オンライン殺人再びっorg_04_アオイちゃん再来

「あ、じゃあせっかくですし…今からみんなでやりません?」
話がまとまったところでフロウちゃんが両手を合わせてニッコリ笑う。

「今からって?パソコンないよ?」
私が言うと、フロウちゃんはにっこりと
「うちのパソコン使って♪」
と、グレイトな申し出。

「使ってないパソコン何台もあるのでっ。
みんなでここで並んでノートパソコン使ってやりましょう♪」
もうフロウちゃんが言いだしたら、うちのパーティでは決定事項だ。

「私とコウさんはそれぞれの部屋の持って来て…あとはコウさん、2階のパソコンルームから使えそうなのを選んで下さいっ。私はよくわからないのでっ」
と、フロウちゃんが言うと、コウが苦笑して上へ上がって行く。

なんだか…色々な意味ですごいな。



そしてリビングに並ぶ4代のパソコン。

このゲームのウリは安心してできるネットゲーム。

定額課金にしてなんとアクセスできる時間すら制限されている。
一日4時間まで。0時で時間制限がクリアされるらしい。

お金を使いすぎる事もネットゲームに常駐してリアルで終わる事もないというわけ。
アイテム課金全盛、ネットゲーム中毒続出な中で確かに理性のない人間でも安心してできそうではある。

そのかわりゲーム外コンテンツというか公式HPでは各種掲示板やイベント等、ユーザー参加型コンテンツがいっぱいだ。

ちなみに…私達に送られたディスクのIDは特別に月額料金を取られないようにして頂けているらしい。
まあ…ほぼ強制のくせに金払えとか言われたらキレる。



「あ、ジョブも増えてるんですね~♪」
さっそくキャラ作成ではしゃぐフロウちゃん。

2年前にやった時にはジョブは7ジョブ。


ウォーリアを基準として

ウォーリア:攻守共にバランスの取れた近接アタッカー
ベルセルク:攻撃特化の近接アタッカー。攻=倍、防=半分
アーチャー:遠隔物理アタッカー。攻=倍、防=4分の1
ウィザード:魔法アタッカー。攻=倍、防=10分の1、範囲攻撃可、属性によって得手不得手がある。
プリースト:ヒーラー。治癒、蘇生魔法。攻=10分の1、防=5分の1
エンチャンター:攻防命をそれぞれ倍加する魔法。攻=4分の1、防=半分
シーフ:近距離&遠距離物理アタッカー。攻=半分、防=3分の1、回避=4倍

それに今回は以下のジョブが増えて全部で10ジョブだ。

ガーディアン:防御特化盾ジョブ。攻撃=半分、防=倍
ドラゴンウォーリア:ドラゴンが常にともない通常時は乗り物、戦闘時には武器防具になる。攻防各2.5倍。武器防具装備不可。炎耐性3倍、氷耐性3分の1。
モンク:耐性装備を含む武器防具を全て外すと攻撃4倍。



「で?今回は人数制限はないわけだけど…何選ぶ?みんな」

ユートの言葉に当たり前にシーフを選んでいた私はハッとする。
そか…前回と同じじゃなくてもいいんだよね……。
でも愛着出て来ちゃって他ジョブ考えられない気が…。

「私はプリーストを♪やっぱり他は考えられなくて…」
ニッコリと可愛らしい笑みを浮かべるフロウちゃん。

「私も~。なんとなくジョブ変えちゃうと自分な気がしないくらいになってきてる…」
と、私もシーフ宣言。

そんな中でひたすら悩むコウ。

「何?コウ悩んでるん?」
ヒョイっとコウのパソコンを覗き込んで言うユートに、コウは難しい表情で言う。

「ベルセルクのままでもいいんだが…ガーディアンもなぁ……。
今回のは回復するだけでヘイト乗るらしいから盾がしっかりしてないと姫にタゲいきかねんから…」

はあ…そういう観点で選んでる訳ね。

「なんか…所詮ゲームなんだからそこまで真剣にならなくても…」
今回は別に賞金かかってるとかでもなくて、一般のユーザーもいっぱいいる本当の娯楽なわけだし
と思って言うと、コウはきっぱり
「姫が殴られてたらそれこそ絶対に楽しめん」


あ~さようですか、ごちそうさま…って思ってたら、
「あ~それわかるな」
と、ユートの意外な言葉。

「俺もさ、アオイがシーフ選んだ時点で、アオイが殴られない様に回避あげるためだけにエンチャ再びよ?w」


うああああ………

ユートってば、そういう恥ずかしい事を臆面もなく……。
真っ赤になる私にクスクスと笑うフロウちゃん。

コウはそこで
「あ~そうなのか、じゃあガーディアンて選択はできんな。ベルセルクにしとく」
と宣言した。

「なんで?」
関連性が判らず聞く私に、コウは
「火力足りんだろ、どう考えても。
最悪盾はなくても被ダメは薬でカバーできるが火力はどうしようもないしな」
と説明する。

なるほど、さすがコウ。考えてるね。


一応4人パーティが最高だった前回より二人パーティに入れられる人数が増えて、最高6人パーティが組めるらしいから、盾役は必要そうな時は他から探せばいいよね。

こうして結局全員前回のジョブのままキャラ作成を続け、それぞれ前回にそっくりな…つまりは…自分にそっくりなキャラを作って、キャラ作成を終えた。





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