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ということで、準備完了という事でマコモちゃんが鍵を取り出して魔王の間の扉の鍵穴に差し込んだ!
ちなみに…ここから何が起こるかは私も知らされてないんだよね。
条件はプレイヤーのみんなと一緒。
だからなかなかにドキドキしてる。
その向こうには広いけど薄暗い広間。
最奥にいる魔王ペルガイザーは原作の通り。
そして…その前にいるのは原作とは違いカイン1人。
キツネっこ達が部屋に入るとそのカインが
「皆、来てくれたのかっ!」
と、振り向いた。
このあたり原作だとカインの仲間が一緒なんだけど、私達がその仲間扱いってことだね。
全員が中に入った時点で扉が閉まって出入りができなくなる。
そこでカインの所まで行くと、いきなり魔王が攻撃してきた。
範囲攻撃で全員喰らったけど死ぬほどではなく、即シノブちゃんが範囲回復をして、それでシノブちゃんにタゲが行かないようにカナエちゃんが前に立ちつつ【挑発】を入れる。
その後、ガン、ガン、ガン!と色々なタゲ取りアビを連打。
「俺達は攻撃範囲から離脱するぞ!」
と、それを確認後、サビト君が自分のパーティーに指示を出し、メンバーが皆敵から離れたところで順に回復を入れていった。
この時点で予想通り、カインからアリアが拉致されているから攻撃が出来ないことを告げられる。
そうしてサビト君とシエル君のパーティーは魔王の後方、アリアを拉致する側近の方へ。
「マコモが一気に倒すから、シエルは側近のタゲ取って注意を逸らしてくれっ!」
「了解。任せてくれたまえっ」
サビト君の指示にシエル君がアビ全開でタゲを取りにかかり、ミツリちゃん、サネミンで注意を逸らし、ムラタ君が地味に敵に麻痺とか毒とかのデバフを入れながら、シエル君のHPとMPを回復する。
シエルパーティーがそうやって敵をひきつけてる間にアキちゃんがマコモちゃんにファンタジア×2。
それがかかった時点でマコモちゃんは詠唱はめちゃ長いけどめちゃ強力な神霊魔法の詠唱に入った。
マコモちゃんに曲をかけたあと、アキちゃんはサビト君に防御を上げるオラトリオをダブルでかけて、さらにテンゲン君には魔法の的中率をあげる暗殺者のインベンションを入れる。
インベンション…初めて聴いた。
音楽家様自体が少ないというのもあるけど、ここまできっちりかけ分ける人も、忍者のデバフの忍術が入りやすいようにインベンションまで入れる人もめったに見ない。
さすがメイド長。
仕事の丁寧さが違う。
だいたいの人は前衛ひとくくりで攻撃系の曲を入れるけど、確かに忍者はシーフほどじゃないけどやっぱり他前衛より攻撃は落ちるから、ボスクラスの敵になると削りはあまり期待出来ず、その役割はデバフを入れるのがメインになるんだよね。
それでなくても本当に全クラスの中で一番くらいに数の少ない音楽家様達の中でもそれを理解して曲のかけ分けをするプレイヤーがどれだけいるんだろう。
伊達にマコモちゃんにスカウトされてないなと、感心したよ。
もっとも…そのクラスの敵になると、普通の前衛だってたいしたダメージソースにはなれないんだけどね。
ボス戦の攻撃は黒魔導士一択だ。
レベル上げが大変なので絶対数が少ない黒魔の中でもいかに優秀な黒魔を確保するかが、こういうハイレベルな戦いの肝になってくる。
そういう意味ではギルマスが廃黒なコンコンキツネはやっぱり強いね。
さらに希少な音楽家様まで確保したうえで、さらに数の少ないナイトの層が厚いと来たら、もう最強だよ。
…というわけで、モブ三銃士と共に観戦モードに入った私。
まずアリアを捉えている側近にシエル君が挑発を入れて引き付ける。
するとガンガンと闇攻撃魔法を連打されるわけだけど、自己ヒールとムラタ君からのヒール、そしてサビト君のパーティー外からのヒールもシエル君に飛ぶ。
とにかく側近の攻撃を一手に引き受けながら、マコモちゃんの術の完成を待つシエル君。
側近からエンドレスに湧く雑魚コウモリはサネミンとミツリちゃんがひたすら掃除している。
これさ、モブタロウ君達の情報でアニメでのベルガイザー戦については聞いてたけど、ゲーム内でどうなるかとか、ダメージどれだけ受けるかとかは私ですら聞いてなかったし、全員初見だからね。
それで当たり前に理解して動けるのはすごいよ、ホント。
そしてさらにすごいのはここから!
マコモちゃんの詠唱が終わって、光属性の神霊魔法が側近に入ると、が~~っ!!と側近のHPが5分の4くらい一気に削れた。
それだけ削れば当然側近のヘイトはマコモちゃんに行くわけなんだけど、そこで即サビト君がマコモちゃんに【守る】を使って肩代わり。
それでナイトでも現在MP装備のサビト君はHPが一気に3分の2くらい減るんだけど、そこでヒール連打でほぼ全回復したあとに、今度は攻撃特化のソウルオブパッションフル装備に着替えて攻撃アビ全開で、さらにそれまでシエル君にヒールを入れつつ側近を殴って貯めていた必殺技ポイント使って必殺技を入れた。
それでタゲは完全にサビト君に移ったんで、そこで防御装備に着替え、皆がいるのと反対側、側近の後方に移動して、他に範囲攻撃とかが向かないように位置取りをした上で、みんなに全力で攻撃するように促す。
ここまでがもうドラマというか、正直カッコ良すぎて感動。
神ナイトの真骨頂という感じだねっ。
何度も言うけど、これ、初見なんだよ?
初見でここまで完璧に動くんだよ?
シエル君の硬さもすごいと思うけど、サビト君の動きはもう、カインだよ、カイン!
冒険譚の伝説の勇者だよ。
シエル君じゃないけど、私も、『さすが、サビト君っ!!』って叫びたいよ。
こうしてタゲはサビト君がキープしたまま、ここからはマコモちゃんも詠唱がそこまでかからない魔法をポンポン入れ、ミツリちゃんやサネミンがガンガン殴り、シエル君はさっきとは逆にヘイトを取っているサビト君にヒールをいれながら殴り、アキちゃんとムラタ君はバフ、テンゲン君はデバフを入れているうちに側近が倒れてアリアが解放された。
「ボスチーム!こっちはオッケーだから、そっちに合流するねっ!!」
と、マコモちゃんが言って、側近に向かっていた2チームもボスの元へ戻る。
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