清く正しいネット恋愛のすすめ_134_抹殺計画

裏切ることによって地位を得た亜紀の行動がきっかけになったのだろうと思う…
その後、取り巻きの裏切りが続いていく。
それはどんどん増えていき、すでに流れを止めることができない。

まずは直接手を出していない、依頼をされたわけでもなくて、嫌がらせをしている間に”味方”以外が来た時などに自主的に知らせてきただけの人間が裏切った。

自分は何もしていない。
怖くて注意ができなかった…とでも言ったのだろう。

”だから責めないで?仲良くして?”


自分は悪いことはしていない、巻き込まれただけとでも言いたいのだろうが、命じたまりが言うのもなんだが、彼女たちはまりが命じたことを行った実行犯よりも質が悪い。

だって、怖いか怖くないかと言えば、実行犯の方が怖くて逃げられない立場だろう。
彼女たちはまりに認識されて、それこそ断れば自分がターゲットになると思うが、傍観者である女子達は違う。

認識自体をされていなかったのだから、自分が本当に関わりたくなければ見なければいいし、わざわざ協力しなければならない義理はない。

そう、実行犯は保身のためで自分の意志とは限らないが、傍観者の女子達は自分の意志で協力しているのだ。

だからまりに言わせれば、実行犯よりも質が悪く、実行犯よりも実行するのに積極的だった女たちである。


…あの、卑怯者たちがっ!!

と、忌々しく思うものの、これまでと違って今、彼女たちを攻撃対象に加えるのは得策ではない。

体育祭の一件はまりが関与したという証拠は実行犯の女子や騎馬戦を代わらせた沙奈の証言だけで物理的にそれを立証できるものは何も残していないので、万が一沙奈がしゃべったとしてもシラを切りとおせば終わりである。

まあ、彼女たちは彼女たちで自白をしたら自分がまずヤバいことになるので、口を割ることはないだろう。

騎馬戦は毎年かなり盛り上がる競技なので、全くの第三者の女子達は競技に夢中だし、そうではない女子達くらいしか目撃者はいないから、他の証言からバレることもない。

そう思っていたら、その”傍観者女子”たちが裏切った。


──偶然気づいたんだけど、麻子が冨岡さんの靴に何かしていた気がする…
と、実行犯の名をバラした。

追い詰められて…とかではない。
体育祭から数日は何も言わなかったくせに、生徒会役員の中に亜紀が名を連ねていて、おそらくまりを裏切ることによってその地位を与えられたのであろうとわかってすぐのことなので、まりの昔からの仲間の亜紀でも許されて厚遇されるなら、自分は何もしていないのだからもっと美味しいことが…ということなのだろう。

そこからは芋づる式だ。
実行犯の麻子もまりの名を出さずにいれば全部自分のせいになる。
沙奈も同じくだ。

こうして名がだされたまりが出来ることと言えば、飽くまで否認すること。
二学期の初日、幼稚舎時代のことで胡蝶しのぶに名を出されて以来、クラスの女子からいじめを受けているため名が出されたのだと主張した。

証拠がない。
言った言わないの言い争いで、結局、”誰が”という名の部分は明確にせず、ただ、こういう経緯でこうなったので、今後はそういうことが起こらないように学校と生徒会が連携を取りながら苛めや嫌がらせの撲滅のために対策を考えていくと言う旨の手紙が全校に配布されて、体育祭でのことについては一旦終了した。

…が、互いにここで終わることはできない。

学校には…いや、どこにも信用できる人間など居ない。
しかし裏切者たちをこのままにはしておく気はない。


最初の攻撃対象は人間ではなく物品だった。

それがダメで今度は人間ではあるが物理的にではなくネット上でメンタルの攻撃…。

さらにそれを封じられて、今度は怪我をするような攻撃ではなく、しかし直接的に触れる系の嫌がらせで、メンタルを叩いた…

…が、それがダメになったいま、残るものは……直接的な肉体攻撃……


…報復相手は1B女子全員……
…学校の人間が使えない時のために…準備しておいて良かったわ……

こうなってなお、まりの心は折れるどころか、怒りの炎は強くなるばかりだ。

諦めない…恋情も復讐も何もかも…諦めてなるものかっ…

そう1人脳内で決意を新たに呟くまりの顔には、悔恨や不安の表情はなく、むしろにやりと残忍な笑みが浮かんでいた。



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