清く正しいネット恋愛のすすめ_156_合宿の夜_リアル鱗滝家の彼女達がレジェロ鱗滝家で…

「アキって…もしかして伊藤かぁ?」

海底神殿から戻った勢いで、シノブが話を聞きたいと言うのに、おそらくリアルも混じるだろうと、レジェロのキャッスルエリアにあるサビトとギユウの家でみんなで集まることに…。

話を聞きたいと言った張本人のシノブ、それを聞いて1B関係の話なら自分も同じクラスだから…と、サネミ、そして──なんだか面白そうだから私もいい?──とマコモが加わって、最後にサネミが、──暴走されるとおっかない妹と親友の宥め役ってことで来てくれねえか?サビトもテンゲンも居ない所だと怖え──とカナエに依頼して、それなら、と、カナエも同席することになった。

そこで、全員リビングに落ち着いた時点で、まずサネミが大前提となるあたりの確認を取る。

そこでリアルでコクコクとお茶を飲んでいた義勇が
「…不死川が仕切りをする日がくるとは思わなかったな」
と、口にするまでは良いとして、それをネット上でも言い放った。

「「義勇ちゃん、それ本人の前で言っちゃだめっ!!」」
と、ずっと乱暴者として名高かった不死川のイメージが強いクラスメートの蜜璃と亜紀が焦って口を揃えるが、当の不死川はなんだか最近とても丸くなった…というか、元々は失言系に関しては大らかな大家族の長子なので、全く気にした様子はない。

ただ、
「柄じゃねえけど、仕方ねえだろうがァ。
シノブはこの件では感情的に色々あるだろうし、大将はおめえとサビトのモンペだからなァ」
と、くしゃりと頭を掻く。

「…なあに?うちの子達にやらかした系?」
と、その言葉にニコニコと可愛いキャラで言うマコモだが、彼女の内面を知っている面々は、彼女の行動は時に可愛さとは対極になったりすることを知っているので、焦りまくった。

「え、えっと…サネミ君、ちゃんと説明を……」
と、珍しくワタワタと慌てながら言うカナエに促されて、はぁ~と、何故か反対側から降ってくるため息。

全員がそちらに視線を向けると、シノブが
「少なくとも義勇さんに直接的に何かはしてませんし、錆兎さんに対しても幼稚舎時代に噂を流したくらいで、むしろ物理的にやらかされたのは幼稚舎時代の私ですね。
茂部太郎君達が阻止してくれたらしくて、実害は全く受けませんでしたが…」
と、口を開いた。
どうやら説明役は引き継いでくれるつもりらしい。

「噂って…女子に避けられたアレ?」
と、ネット上だと言うのに少し険しい雰囲気を感じるマコモに、

「主犯じゃありませんよ?
好意的にこれまでの諸々を解釈するなら、主犯に近すぎて嫌がらせに引っ張り込まれて、年を経て周りが見えるようになるにつれて、このままじゃマズイという事に気づいて、徐々に距離を取り、先日の体育祭の時にとうとう今が離れ時とばかりに主犯の意志に反して義勇さんを助けたことで、主犯の怒りを買って、今回の学園祭で包丁持った暴漢に刺されかけた人です」
と、説明した。

「あ~、あれか。
ミミズシューズの代わりの靴を貸してくれた子?」
と言うマコモの言葉にシノブが答える前に、

「あ…やっぱり錆兎、役員だけと言いつつしのぶさんにも言ってたんだ…」
と、ギユウが言う。

…が、その説明は実は誘導も兼ねていたらしい。

「ああ、やっぱりあの包丁男乱入は武藤さんの差し金だったんですね」
と返って来て、リアルで義勇が、うあああぁぁと頭を抱えた。

「だ、大丈夫!大丈夫よ、義勇ちゃんっ!
悪いのは悪い事してきたせいで説明が必要だった私で義勇ちゃんじゃないからねっ」
と、リアルで義勇を慰めつつ、亜紀はディスプレイに指を滑らせる。

「あ、あのっ、私が言っちゃいけないのかもしれませんが、錆兎さんからの説明として、今回の諸々が武藤まりの差し金だって言う事は、学校側と私達生徒会役員だけの胸のうちに留めておくようにということなので、そのようにお願いします。
理由は、まりの弟君がまだ小等部にいて、何もしていない弟君まで巻き込まれるのは気の毒だからということで。
私達だけ知っているのは、それでも噂レベルでは色々言われると思うので、その場合に弟君に対するフォローができるようにということでした」

「なるほど。そういうことでしたか。了解です。
ではそのことはここだけの話ということで…」
とシノブが、
「そっか~。そうだよね。そんな小さい子が何もしてないのに連座は可哀そうだ。
男子科の生徒会にも兄弟弟子いっぱいいるから、共学科で広まりすぎて辛くなって移籍するんだったら、私からも頼んでおいてあげるよ。
てか、錆兎にさ、通える距離ならうちの道場に通わせてあげなって言っておいて。
そしたら、小等部にも同門の子達がいっぱいいるからさ、かばってくれるから」
と、マコモが言う。

そして、──じゃ、その件はいったんこれでOKということで…──と、マコモは続けた。

「アキちゃんのことだけどね…」
と、戻された話題に
「はい…申し訳ありません……」
と、アキは身を固くする。

「うん、今こうして義勇ちゃんといるってことは、錆兎がそうしても大丈夫って判断したってことだから、私からあれこれいう事じゃないかもだけどね」

「…はい…申し訳ありません…」

「いやいや、私には申し訳なくはないよ?
ただね、監視はさせてもらう。
その代わり、アキちゃんが誠意をもって接してくる限り、保護も全力でしてあげるから。
何か脅されたり、問題行動を取らされそうになった時には、絶対に私に相談ね?
悪いようにはしないし、漏らされたくないなら錆兎にも言わない。
でも私にだけは絶対に報告。いいね?」

「何か困ったことがあっても真菰ちゃんに言えば大丈夫よ?
女子科生徒会は状況によっては学校も動かせちゃうような団体だから。
大船に乗ったつもりで相談してね」

マコモが頼もしい様子で、そしてカナエが優し気にそういうのに、亜紀はリアルで少し目を潤ませながら、

「はい…ありがとうございます」
と、ディスプレイ上でお辞儀をする。


こうして諸々のカミングアウトと今後の方針が決まったところで、あとの乙女たちの夜は雑談で更けていった。



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