自分の倉庫から何かアイテムを出している。
そのあとにさらに競売へ。
『ローズエレメンタルは1キャラが二つは持てないレア属性という属性がついているアイテムで、俺は以前の狩りで手に入れた物を持っているんだ』
『なるほど。だから私にロットさせたんだ』
『ああ。で、ちょっとこれでアイテムを作ってしまうから待ってくれ』
そう言うと、サビトは裁縫のアカデミーに向かうと、マスターにゴールドを払ってスキルを底上げしてもらった。
『サビト…師範なのに、底上げが必要なんだ?』
師範で失敗の可能性があるようなアイテムがあるんだろうか…そう思って聞くと、サビトは
『ああ、ちょっと特別なものだから、出来ればハイクオリティ品を作りたいなと思ってな』
と、言う。
『なるほど。なかなかでない素材だから…』
『あ~…まあ、そんなところだ』
そんなやり取りをしながらサビトが何かを合成する。
しゅわしゅわとしたあとに、狩りの前にギユウの装備を作ってくれた時のように、手元がキラキラと輝いた。
どうやらHQ品を作るのに成功したらしい。
『よし!成功だ。
じゃあ、ギユウ、今度はそっちのエレメントを貸してくれ』
言われてギユウはさきほど入手したローズ・エレメントをサビトにトレードする。
どうやら合成した成果品は当たり前と言えば当たり前だがローズ・エレメントとは別の物ということで一緒に持てるらしい。
それもサビトが合成して、同じ物のHQ品が二つ出来たようだ。
『…ということでな、ちょっと付き合ってくれ』
と、サビトは立ち上がると、ギユウに向かって手を伸ばす。
そしてその手をギユウが取ると、今日、最初に行った城の裏庭へとまた舞い戻った。
しかしさきほどと違うのは、その場に立たせたギユウの前にサビトがひざまずいたことである。
え?ええ???
え?ええ???
と、義勇は驚くものの、ディスプレイの向こうに見えるその光景の美麗さに、思わずため息が漏れた。
しかし、おとぎ話はそこで終わらない。
しかし、おとぎ話はそこで終わらない。
『…ギユウ…俺と結婚して欲しい…』
ディスプレイに流れるその言葉に、義勇はリアルで小さな悲鳴をあげた。
美しい花々が咲き誇る城の庭で銀の鎧のナイトにひざまずかれてプロポーズ…
そんな素敵な展開があっていいものだろうか…。
ゲーム内のことだと思ってもときめきが止まらない。
『はい。喜んで…』
と、ディスプレイ越しのギユウがドレスの裾をチョンとつまんで優雅に礼をした。
蔦子姉さん、蔦子姉さん、蔦子姉さん…私、王子様にプロポーズされちゃった…
と、脳内で叫ぶ。
すごい、すごい、すごい!!
と、リアルで足をバタバタさせていると、サビトは
『ありがとう。じゃあ、行くか…』
と、再び立ち上がってギユウの手を取った。
『え?ええ??行くって、どこへ??』
色々が急展開で頭がついて行かない。
まだこれ以上何かあるのだろうか…と思っていると、サビトが一瞬沈黙。
『ああ、ギユウはまだ知らないのか。レジェロ婚をしようかと思ったんだが…』
『…レジェロ…婚?』
なにしろ昨日甘露寺に誘われてこのゲームをすることを決めて、すぐタンジロウに連絡してやり方や最低限のシステムを教えてもらって、初ログインしたばかりだ。
本当の基本操作しかわかっていない。
そう伝えると、サビトが教えてくれた。
『このゲームではな、パートナーシステムというものがあるんだ。
これは通称レジェロ婚って言うんだけどな。
具体的には、城に行ってこの相手とパートナーになりますと言う手続きを取る。
それでパートナーになると、二人が同じパーティにいる場合、色々とパラメータが上がるんだ。
例えば…互いにHPやMPがあがったり、ヒーラーだったら、パートナーに対しては回復量があがったりな。俺みたいなタンクだったら、パートナーが近くにいる時は防御がガンとあがる。
まあ実利的な部分はそんな感じなんだが、結婚の時には指輪の代わりに互いに好きな装備を交換。
で、互いが傍にいるとその装備が光って相手の装備と光の糸でつながったりするから、すぐパートナーと分かる。
ディスプレイに流れるその言葉に、義勇はリアルで小さな悲鳴をあげた。
美しい花々が咲き誇る城の庭で銀の鎧のナイトにひざまずかれてプロポーズ…
そんな素敵な展開があっていいものだろうか…。
ゲーム内のことだと思ってもときめきが止まらない。
『はい。喜んで…』
と、ディスプレイ越しのギユウがドレスの裾をチョンとつまんで優雅に礼をした。
蔦子姉さん、蔦子姉さん、蔦子姉さん…私、王子様にプロポーズされちゃった…
と、脳内で叫ぶ。
すごい、すごい、すごい!!
と、リアルで足をバタバタさせていると、サビトは
『ありがとう。じゃあ、行くか…』
と、再び立ち上がってギユウの手を取った。
『え?ええ??行くって、どこへ??』
色々が急展開で頭がついて行かない。
まだこれ以上何かあるのだろうか…と思っていると、サビトが一瞬沈黙。
『ああ、ギユウはまだ知らないのか。レジェロ婚をしようかと思ったんだが…』
『…レジェロ…婚?』
なにしろ昨日甘露寺に誘われてこのゲームをすることを決めて、すぐタンジロウに連絡してやり方や最低限のシステムを教えてもらって、初ログインしたばかりだ。
本当の基本操作しかわかっていない。
そう伝えると、サビトが教えてくれた。
『このゲームではな、パートナーシステムというものがあるんだ。
これは通称レジェロ婚って言うんだけどな。
具体的には、城に行ってこの相手とパートナーになりますと言う手続きを取る。
それでパートナーになると、二人が同じパーティにいる場合、色々とパラメータが上がるんだ。
例えば…互いにHPやMPがあがったり、ヒーラーだったら、パートナーに対しては回復量があがったりな。俺みたいなタンクだったら、パートナーが近くにいる時は防御がガンとあがる。
まあ実利的な部分はそんな感じなんだが、結婚の時には指輪の代わりに互いに好きな装備を交換。
で、互いが傍にいるとその装備が光って相手の装備と光の糸でつながったりするから、すぐパートナーと分かる。
そういう風にパートナーがいるとはっきり分かる形になっていると、他の奴がちょっかいをかけにくくなるだろう?』
おお~!!!!
と、義勇は感心した。
『それは素晴らしい!』
不死川が自分のことを好きだ…という宇髄の主張は眉唾ものだとは思ってはいるが、万が一本当のことだったとしたら、これで追い回すのをやめてもらえるかもしれない。
それにそれよりなにより、サビトとはっきりした形でカップルだとわかるのは嬉しい。
とても嬉しい。
この、フォレストランドの街にあるクリスタルキャッスル。
その奥の聖堂には城の主である神子、シルフィーヌ姫がいて、パートナー申請を申し込むと祝福を授けてくれる。
おお~!!!!
と、義勇は感心した。
『それは素晴らしい!』
不死川が自分のことを好きだ…という宇髄の主張は眉唾ものだとは思ってはいるが、万が一本当のことだったとしたら、これで追い回すのをやめてもらえるかもしれない。
それにそれよりなにより、サビトとはっきりした形でカップルだとわかるのは嬉しい。
とても嬉しい。
この、フォレストランドの街にあるクリスタルキャッスル。
その奥の聖堂には城の主である神子、シルフィーヌ姫がいて、パートナー申請を申し込むと祝福を授けてくれる。
「病める時も健やかなる時も、互いに守り労わり、共に光の道を歩む事を誓いますか?」
ステンドグラスごしの光を背に受けて、真っ白なドレスの美しい姫が二人それぞれに意思を確認する。
その問いにYesで答えると、今度は指輪代わりの装備を提出させられる。
そこでサビトが先ほど作っていた装備を提出したようだ。
すると姫の手でそれに祝福の力が込められて、通常と違いほのかな光を放つようになる。
そしてそれを二人それぞれが身につければパートナー申請の終了とのことで、まず、姫の手からアイテムを一つ受け取ったサビトがギユウの胸元につけてくれた。
『あ…これっ!』
青く光る綺麗な薔薇の花。
それは今日、ギユウが街で見惚れていたあの装備である。
ギユウがそれに気づいたことに気づいたサビトが
『…ノーブルローズな。
街でこれをつけていたプレイヤーをずいぶんと熱心に見ていたから、気に入ったのかと思ってな。
だから、一緒に素材を取りに行って得た物を使って作ったこの装備をレジェロ婚の婚姻アイテムで贈りたかったんだ』
と、笑みを浮かべて言う。
うわあああぁぁぁ…
リアルで義勇はゴン!と頭を机にぶつけて突っ伏した。
無理だ…無理すぎる…ときめき死してしまう……
『ウェディングアイテムはパートナーを解消する以外には外せなくなるから、通常はもう少し目立たない指輪とかにすることが多いんだが、俺たちの場合、さっきも言ったが、パートナーであることを強調したほうがいい事情があるしな…』
その後、ギユウもうながされてサビトと同様に姫君から受け取ったノーブルローズを錆兎の胸元に着けた。
ギユウがつけると大きめのリボンがついているそれは、サビトがつけると茎にシンプルな細いリボンが結ばれた薔薇になる。
そうして互いの薔薇から相手の薔薇へ光の糸のようなものが飛び出てクルクルと回った。
『…綺麗……』
『…そうだな…』
『……嬉しい……ありがとう…』
『…気に入って良かった』
そんなやり取りのあと、サビトが少し身をかがめ、ギユウの額に口づける。
本当に、昨日の夜から夢のような時間が続きすぎて、現実感がない。
幸せ過ぎてなんだかずっとふわふわしている。
しかし二人しかいない所でパートナー申請をするくらいまだまだ甘い。
ステンドグラスごしの光を背に受けて、真っ白なドレスの美しい姫が二人それぞれに意思を確認する。
その問いにYesで答えると、今度は指輪代わりの装備を提出させられる。
そこでサビトが先ほど作っていた装備を提出したようだ。
すると姫の手でそれに祝福の力が込められて、通常と違いほのかな光を放つようになる。
そしてそれを二人それぞれが身につければパートナー申請の終了とのことで、まず、姫の手からアイテムを一つ受け取ったサビトがギユウの胸元につけてくれた。
『あ…これっ!』
青く光る綺麗な薔薇の花。
それは今日、ギユウが街で見惚れていたあの装備である。
ギユウがそれに気づいたことに気づいたサビトが
『…ノーブルローズな。
街でこれをつけていたプレイヤーをずいぶんと熱心に見ていたから、気に入ったのかと思ってな。
だから、一緒に素材を取りに行って得た物を使って作ったこの装備をレジェロ婚の婚姻アイテムで贈りたかったんだ』
と、笑みを浮かべて言う。
うわあああぁぁぁ…
リアルで義勇はゴン!と頭を机にぶつけて突っ伏した。
無理だ…無理すぎる…ときめき死してしまう……
『ウェディングアイテムはパートナーを解消する以外には外せなくなるから、通常はもう少し目立たない指輪とかにすることが多いんだが、俺たちの場合、さっきも言ったが、パートナーであることを強調したほうがいい事情があるしな…』
その後、ギユウもうながされてサビトと同様に姫君から受け取ったノーブルローズを錆兎の胸元に着けた。
ギユウがつけると大きめのリボンがついているそれは、サビトがつけると茎にシンプルな細いリボンが結ばれた薔薇になる。
そうして互いの薔薇から相手の薔薇へ光の糸のようなものが飛び出てクルクルと回った。
『…綺麗……』
『…そうだな…』
『……嬉しい……ありがとう…』
『…気に入って良かった』
そんなやり取りのあと、サビトが少し身をかがめ、ギユウの額に口づける。
本当に、昨日の夜から夢のような時間が続きすぎて、現実感がない。
幸せ過ぎてなんだかずっとふわふわしている。
しかし二人しかいない所でパートナー申請をするくらいまだまだ甘い。
これから幸せな恥ずかしさにのたうち回る日々が待っている…ということは、この時はまだ予想もつかない義勇なのであった。
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