眠る時にはぎゅうっと抱き締められていて、目を覚ますとやはり抱き締められている。
錆兎自身の仕事は?食事は?睡眠は?と思うものの、それを聞くと
「そんなことはどうでもいい」
と答えられる。
困った…と思う。
このままでは自分が陥れるとか暗殺するとか言う前に、普通に衰弱死してしまうんじゃないだろうか…。
どうしたら食べてくれる?休んでくれる?
このところまさに自分の方が心配されていたことと全く同じ心配を、義勇は錆兎に対してしているのである。
自分は大丈夫だから…と言っても信憑性がないだろうし、もうしないから…と言っても信じてはもらえない。
正直何故錆兎が自分にそこまで執着しているのかがわからない…というのが本当のところで、どうしたらいいのかわからず、義勇は途方にくれている。
…どうしたらいいのかわからないんだ……
義勇の頭に顔をうずめたまま、くぐもった声でそう言う錆兎に、それはこっちの台詞だと言いたい。
──…なあ、俺が怖いか?
と唐突に聞かれて悩む。
何故そんな話になるのだろうか…。
──…確かに多少四角四面なとこはあるかもしれんが…
いやいや、四角四面だったら義勇を拾った時元の病院に連れて行って終わりだろう。
──…お前が大事だ……
いやいやいやいや、だからどこからそういう話になるんだ??
頭に顔をうずめられたままの錆兎に見えないのは幸いだが、自分の顔は今きっと真っ赤だ。
非常にてんぱって硬直していると、ノックもなしにドアが開き、まさに真っ赤な顔をドアを開いた男に見られて、思わず俯いた。
「あー錆兎、自分のお姫さん、顔真っ赤になってるぜぇ?
力入れすぎてねえかぁ?」
「え?本当かっ!!すまんっ!!」
ゆる~い感じの口調で指摘された錆兎は慌てて腕の力を緩め、
「大丈夫かっ?!本当にすまん。医者呼ぶかっ?!」
と顔を覗き込んでくる。
いやいや見ないでくれ…と思いつつ義勇が俯き加減に首を横に振ると、しょぼんとうなだれる。
錆兎はとても強くて賢くて、なのにたまに可愛い。
一生懸命大切にしてくれているのがわかる。
世間知らずという意味では義勇もそうなのだが、なんというのだろうか…一般人と接し慣れていなくて加減が分からない…そんな感じだ。
何故そんな話になるのだろうか…。
──…確かに多少四角四面なとこはあるかもしれんが…
いやいや、四角四面だったら義勇を拾った時元の病院に連れて行って終わりだろう。
──…お前が大事だ……
いやいやいやいや、だからどこからそういう話になるんだ??
頭に顔をうずめられたままの錆兎に見えないのは幸いだが、自分の顔は今きっと真っ赤だ。
非常にてんぱって硬直していると、ノックもなしにドアが開き、まさに真っ赤な顔をドアを開いた男に見られて、思わず俯いた。
「あー錆兎、自分のお姫さん、顔真っ赤になってるぜぇ?
力入れすぎてねえかぁ?」
「え?本当かっ!!すまんっ!!」
ゆる~い感じの口調で指摘された錆兎は慌てて腕の力を緩め、
「大丈夫かっ?!本当にすまん。医者呼ぶかっ?!」
と顔を覗き込んでくる。
いやいや見ないでくれ…と思いつつ義勇が俯き加減に首を横に振ると、しょぼんとうなだれる。
錆兎はとても強くて賢くて、なのにたまに可愛い。
一生懸命大切にしてくれているのがわかる。
世間知らずという意味では義勇もそうなのだが、なんというのだろうか…一般人と接し慣れていなくて加減が分からない…そんな感じだ。
とてもおそるおそる義勇に接してくる。
それがなんだかくすぐったくて、こんな時なのに少し温かい気分になった。
ふわふわと温かく…でもすぐ弾けて消えてしまうシャボン玉のような幸せ…
ああ…消したくないなぁ…とまた思って気持ちが沈みかけた瞬間、
「錆兎、ちっと席外してくれるかぁ?俺はちっとばかりお前の姫さんに用があるんだ…」
と、いつもの淡々とした様子で言う実弥。
「へ?」
「伝えとかねえといけないことがあんだよ」
ぽかんとする錆兎に飽くまで淡々と押す実弥。
「それは…俺がいたらダメなことか?」
前回の事もあり、少し警戒気味に義勇を抱きしめる手に少し錆兎は力を込めるが、やっぱり実弥の表情は変わらず
「わりいがダメな事だから席外してくれって言ってんだが」
と続ける。
それがなんだかくすぐったくて、こんな時なのに少し温かい気分になった。
ふわふわと温かく…でもすぐ弾けて消えてしまうシャボン玉のような幸せ…
ああ…消したくないなぁ…とまた思って気持ちが沈みかけた瞬間、
「錆兎、ちっと席外してくれるかぁ?俺はちっとばかりお前の姫さんに用があるんだ…」
と、いつもの淡々とした様子で言う実弥。
「へ?」
「伝えとかねえといけないことがあんだよ」
ぽかんとする錆兎に飽くまで淡々と押す実弥。
「それは…俺がいたらダメなことか?」
前回の事もあり、少し警戒気味に義勇を抱きしめる手に少し錆兎は力を込めるが、やっぱり実弥の表情は変わらず
「わりいがダメな事だから席外してくれって言ってんだが」
と続ける。
錆兎から発せられる不穏な空気と飽くまで淡々と言う実弥の間で義勇はハラハラするが、折れたのは錆兎の方だった。
「信用する…」
と一言言ってベッドから降りて一歩離れる。
「ああ、信用してくれぇ。俺はいつだってお前だけは裏切ったりしねえよ」
「まあな…」
小さくため息をついて終わったら呼んでくれと部屋を出て行く錆兎を見送って、おずおずと自分を見あげる義勇に、実弥は笑みを浮かべると、ズルズルとベッドの横まで椅子を引きずって来て座った。
と一言言ってベッドから降りて一歩離れる。
「ああ、信用してくれぇ。俺はいつだってお前だけは裏切ったりしねえよ」
「まあな…」
小さくため息をついて終わったら呼んでくれと部屋を出て行く錆兎を見送って、おずおずと自分を見あげる義勇に、実弥は笑みを浮かべると、ズルズルとベッドの横まで椅子を引きずって来て座った。
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