その夜の海底神殿行きは大騒ぎだった。
まず、真菰が関わっていないので、道々は普通にPTで敵を倒しながら進もうかと思っていたのだが、どこから知ったのか茂部太郎達、モブ三銃士が雑魚掃除を手伝わせてくれと申し出てくる。
もちろん申し訳ないから、と、一度は断ったのだが、暇だし、自分達も素材狩りがてらだと言うので、お願いすることにした。
最初はアキが伊藤亜紀だと知って警戒していた茂部太郎達も、真菰がギルド入りを認めて保護を決めた時点で割り切ったところに、彼女も【エルサイア・オデッセイ】のカイアリに似た錆兎と義勇のカップルを推しということで、完全に気を許して大いに盛り上がった。
それこそ空太が妬くくらいには…。
そして
「僕も帰宅したら履修しなければ…」
と言い始めた時点で、亜紀と同じくらい空太に警戒心を持っていた彼らだったが、布教してどっぷり漬かるようになれば安心とばかりに、周りを囲んで布教を始める。
そこからモブ三銃士とアキ、そして空太のキャラ、シエルは、現地に着くまで延々と【エルサイア・オデッセイ】の話に終始する。
そして11月末のイベントでは絶対にカイアリの衣装をゲットしてサビトとギユウに着せよう!と、本人たちの意志は空の遥か彼方などころか、まだ衣装が実装するのかもわからないのに、そんなことを誓い合った。
そうして特別エリア前。
パーティーと担当で悩む。
今回はマコモがいないので、まずボスと側近のどちらをそれぞれどちらのタンクが受け持つかから。
「側近は2体で被ダメを抑えるよりヘイト稼ぐのが面倒だから、俺が側近かな。
シエルは固さはあるし、ボスは攻撃は痛いが大丈夫だろ」
と言った時点で、ギユウが
「じゃ、私は側近だね」
と言うが、それをサビトは
「いや、義勇はシエルのパーティーな」
と、否定したのでびっくりする。
「え?なんでっ?!」
「ん~回復量の違いと、汎用性。
ボスは一撃が痛いから回復量が多い白。
側近は回復より、片方眠らせられたり、眠っている間に速攻で倒すのにデバフが豊富な赤の方が向いているから。
今回はドカン!と一撃が大きいマコモがいないから、ボス組は倒すと言うよりも側近組が急いで側近倒す間、死なずにボスをキープ。
で、側近が倒れたら全員でボスを叩く感じだな。
だからボス組は守りに強いクラス。
側近は火力に強いクラスを集める。
というわけで…側近は盾は俺で、ヒーラーはムラタ。
あとはミツリとイグロな。
ムラタは側近1体の寝かせが最優先。
俺はある程度自己ヒールのヒールヘイトと攻撃ヘイトでタゲ取りをしていくから、回復はヒール入れるよりMP回復のリフレシュをメインでいれてくれ。
足りない部分は薬でなんとかする。
で、倒す速度重視するからミツリはもうヘイト考えないでいい。
全力で殴れ。
イグロも攻撃系の召喚獣でひたすら攻撃な。
ヘイト管理は要らない。
万が一タゲが動いたら"守る"で俺が代わりに受けて、その間に全力で戻すから。
で、逆にボス側はシエルからタゲ奪わないように、テンゲンは被ダメ減らす系の忍術使いつつ殴って、アキは全体に防御あげるオラトリオで、シエルとギユウにはMP回復のためにロンド。
テンゲンには攻撃あげるプレリュードな。
まあ俺はよく使うパターンで言ってるけど、アキの曲についてはマコモのお墨付きの音楽家だし、状況によっては自分の判断で変えてもらって構わない」
そんな説明の元、シエル、アキ、ギユウ、テンゲンが対ボスパーティー、サビト、ムラタ、ミツリ、イグロが対側近パーティーで戦闘が始まる。
マコモがいない分、削りはどうしても遅くはなるが、逆にボスは全員で取り組むことになるので、危なげはなく、無事戦闘が終了した。
ドロップは前回は出なかったポセイドンの盾が出て、サビトはすでに持っているので、それはシエルに。
装備品のあと一つはレア弓が出たので、ここまで雑魚掃除を手伝ってくれた狩人のモブタロウに進呈し、他のドロップアイテムは換金して全員で分けて終わった。
0 件のコメント :
コメントを投稿