オンライン殺人事件クロスオーバーY02

ネットは意外に怖いらしい (4日目)


もう仲間も出来た事だし急ぐ事もない。
俺は今まで通りのペースで20時過ぎにのんびりとインした。


昨日サビトに聞いたんだけど、みんな復活ポイントがある街中の中央の噴水広場あたりでログイン&ログアウトしてんのね。

どうりで今まで誰にも会わないわけだよ。
仲間が出来た今、ほんとに今更なんだけどね。


サビトは本当に几帳面らしく俺がインした時にはすでにインしてて、変なとこで真面目なアオイも同じく早い。
俺もインすると即サビトからパーティーの誘いがきたんで入る。

サビトは例によってお説教の最中だったらしく、パーティー入った瞬間俺の耳にまず入ってきた言葉は、アオイの
『ん…わかった。気をつける』
という声。

サビトはそれに対して
『わかればよし』
と返す。
それから二人して俺と挨拶交わす。

ま、それが済むと気になる事は気になるんで
『なんの話してたん?』
と聞いてみると、サビトがチラリとすぐ側で通常会話垂れ流してるゴッドセイバーっつ~厨二病ぽい奴の方をむいて言った。

『そこで通常会話でリアル情報垂れ流してる馬鹿がいて、アオイが同じ事しようとしてたんで注意してた。
まあお前はわかってるとは思うが…誰が聞いてるともわかんないところでリアル情報垂れ流すなんて、悪用して下さいって言ってるようなもんだからな。絶対にやるなよ』

あ~、なるほどね。
ネット内だとリアル女とか言うだけで粘着始まったり、住所なんて割れた日にはリアルストーカーだしな。
まあ俺は男だから実害そんなにないとは思うんだけど、確かにネットで揉めてリアルで刺されるとか嫌だしな。

『はいはい、その辺はさすがに俺でもわかってるよ』
と、実は全然考えてなかったんだけどそう返しておく。

そのうちお姫さんもインしてきて同じ注意されたけど、聞いてない方に1億円て感じだな。


ま、そんな感じでお説教終わってさあ経験値稼ぎに…ってなった時、サビトがいきなり商店街の方へと歩き出した。

『サビト~、そっち反対。外は向こうだよ』
て、アオイさん、君がわかってる事は当然サビトだってわかってるって…と思ってたらやっぱりサビトは
『反対じゃない。こっちで正解。お前ら初期装備で俺についてくるつもりか、装備買え』
と言って防具屋に入って行く。
なるほど…。

『お金…ないんだけど…』
まあ…パーティーすら知らずにただペチペチ敵を叩いてたわけだから当然と言えば当然のアオイの言葉。
お姫さんもうんうんとうなづいた。
俺は…一応レベル相応の装備はしてるんだけど…。

そんな二人にサビトはあっさり
『今回はしかたないから買ってやる。紙装備でうろちょろされても迷惑だからな。
これからはちゃんと金策もしろよ』

買ってやるって…普通にLv上げしててようやく次の装備買えるくらいの金しか貯まんないんだけど、俺。
いくら自分よりはLv低いったって二人分の装備?
どうやって貯めてんだよ、こいつ。

俺はチラリと今の所持金を見る。
22銀…。
一人分の防具がだいたい40銀くらい?二人分で80銀。全然足りねえ。

でもさすがに俺もスルーしてちゃだめ?とか思ってサビトにウィス。
(あのさ…俺一応今22銀くらいなら出せるけど…出そうか?)
まあ若干情けない金額ではあるけど、スルーよりはマシ?と思って聞いてみたけどサビトはきっぱり
(ん~、まあ200銀くらいはあるから大丈夫だ)
うあ~すげ~。

(やっぱさ…ジョブ差?稼げるのって)
もうプライドとか言ってる場合じゃない。思わず俺が聞くと、それに対してサビトは
(いや、たぶん狩ってる敵とLv差じゃないか?必要な金額がLvによって違ってくるしな。
俺はLv12くらいで次の装備に買い替えるのに200弱かかるから貯めてたんだが…)
(うあ…そんなにするん?てかそれ使っちゃって次の装備どうするんだよ?)
(まあLv下のメンバーに合わせてたら自分のLv上がんのなんて当分先だし、その頃までには必要な額貯まるから平気)

その後俺が聞くと、サビトは隠す事もなくあっさり金策に良い敵とか効率のいい金策なんかも教えてくれた。

雑貨屋で高額で売れる素材落とす敵だけじゃなくて、雑貨屋で売っても二束三文のアイテムでも合成屋で合成してもらうと高額装備や高額素材に早変わりなんてのもあって、目から鱗。

よくこんなすごい情報一人で集めたよな、こいつ。
一人で全然平気じゃん。

つ~か…こいつ何者?
なんで俺達といるん?
もうメリットないどころじゃない。デメリットありまくりじゃね?
頭いいんだか悪いんだかマジわかんね。




パーティーは楽しい (4日目~6日目)


釣り役、メインアタッカー、支援にヒーラー。
もう絵に描いた様なベストな構成。
おまけにサビトはすごい情報通で指示も的確なんで、俺らもなんとなく格好ついてきたっていうか、それなりに効率的なパーティーになってきた。

まあ…たまにサビトの実も蓋もない言い方でアオイが落ち込んで~みたいな事もあるんだけど、そういう時は”良い人担当”の俺の出番でなんとかその辺をクリア。

アオイを説得してる間はお姫さんをサビトに押し付けておくと、最初の出会いで立場的強者となっているらしい彼女にどうにも強く出られないサビトは普段の俺様っぷりが嘘のように大人しい。
人間関係においてもそんな感じでなかなかそれぞれが絶妙のバランスを保ってる。

もちろん俺らの他にも当然パーティー組んでる奴らはいる。
今日はたまたま例の厨二病のゴッドセイバーと奴の女王様らしいウォーリアのイヴ、あとはイヴのもう一人の従者ぽいベルセルクのショウの3人パーティーが側で狩りをしていた。

女一人に男二人の不協和音。
ショウが敵を連れてくると、ゴッドセイバーがいきなり無言でダっとどこかに駆け出して行った。
それをスルーで二人はそのまま敵を叩いている。

「イヴ~!」
やがてゴッドセイバーが戻って来た………張り合うようにでかい巨人を連れて…。

「俺の敵の方がでけえしー、やっぱ俺マジやばくねっ?」

えっと…お前の方が別の意味でやばくね?HP真っ赤なんだけど?てか…倒せるん?それ……


『脳みそに何かわいてるな……』
サビトが対峙していた眼前の敵を叩き伏せて、チラリとそちらに目をやってつぶやく。
『まあ…とばっちり来ない程度に距離取っておこうか…』
それを合図に俺も苦笑しながらみんなのHPを回復し終わって自分のMP回復のために座ってるお姫様を少し離れた岩陰にうながした。

全体の護衛がサビトの仕事なら、お姫様の護衛が俺の仕事になってる。

ヒーラーに怪我させるってのはサビト的に一番の外道らしい。
まあ…確かにヒーラーさえ生きてれば瀕死でも回復してもらえるし、最悪死んでも蘇生してもらってデスペナで減る経験値も軽減できる。
効率的に考えてもヒーラーは絶対に死なせちゃいけないわけなんだけどね。

それ以上にサビト的には”姫”に怪我させるって言う事は許されざる罪悪って感じだ。
なんつ~か…騎士道精神つ~やつ?いつも真っ先に大事にお守りしてる。


「ちょ、ちょっと信じらんないっ!何連れて来てんのよっ、あんたっ!!」
俺らより少し遅れてゴッドセイバーが連れてきた怪物に気付いたらしい。
イヴが叫ぶ。

「ちょ、ちょっと信じらんないっ!何連れて来てんのよっ、あんたっ!!」
「一番強そうなの連れて来たしー。俺すごくねっ?」
「すごいわよっ!もう信じらんないくらいすごい馬鹿っ!!
倒せない敵連れて来てどうすんのよっ!!
イヴの言葉にゴッドセイバーはポカンと立ちすくんだ。

「え~!マジっ?!ありえなくねっ?!」
「ありえないのはあんたよっ!
それ連れて向こう行って死んどいてよっバカっ!こっち連れて来ないでっ!!」
「まじすかっ!!」


もうさ…どつき漫才っすか?
悪いけど笑える。

『ほんと……ありえんな……』
あちらのドタバタを遠目で見ながら呆れた息をつくサビト。
しかしサビトはそのまま後ろを振り返り俺に声をかけた。
『ユート。能力アップ一通りかけといてくれ』
その言葉にお姫様の隣でやっぱりMPを回復してた俺は立ち上がってかけよる。

『なに?助けるん?』
そのままサビトの隣で魔法をかけ始める俺。

『ん~、義を見てせざるは勇なきなりって言うからな。
でも倒せるかわからんからお前らは離れてろ』
と、サビトはいかにも奴らしい勇者様な台詞を吐いて、スラっと背中に背負った大剣を抜いた。

俺らの側でそんなやりとりが繰り広げられてる間にも、イヴ達は修羅場を繰り広げてる。

「きゃあぁっ!ちょっと、どうすんのよ、これっ!」
悲鳴を上げるイヴの前に
「まかせろっ!」
と、立ちはだかるゴッドセイバー。

「暗黒に染まりし神の使徒、このゴッドセイバーの虚空より現れいでる刃の煌めき!
受けるがいいっ!!
ナイトメアスーパーメテオインパクト!!!」
と、そのまま巨人に特攻………スカっとかわされた。

厨二病決定。つ~か、期待裏切らないゴッドセイバーに拍手っ。

「ムッ!貴様、やるなっ!!」
巨人の周りをそのままグルグル逃げ回りながら叫ぶゴッドセイバー。
呆れるイヴとショウ…。

「イヴ…この隙に離れようぜ」
というショウにうなづいて、イヴはショウと共にジリジリと後ろに下がって距離を取り始める。

「ク、クソッ!お前は俺を怒らせた~!
黒き業火がごとき俺の怒りを受けてみよっ!
今燃え上がる漆黒の必殺技!ファイナルゴッドライトニングスラッシュ!!!」

………スカッ。
…だめだ、こりゃ。
残りHP…たぶん10以下?そろそろ死ぬかなぁ……。

つ~かさ、自業自得なのはわかるけど、もうちっとパーティーの二人フォローいれてやれよって思っちゃってる時点で俺もサビトに毒されてきたんかな…。

んでもってだ、当のサビトはあと一撃で死ぬだろうゴッドセイバーに斧を振り下ろしかけてる巨人に斬り掛かって行った。

ほんっきでもうなんつ~か、善意と正義の塊だよな、こいつ。
パーティーメンですら見捨ててんだぜ?
結構…どこぞの純粋培養のボンボンかもしれん…。


意外な事に…倒せないとばかり思ってた巨人は倒せる範囲の敵だったらしい。
まあ途中でサビトに気付いたゴッドセイバーが同じく殴り掛かってもスカスカで全く当たらなかったから、俺の魔法の成果かもしれないけど。
とりあえず自分のHPを半分ほど減らしながらもサビトが巨人をソロで倒した。

ズドン!と音をたてて倒れたあと、ス~っと地面に巨人が消えて行くのを確認すると、そのまま無言で大剣をまた背に担いでこちらに戻ろうとするサビトの背中に、ゴッドセイバーが
「待て!」
と、声をかける。

「俺は暗黒神の使徒、黒い稲妻ゴッドセイバーだ。
共に強敵を倒した盟友のお前の名前を聞きたい」

サビトは一瞬無言で立ち止まる。そしてため息。

「…キャラ名…頭の上に出てるだろ。見えないのか」
それだけ言ってまた歩き始めるサビト。

まあ…そうなんだけどな……。
なんつ~か、このおせっかいなまでの善意と、この実も蓋もない言い方のギャップが…。
もうちっと言い方変えれば思い切り感謝されると思うんだけど…。


「サビト君すごいねっ♪マジかっこ良かった♪」
巨人が倒れて安全なのを確認してイヴが戻ってくる。
「今度リアルで会わない?携帯教えてっ?」
と、ピタっと寄り添いかけるイヴからスっと距離を取るサビト。

そのイヴの言葉にゴッドセイバーが口をはさむ。
「俺のダチだしー、3人で会わね?」
「何よ?サビト君のリアフレなの?GS」
「いや、今ダチになったしー」
「なってないっ!」
サビトがきっぱりと言う。
「じゃ、あんたは要らない、GS」

なんか…感じわり~。
つかさ、本気で嫌な女の典型って感じだよな。

そんなゴッドセイバーとは対照的に、イヴのもう一人の仲間ショウは
「サビトがすごいわけじゃないよ、イヴ。向こうにはエンチャがいるから。
能力アップの魔法かけてるから同じくらいのレベルでも強いように見えるだけだって」
と、つめよる。

こいつも感じわりーし、みっともねえよな。
自分のパーティーメンの事だろうが。そうまで言う前に自分何かしてみたのかよっ。
強い弱いじゃなくて、倒せないかも知れない敵なのにデスペナ覚悟で全く得にもならなければ義理もないのに自分のパーティーメン助けにきてくれた相手に言うべき言葉じゃないだろっ。
ひがみにしかきこえね~っつ~の。

一方そんな敵対心ビシバシに言うショウの言葉にもサビトの方はカッとなるわけでもなくひけらかすわけでもなく、極々冷静に
「ま、そういうことだ」
って返すあたりがクールっつ~か、ちとかっこいい。
サビトはそのままこれ以上色々言われるのは面倒とばかりに、俺らの方に戻ってきた。

『悪い。待たせたな』
と俺らに言うサビトのはるか後方では
「もうっ!サビト君行っちゃったじゃないっ!
GSもショウもエンジェルウィング一つ取ってこれないくせにっ」
と、イヴが怒ってて、二人が必死にご機嫌を取っている。
まあ…類友って感じのうざいパーティーだ。

その後しばらくそのまま狩り。
やがて唐突に…本当に唐突にお姫様の語り。

「えと、でもサビトさんもたぶん一人で強い敵と戦うより、みんなで遊んでる方が楽しいんだと思います♪」

通常会話で流される言葉。
誰と話してるん?電波…受け取ってますか?

「ふざける?えと…私最近喜ぶの動作は覚えたんですっ♪ふざけるはまだ覚えてません。
だからまだできないからやってません。
そんな動作あったんですねぇ。今度やり方教えて下さいねっ♪」

謎の独り言が通常会話で流れて行く。

「え??えっと……ウィスって??」

この辺で…なんとなく見えてきた。
チラリとちょっと離れた所のパーティーを見ると、イヴがチラチラこちらを伺ってる。

「うわぁ♪そんなの初めて知りました♪イヴさんて物知りなんですねっo(^-^)o」
これでほぼ決定。

「姫……もしかして…嫌がらせのウィスでもきてるのか…」
サビトが敵の最後のHPを削った後、クルリとお姫様を振り返った。
そのサビトの言葉に
「あ、あたしはっ…」
とあわてて駆け寄りかけるイヴ。

ディスプレイ上なのになんとなくサビトの怒りがフツフツと燃え上がっていくのを感じる。
つか…キレる寸前ぽ。

「ぜんっぜん♪お話してただけです♪
イヴさんとってもとっても物知りで、色々教えてくれましたっ(^-^」
なんとなく一触即発な空気の中で、お姫様はノホホ~ンと返す。

『なんだか…どんなウィスがきてたのか想像付く気はするんだけど…(^^;』
俺は苦笑。
サビト無言。絶対にぶち切れてイヴにウィス送ってる。

「サビトさん♪今ね、イヴちゃんにウィスって話し方教えてもらったんです♪
やってみていい?(^-^」

そんな中でお姫様は一人相変わらず通常会話で話続ける。
本気で空気読めてない…ていうか別空間で生きてるよ、この子。

『今取り込み中だから待て』
と言うサビト。
やっぱりウィス中か~。

そのサビトの返事にお姫様はキョロキョロとあたりを見回し、アオイに目を止め、じ~っと見つめた。

『私はいいよ、試してみても(^^ 』
と、アオイが察して言うと、お姫様は
「ありがとうっ♪o(^-^)o」
と喜ぶ動作。
その後双方無言なところ見るとあちらはあちらでウィス中な予感。

なんつ~かさ、本人気にしてないぽいし言っても時間の無駄な気がしないでもないんだけど…。
暇~…。俺一人暇ですよ?と思ってると、アオイがため息。
まさか…とばっちりで今アオイの所にウィスきてたり?

(もしかして…アオイの所にもウィスきてたの?大丈夫?)
だったら俺が文句言ってやる!と思いつつ聞くと、
(えっと…今のため息はギユウちゃんのウィスに対してなんだけど…
私の所にもってことはユートの所にも来てたの?)
と、アオイ。

信じられね~!!アオイにも送ってやがったかっ!!絶対に文句言ってやる!

(いや、俺の所には全然。でもアオイの所にはきてたんだ…。
大丈夫?ひどい事とか言われた?)
さらに聞くとアオイは無言。

思い出して滅入ってる?そうは見えないけど結構落ち込みやすいんだよな…アオイ。

(えと…、言ってくれれば俺の所でとどめておくから。
サビトまで行くと大変な事に…(^^;)

このままじゃ平行線ぽいから、別の方向で攻めてみる。
結構対人間に対しては臆病なところのあるアオイはそれであっさり折れてくれた。

だだ~っと流れるウィスの原文

(アオイちゃんて…寄生だよねぇ
サビト君とかレベル高いしジョブも強いし、ユート君は底上げ能力とかあるけど、レベル低いシーフって何も貢献できないよねぇ…。
サビト君とかレベル倍なわけだし、レベル低い上に弱いアタッカーが一緒じゃなければもっとレベル高い敵狙えて経験値もいっぱい入るよね)


むっか~……
もう…思い切りイヴが泣くまで文句言ってやれ!サビト!!
つか、これサビトに流したくなってきた…。

そしてもう1パターン
以下原文…()内はイヴのウィスで「」内はうちのお姫様の通常会話…

*****

(ギユウちゃん、レベル低いあなた達が一緒にいるとサビト君に迷惑だと思わない?
彼レベル高いし、もっと強い敵と戦えるわけだし…(^^;)

「えと…でも~サビトさんもたぶん一人で強い敵と戦うより、みんなで遊んでる方が楽しいんだと思います♪」

(ちょ、ちょっとふざけてるの?!あんた何で通常会話で返事してるわけ??!!)

「ふざける?えと…私最近喜ぶの動作は覚えたんですっ♪ふざけるはまだ覚えてません。
だからまだできないからやってません。
そんな動作あったんですねぇ。今度やり方教えて下さいねっ♪」

(何?何言ってんの??ふざけんなよ!ウィスあるでしょ??まさか知らないとか言わないでしょ?)

「え??えっと……ウィスって??」

(チャットウィンドウにカーソル合わせてCtrl+スペースでチャットモード変えられるじゃんっ)

「うわぁ♪そんなの初めて知りました♪イヴさんて物知りなんですねっo(^-^)o」

*****


…すげえ…マジ日本語通じてない……。
これ…わざとじゃないとこがすごい……。

まあそんなお姫様のおかげで事が露見したわけで…。
サビトの時もそうなんだけど、姫、ものすご~い良いタイミングでものすごく良い事言うよな…。
…普段は天然なだけにフォロー大変なわけだけど…


まあでも今回はマジ良い事言った!
(えと…ね、アオイ気にしない方がいいよ。姫みたいに流しちゃいなよ。
まあ…姫は意識してとかじゃなくて、文字通り頭の中を流れて行ってるだけみたいだけど…(^^;
姫の言う通りサビトは効率追求するより今のパーティでやるのが楽しいんだと思うからさ)
俺はアオイにまたウィスを送る。

正直…俺にもサビトが何を思って俺らといるのかわかんないんだけど、効率より楽しさ選んでる、そう受け取っておくのが一番平和だ。

『ごめんな…姫。ちゃんと苦情は言ったから』
俺らが裏でそんなやりとりしてると、どうやらイヴとウィスを終えたらしきサビトがそう言ってお姫様の頭をなでた。

「??なんでサビトさんが謝るの??」
『いや…たぶん俺のせいだから』
「サビトさん、忙しいのはしかたないですよ?
大丈夫♪アオイちゃんがつきあってくれたからっ(^^」
『なに?アオイと一緒にウィス入れてたのか?そっか。自分で言えるなら良かったけど』

………
………
………

(たぶん…言ってる事全然かみ合ってないね)
もう笑うしかないんだけどさ…このタイミングだからアオイの元気付けの材料にくらいはなるかな。
俺がウィス送って苦笑すると、アオイも笑ってくれた。
本当はまだ滅入ってるかも知れないけど…とりあえずドツボにはまり込んではいないと思って良いか。

(今回はね、たぶんイヴがサビト欲しくなっちゃっただけでアオイがどうのとかじゃないよ、話聞いてると。
ま、長くやってると色々あるよ。でもさ、仲間内では楽しくやろう。
アオイも他に言いにくい事とかあったら俺に言ってね?
必要な事なら俺が他に伝えるし、愚痴なら俺の所でとめとくから(^^) )

まあ…あわよくばそれをきっかけに…なんて下心がないとは言わないけど、とりあえずは落ち込まれるとなんとなくこっちまで悲しくなってくるからさ。
当分ははけ口の”良い人担当”でもいっか…なんて俺は思った。






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