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清く正しいネット恋愛のすすめ_70_犯人判明

翌日…朝に科学部からということで封筒が配られる。

あ、これか…と、あの場にいた面々は苦笑した。

中身は科学部に興味があるかないかのアンケートで、ある場合はどのようなことなら興味があるか、ないならないと一言添えて、帰りの時間までに提出して欲しいというものである。

記名式なので見られたくない人間もいるだろうということで封筒に入れて…となっているが、実際のところは、普通の紙なら集める時に他の人間の手も触れるが、封筒に入れる形式になっていればアンケート用紙自体は本人しか触らない。

つまり、指紋が名前付きで入手できるというわけだ。

「やっぱ、頭いいやつは頭いいんだなァ」

と、感心する不死川に、

「もう、秀才組、恐ろしいわ。敵に回したくねえ」

と、宇髄は爆笑する。

「とりあえず…犯人の見当がついたら、そいつを日々チェックだな。

胡蝶の方にターゲットが向かないように、極力、科学部のアンケートから特定したということは秘密にした方がいいし」

と、そういう目的だという事を知っていても、真面目にアンケートを記入する錆兎。

「ウサ、真面目に書いてんのかよ」

と、それを見ても笑う宇髄にも

「今言っただろう？これがそう言う目的のものだと知れたら胡蝶の負担になる。

黙って書け」

と、促していた。

こうしてその日の帰りに無事アンケートを回収。

その日の帰りに祖父の弟子の1人にそれを預けて、翌々日には結果が出た。

…拝島空太…誰だ、これは……

予想通りC組の男子なのは確かだが、共学科に移籍したばかりの錆兎には全く見当もつかない。

なので、しのぶに聞いてみると、しのぶは眉を寄せて複雑な表情をする。

「…知人か？胡蝶」

と聞くと、一言、

「元2位です」

と言う。

「…もと…にい？」

それに錆兎が首をかしげると、しのぶは

「中等部の頃の万年2位ってことです。

中3の時に同じクラスでしたけど……」

と、おそらく機嫌がよろしくない時に浮かべる、口元だけの笑みを浮かべるので、ああ、仲がよろしくないんだな、と、察して錆兎は苦笑した。

黙り込む錆兎。

逆にしのぶは饒舌になっていく。

「何か私より良い成績を取るたび、『女子にしては頑張ったね』というのが口癖で、やたらと他人を見下すクズ野郎でした。

なるほど、彼が冨岡さんみたいなタイプに執着するのは分かる気がします。

私のように言い返す可愛げのない女と違って、大人しいからなんでも感心して言う事を聞いてくれそうなイメージありますもの」

もう棘がチクチク痛すぎて、よくしのぶに攻撃される不死川が触らぬ神に…とばかりに宇髄の後方へと避難していた。

錆兎はそちらに顔を向けて、

「天元、お前から見たそいつはどんな奴だ？」

と、とりあえず不死川に聞くのは勘弁してやろうと、代わりに宇髄に声をかける。

その宇髄からも

「あ～…一言で言うと、傲慢で嫌な奴？」

と、苦笑交じりに返ってきたので、これはもう、好き嫌いの問題ではないんだなと錆兎も納得した。

そんな輩が義勇に執着しているとなると厄介だな…と思う。

胡蝶が言うように、同学年の中で連れ歩けば自慢になるレベルの見栄えが良い女子の中では一番大人しそうに見えるため、隣に置くのに都合がよく思えたのだろう。

不死川のように本当に相手のことが好きなら、感情に訴えればなんとかなりそうだが、そうではあるまい。

それどころか、なまじプライドが高そうだから、義勇が下手な断り方をすれば、逆恨みをされそうだ。

さて…どうする……。

様子見をすべきか、…それとも………抵抗できないよう完膚なきまでに叩き潰すか……

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