当さんも追加という事で、3人は帰って行った。

「姫…今日は姫が作った食事が食べたい」
ランス君と共に夕食の支度にキッチンへ下がろうとするフロウちゃんにコウが珍しい事を言い出した。
顔を見合わせて考え込むフロウちゃんとランス君の二人。
「じゃ、俺はお茶でもいれてますかね」
最終的にランス君がその真意を確認するように言うとコウがうなづいて、フロウちゃんだけキッチンへと向かう。

「今日の…客人の事?」
フロウちゃんが完全にキッチンへ消えたのを確認すると、ランス君がお茶をいれながらコウを伺った。
コウはうなづく。

「あれさ…何かやってるよな。細く見えるけど無駄ないっつ~か…筋肉すごくね?」

うあ…そうだったんだ。
パッと見スタイルいいな~って思っただけでそんな細かいとこまで見てなかった。
さすがランス君。だてにフロウちゃんの護衛まかされてないね。
ランス君の言葉にコウもさすがよく見てるな、とうなづく。

「たぶん…何か武道やってて仕事レベルでシステム組めて…なんのために仕事にもならないのにあの腐った系ギルドでシステム組んでるんだと思う?」

あ~なるほど。

「まあ…すご~く勘ぐれば映はコウの旧友だからその関係でいつか自分の腕買ってもらえれば…なんて可能性がなくはないけど…
ま、普通なら普通に求人募集に応募するわな。
今日もコウいても特にアピールするでもなく淡々としてたし…謎だな。
単なる変人かもしくは…何かやばい事企んでる人間か…」

…なんというか…もうそうそうあんな事件なんて起こらないと思うんだけど…。
最初の事件のイヴキャラ使ってた犯人は刑務所だし、2番目の時の酒井も同じくだし…。
まあ殺人レベルの事件なんて一生に一度も起こらないのが普通の人間の人生だから、それが2度も起こった時点で勘ぐっちゃうのも仕方ないかも知れないけどね。

最初の事件はネットゲーの賞金1億をめぐって起こるべくして起こったものだし、2番目は同じく三葉商事なんて大企業の社長の座をめぐって起こるべくして起こったものだから……まあそのレベルの理由がないと起こりようがない。

今の時点でコウは三葉商事の顔で…内外共にこのカリスマ社長あってこその三葉商事だから今更追い落として後がまになんて無謀な事考える輩はいなさそうだし、私ごときに何かしかけたところで、犯罪歴つくだけ無駄って感じだしね。

フロウちゃんに関しては彼女に何かあったらコウがマジあと追いかねないくらいのコウにとって”命より大事な”奥様だって事まで知ってるのは白い家の面々くらいだもんねぇ。
それこそ追い落としてどうする?だよね。
表向きはイルヴィスでは姫だけど、結局リアルだと一専業主婦なわけだからね。

結論…二人とも考え過ぎ。




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