オンライン殺人事件再来っ03

電撃結婚の裏側


その日はもう一杯だけランス君にお茶をいれてもらって落ち着くと、とりあえず私も寝る事にして、翌朝…内線で慌てて飛び起きて時計を見る。

ええ~~???もう9時っ?!!
うあ~大変だっ!ユキ君大激怒!

いつもは朝5時半起床。
身支度を終えて6時から食事取りながら8時半にユキ君が出社していくまで色々課題をこなし、その後大学の講義以外はやっぱり勉強。

…な日々なわけで…着替えだけ済ませて化粧もしないまま慌てて勉強部屋にかけこんだけど、当然誰もいない。

しかたなしにおそるおそる下に降りて行くと、
「おはよう。よく眠れた?」
と、急須を片手にランス君が声かけてきた。

そして私がそれにも答えず
「ユキ君は?!」
とキョロキョロ辺りを見回すと、
「ん~、出社させた。ユートもな。おはよう、アオイ」
と、ダイニングでまったりと湯のみを片手にコウが声をかけてくる。

「ま、たまにはゆっくり朝飯食え」
コウの言葉でランス君が急須をいったんテーブルにおいて私のために椅子をひいてくれるので、私も素直にそれに従った。


「コウは…出社しないの?」
久々にゆっくりとした朝食をとりながら、私は隣で本当に久々に間近で寛いでるコウに声をかける。

「ん。俺は今日は午前中は休み。だからゆっくり話聞いてやるからまずちゃんと食え」

午前中はって事は…午後からは仕事なんだ…。
結婚した翌日ですら半休なんだね…それすら自分の事に使えないってなんだか……

「ランス!なんとかしろっ!こいつ相変わらず泣き過ぎだ」
思わず涙があふれてくると、コウが苦笑してランス君がとんできた。

「…ったく、泣き虫師弟だな」
コウが呆れたように…それでも笑う。

「師…弟…?」
不思議そうに見上げる私にコウはきっぱり
「ユキ。あいつもすぐ泣く」
と驚くべき事実を明かした。

「昨日のやりとりはお前起きて来る前にランスから聞いたんだが…あいつまた泣いたんだってな」

また…なのか。意外な事実。

「ユキは頭いいお子様だからな。素ではたぶん良くも悪くも俺らん中では一番子供」
その言葉を肯定するかのようにランス君が言って、コウにお茶を注ぎ足す。

「子供ってさ親に抱っこされる時に落っことされるかもとか思って怖がったりしないじゃん?
それってさ親は自分に絶対的に危害を加えない保護してくれる相手ってことで無条件に信頼してるからだろ。
だけど俺らは親って持たずに育ってて、それでも今まではずっとユキが引っ張ってきたから、まあ俺ら二人はある程度はそういう部分の疑似体験てしてきたわけなんだ。
だけど、ユキにしてみたらコウが初めてだったんだよな、無条件に自分を保護して頼らせてくれた存在ってのがさ。
だから…コウが絡むと子供に戻るし、盲目的にもなるし、視野が狭くなる」

なるほど…

「あいつが今働いてる理由なんてテストで良い点とって親に褒めてもらいたい子供と一緒。
コウによくやったって頭なでてもらいたいだけだって。
そんなんに振り回されるアオイが気の毒だ」

「お前もな…最近物腰がどこぞの執事じみてきたが、ユキ達について語る時は容赦ないガキだな。
ま、兄弟みたいなもんだからしかたないかもだが…」

ランス君のズケズケとした物言いに、コウが苦笑する。
それに対しても、ランス君はホントの事でしょ、とすましていった。

「ま、ユキの事はアオイは気にしないで良い。俺がなんとかするから。
お前はお前の事だけ考えろ」
コウが最終的に言う。

でも…これ以上コウに負担かけてもいいものなのかな…。
私の心の声を読んだかのようにコウは私の頭をくしゃくしゃっとかき回した。

「お前が心配してどうなる事でもないからなっ。
俺はまあ落ち着いたから当分馬車馬のごとく働いても大丈夫」

「落ち着いて…って?」

てか落ち着いてなかったのか、このところ。ぜんっぜん知らなかった。
その私達のやりとりにランス君がくすくす笑った。

「派手に…もめてましたねぇ」
からかうようなランス君の言葉にコウがきまずそうに苦笑いを浮かべる。

「まあ…俺が一方的にだけどな。もうな…ユートとか真面目に腹立った」

へ?

「揉めてたってコウとユートがなの?」
意外な組み合わせだ。

「ん~別に奴に何か言ったとかじゃなくてな。
余裕すぎるユートがあの時期すごく勘に触った」
「???」

「ようは…披露宴で俺が言ってたようなことだよ」
「何言ってたんだ?」

「えと…アオイにピッタリくっつきつつ寂しさオーラだしてるアオイについて語ってました、あの日。
そしたらユート焦って戻ってきましたよ」

ニヒヒっと笑うランス君に吹き出すコウ。

「あいつもな、少しは危機感持った方がいい。真面目にアオイ出来過ぎ」
「私が~???」

出来過ぎなんて言われたの初めてだ…しかもそれ言う相手がコウって…。

「アオイは日々もうユートいなくて寂しいってオーラ出してるからな。
あれがめちゃくちゃ羨ましいと同時にものっすご~~~く不安になった一時期が…」
コウが肘をついて息をはく。

「姫は…一度も口にも態度にも出した事ないから、寂しいって」
あはは…ランス君言ってたね、そういえば。

「もう俺いなくても無問題なのかとか色々悩んで…思い余って姫に直接もし俺が別れたいって言ったらどうする?って聞いたら、姫な…”しかたないですね”って答えんだぞ。
もうあれで俺駄目だと思った」

うああ……青くなる私にランス君爆笑。

「それで…なんで結婚までいったの?」

もう普通終わるよね、つ~かそこでそう答えるフロウちゃんの心境とそこで結婚に踏み切るコウの心境がめちゃ聞きたい。

「俺が…駄目だった。
口に出してみて改めて別れるって事を想像したら何もできなくなった。
いつも通り車に乗せられて出社しても仕事にならなくてユキに帰れって言われて家に戻ったら姫がいなくて…。
優香さんに電話してみても実家にも戻ってないって言われて、どこ探してもいなくて…悪い想像ばかりグルグル頭を回りまくって、最悪の場面も想像もして、もう本当に二度と会えないかもって思ったら目の前が文字通り真っ暗になって…呼吸できなくなって…気がついたら病院だった」

へ??

「過呼吸起こしてぶっ倒れたの、コウ。
様子見にやっぱり戻ったユキが発見して大騒ぎでさ。
半狂乱で電話してきて要領得ないから俺が出先から救急車呼んだ」

「んで?フロウちゃんは?結局どこいたの?」
「映んとこ…。なんで?とか聞くなよ。俺にもわからんから、いまだに」

私はいつもフロウちゃんと行動を共にしていたランス君に目を向けた。

「いや、俺にもさっぱり。
みんなが出社して唐突に”映ちゃんの所に遊びに行きます♪”って。
俺は姫からコウが自分と別れたいらしいから別にもう自分の護衛する必要はないって言われたんだけど、どう考えてもそんな事あり得んし、自分の個人的な気持ちでって車で送ってそのまま車で待ってたんで中で何やってたのか不明」

う~ん…謎だ~。


「で、目が覚めたらそこに姫がいて、当たり前に色々普通に世話焼いてくれて……
でも変な事言ったの謝ったら”なんでしたっけ?”って……」
そこでまたコウは大きくため息をついた。

「悩んだ…俺が馬鹿だったんだなと……」
「あはは…」

「で…思ったんだけどな…姫は俺を呼んではくれないんだけど、俺が呼んだら必ず側にきて必ず俺がして欲しい事してくれるんだよな。
その時他の何してても必ず止めて俺の所にきてくれる。
それ以上望んでもな…贅沢なのかなと。
でもとりあえず…俺の行動の範囲外に行かれるのすごい不安なのは変わらんから抱え込んでみようかと」

「それで…結婚?」
「そそ。だから…わかるぞ、ユートに置いて行かれてアオイが不安なのは。
俺はとりあえず呼べば来てくれて、内外に自分のだって告知できて、物理的提案はさせてもらえるからまだ…な。
ま、決定権は向こうなんだが…」

尻に…ひかれてんだね…結婚前からすでに…。

「でもいまだにユートは羨ましいぞ。
俺、姫に寂しいって言われたら総理との会見でも放り出して家戻ると思う」

真剣な表情で言い切るコウに、ランス君が
「んなこと言ってて本当にやりかねんから言わないに一票なんすけど」
とツッコミを入れた。

「んで、まあ…本気で俺が衝動的に決めた電撃婚だったんで色々スケジュール調整大変でな。
皺寄せが全部ユキ達にいったんでアオイにまで八つ当たりいって悪かったな」
頭を下げるコウに私は首を横に振った。

「疲れてるってより…ユキ君はコウに犠牲しいてるって事で罪悪感だったみたいだよ」
「へ?」
私の言葉にコウはちょっと驚いてランス君を見上げる。

「あ~そういえば言ってたっす。コウに新婚旅行行く暇もやれないって」
ランス君の答えにコウは
「あ~そっちか。そっか…まだあの話続いてたのか…しくったな」
と頭を掻いた。


「時間な~無理すれば取れなくはないんだよな」
コウの口から出た意外な真実。

「でも姫に行きたくないって断言された」

へ?

「今無理して行ってもどうせ俺は多分残してきた奴らの事とか気にして楽しまないだろうし、せっかく行くならみんなで4~5日くらい休み取れる様になってから、あの最初にみんなで姫の別荘行った時みたいに二人だけじゃなくてお前もユートも今度はユキ達も連れて遠くじゃなくても豪華な旅行じゃなくてもみんなで楽しく旅行したいんだそうだ」

みんなで…かぁ…楽しかったよね、そう言えば。
また思い出してウルっと来た涙をランス君が拭いてくれる。

「それ…ユキ君に言ってあげた?」
「いや…忙しいし姫も行きたくないっていうから行かんって言った気がする…」

……コウ…らしいんだけど…


「もうあの時は披露宴の関係でめちゃ立て込んでたときだったから…
まずったな。気にしてたのか、ユキ」

「ピ~ピ~泣いとりました。
ま、それは…コウから言うと今更後付けっぽいんで、姫様からさりげに言ってもらいます。
そしたらまた尻尾ブンブン振って忠犬のごとく働きますぜ?」

もうランス君散々な言い草だ。
ユキ君を語る時にはホント容赦ない。

「あ~あとな」
それにうなづいたあと、コウはまた始めた。
「旅行自体は行くそうだぞ」
笑いを含んだ声。

「今日、みんな7時には仕事あげてここ集合な」
「なにそれ?」
「それはあとのお楽しみだ。とりあえず…ま、そっちはそのくらいにしてと」
コウはいったんそこで話を切り上げる。

「アオイ、お前の方だな。
昨日からの流れはランスに聞いた。俺もランスが正しいと思う。
とりあえず当分そうだな…放置だとユキもキレるんで姫お預かりってことにするか。
結局ユキにとってはアオイも含めてこの家の皆がファミリーで、それがバラバラになるのが嫌なわけだからそれなら文句もないだろうしな。
アオイはちょっと行動範囲は狭くなるかもだが、その分社内ならどこでもフリーパスにしてやるし、社内で話聞きたい奴がいれば聞ける様にしてやるし、必要な物資あれば提供してやるから遠慮なく言え」


その後…コウにこれまでユキ君に教わってきた事を報告しつつ、ランス君のいれてくれる美味しいお茶を頂いてると、フロウちゃんが珍しくゆっくり起きてきた。

「おはようございます♪」
相変わらずおっとり挨拶をすると、コウがひく椅子に座る。

「アオイちゃんも…久しぶりですね♪」
ランス君がいれる紅茶とスコーンを口に運んでニッコリ微笑むフロウちゃん。
相変わらず目を見張るほどの美少女だ。

「姫…明日からでいいんだが…アオイ任せていいか?
ちょっとユキも色々煮詰まってきたから少し休ませてやらないとだし、ユキが思いつく程度の事はやり尽くしただろうしな。少し違う方向で何か考えてやってくれ」
コウが言うのにニッコリとうなづく。

「わかりました。丁度明日はXさんがインタビューにおいでになりますし…。
良い機会なのでご紹介しておきますね」
「あ~そうなのか、丁度いいな。頼む」

「Xさん?」
二人の会話に私が聞くと、コウは苦笑。

「新人X、覚えてないか?」

あ~~あの~!

「今はな…たまに社長室とか尋ねてきて色々ネタ拾って戻って行くんだが、明日は自宅だそうだ」
「面白いよね、あのシリーズ」
私が思わず吹き出すと、コウはため息
「自分がネタじゃなければな」

あははっ。なんだかこういうコウのため息見るのも久々な気がする。


そのままフロウちゃんを交えてしばし雑談。
昼食を作るのはなんとランス君。
キッチンまかされたってホントだったんだねぇ。
でも味付けはフロウちゃんの味付け。しっかり受け継がれてるらしい。

コウとフロウちゃんとランス君と4人で少し早めの昼食をとってコウが着替えた頃に迎えの車がきた。

「行ってくる」
コウは立ち上がって言うと、同じく立ち上がってお見送りするフロウちゃんに軽く口づけ、
「今日はゆっくり休んどけ。絶対無理はするなよ」
と念を押して車に消えて行った。

なんか…色々クルクル回る。

「戻りましょうか」
にっこり言ってリビングに戻るフロウちゃんを追ってリビングに戻り、一緒にランス君のいれてくれる紅茶を飲みながら、ちょっとドキドキしつつ私はフロウちゃんに声をかけた。

「フロウちゃん…」
「はい?」
にっこり答えるフロウちゃん。

「出来婚…とかじゃないよね?」
「はあ?」
「いや…なんかやけにコウが無理するなとか言ってたから…」
「あ~」
納得したらしくフロウちゃんはコロコロ笑った。

「ないですよぉ。だって結婚するまでコウさんてそういう事してませんもん」
「ええ~~?!!!」

いや…だって会社継いで2年だし…。責任取れるまでって言ってなかったっけ…。

「色々クルクル悪い考えが回る人ですしねぇ…」

うん…そう…なんだけどさ。
相変わらず…石橋叩いて渡らないんだね…。
てか…結婚するまでって…え?…てことは…無理しないで休んどけってのはそういう意味…なわけね。
うあ……くるくる考えて無言で赤くなる私に、フロウちゃんはちょっと困った様に言った。

「アオイちゃんも…クルクル回りますよね…」

ランス君はいつのまにか掃除しに2階。
どうしよう…きまずい…

「あ、あのさっ!結婚前に別れ話とかあったんだって?!」

……私の馬鹿…もっときまずい話題振ってどうするよ……
さすがにフロウちゃんもぽか~ん。

「コウさんに…きいたんです?」
「あ…いや…あの…」
「まあ…ありましたけど…。私…ありえないらしいですね」
少し間を置いてフロウちゃんが苦笑した。

あれ?

「それ…コウが言ったの?ありえないって」
私の言葉にフロウちゃんはゆっくりと首を横に振って言う。

「いえ、映ちゃんに教えて貰いました」
「映ちゃんに?」

そう言えばコウに別れ話みたいな事言われてフロウちゃん映ちゃんとこいたって言ってたっけ。
「ね、フロウちゃんと映ちゃんてそんなに仲良かったの?」

すごくすごく意外なコンビなんだけど…。
確かに映ちゃんがやってるギルドとかのイベントにコウやユキ君は顔だしてたけど、そういう時はフロウちゃんは必ずランス君と釣りだったし…接点が……と思ってると、フロウちゃんはきっぱり言った。

「久々に言葉交わしました♪」

まあ…そうだろうねぇ…

「んで、なんで久々に映ちゃん?」
私の問いにフロウちゃんはまたきっぱり
「映ちゃんは本当の事しか言わないので…。
いつでもごまかさないではっきり言ってくれる人ですから」

あ~そうだよね。

「私何故コウさんがそんな事言い出したのか本当にわからなくて…自分が出来る限りの事してきたつもりだったんですけど、それで駄目って言われたらもうしかたないかなって。
でも…コウさんが実際どういう意味で言ってるのかはわからなくて、私が嫌になったのか、嫌にはなってないけど特別な相手としては見られなくなっただけなのか、もしくは他に好きな人ができたのか…それによって本当に離れてあげた方がいいのか、物理的な事だけは続けて、でもそういう感情を出すのをやめた方がいいのか、すべき事って変わってくるじゃないですか。
それをコウさんに直接聞いても、たぶん色々気遣って本当の事って言ってもらえない気がしたので…。
で、コウさんの事も私の事も知ってて、一番客観的に判断下してくれそうな気がしたのが映ちゃん。だから聞きにいってきました」

………
ランス君も言ってたけど…フロウちゃんてホントに不思議な子だ。

「ね…そこまで相手の事情優先するくらいなんだから好きなんだよね?
なんでそこでいきなり”しかたない”で終われちゃうの??」

私がユートに別れ話なんてされたら絶対に泣くし理由聞くし納得できるまで引き下がんないと思う。

私の言葉にフロウちゃんはこれまたあっさりと
「だって…私のじゃなくてコウさんの感情なわけですから…どうしようもないじゃないですか」

いや…そうなんだけどさ…。

「でも…そこで泣くか怒るか理由聞くかしないと駄目ならしいですね…」
あくまで真面目な表情で語るフロウちゃん。

「いや…ダメってわけじゃないけど…普通そう…だよね」

なんていうか…相変わらず思考が宇宙だ。
私の言葉にフロウちゃんは小さく息をついた。

「やっぱり…普通じゃないんですね…私…」
って…今まで気付いてなかったのかっ。

「少なくとも…私だったら超ショックで泣きながら理由聞くと思うんだけど…」
「泣かないわけじゃないんですけど…
目の前で泣かれたらコウさん動揺するんじゃないかなぁって…」

……なんとも…力の抜けるお答え。

「一応…悲しい事は悲しいわけね?」

もう…自分でもすっごく馬鹿な質問してるなぁとは思うんだけど聞いてみると、フロウちゃんはコックリ。

「もしかして…さ…つかすごい変な質問なの承知で聞くんだけど…」
「はい、なんでしょう?」
「コウがさ…忙しくて家帰れない事多かったりとかする時ってさ、一応寂しいなとか思う事あった?」
「日々…思ってましたけど?
コウさん帰らない時とかってこっそりコウさんの部屋で寝ちゃってましたし」
「でもコウ帰ってきても寂しいって言わないんだよね?」
「だって…言われてもどうできるわけじゃないですし、困るだけでしょう?
だからこっそりコウさんのパジャマとか着てコウさんのベッドで寝ちゃってましたっ。
あ…でもこれ秘密ですよっ、勝手に使ってたのっ」

………なんだかこのカップルは……
馬鹿馬鹿しくて目眩がしそうだ。

「でね、映ちゃんにそれ言ったら注意されちゃったんです。
そんな事するくらいなら寂しいって言えって。
…やっぱり他人の物勝手に使うのは良くないですよね、そんなんだから別れ話とか出されちゃったんでしょうか…」

いや…フロウちゃん違う。それ違うから…って突っ込みをいれる気力も起きない。
感情がないってより…フロウちゃんはやっぱりフロウちゃんだったって事ね…。






0 件のコメント :

コメントを投稿