実はキツネグッズコレクターで、ぬいぐるみを含めた様々な可愛らしいキツネのグッズを多数こっそり部屋に隠し持っているし、実弥に至っては前述のように子ども好きが高じて孤児院に多額の寄付をし、孤児たちに日々贈り物を届けている。
殺伐とした環境で生きていると、皆、癒しが欲しくなるものらしい。
と、何故そんな話になっているかと言うと、あれから二日目。
最初は集中治療室に運ばれた義勇を錆兎の部屋のうちの1部屋に移したのだが、戦場から即今回のゴタゴタで走り回る事になったこともあり忙しかった錆兎に代わって、部屋を整えてくれたのは宇髄。
そう、錆兎が足しげく中央地域の病院へ見舞いに通うのは、可愛い幼馴染のためと信じて疑わなかった宇髄である。
義勇を連れて初めてその部屋に足を踏み入れた時、正直錆兎は茫然とした。
だって、可愛い。そこはあまりに少女趣味まっしぐらな可愛すぎる空間だった。
ついこの前までは倉庫代わりに使っていた雑多な部屋だったはずだ。
積み上げられていた資料や何かは別の部屋に運ばれ、きちんと掃除をされ、カーテンも絨毯も新しく…までは想定の範囲内だが、そのカーテンが風にゆれる真っ白なレースのフリフリだったり、絨毯が毛足の長いクリーム色のもので、ふわふわのファーのスリッパが添えられていたり、あまつさえベッドがおとぎ話のお姫様のソレのように幾重にもレースが折り重なった天街付きのものであったりするのは、完全に想定外だ。
――ん~、怖い目に遭った後なら、思い切り気が紛れるような空間にしてあげた方が良いんじゃね?って思ってな。
という事らしい。
いや、これ紛れすぎだろ?
どう見ても紛れすぎだろうっ!
…とは、お任せしてしまった手前言えない。
と、思っていたら、言える人間が隣にいた
――いちおう男の子なんだから、これはねえだろうよぉ
だって、可愛い。そこはあまりに少女趣味まっしぐらな可愛すぎる空間だった。
ついこの前までは倉庫代わりに使っていた雑多な部屋だったはずだ。
積み上げられていた資料や何かは別の部屋に運ばれ、きちんと掃除をされ、カーテンも絨毯も新しく…までは想定の範囲内だが、そのカーテンが風にゆれる真っ白なレースのフリフリだったり、絨毯が毛足の長いクリーム色のもので、ふわふわのファーのスリッパが添えられていたり、あまつさえベッドがおとぎ話のお姫様のソレのように幾重にもレースが折り重なった天街付きのものであったりするのは、完全に想定外だ。
――ん~、怖い目に遭った後なら、思い切り気が紛れるような空間にしてあげた方が良いんじゃね?って思ってな。
という事らしい。
いや、これ紛れすぎだろ?
どう見ても紛れすぎだろうっ!
…とは、お任せしてしまった手前言えない。
と、思っていたら、言える人間が隣にいた
――いちおう男の子なんだから、これはねえだろうよぉ
と呆れた声を出す実弥。
それに対して
――あー、でもな、錆兎が男OKとは思ってもみなかったし?絶対に女の子だと思ったから…
と言う言葉には、それは自らが
――だ~か~ら~!!そういうんじゃないと言っているだろうっ!!
――だ~か~ら~!!そういうんじゃないと言っているだろうっ!!
と、返しておく。
いや、確かに可愛い、そういう意味でもいけるかも…と、ふわふわのベッドに義勇を寝かせてフリフリの掛布をかけてやり、あまつさえ、その横にウサギのぬいぐるみを寝かせてやった図のあまりの愛らしさに思ったりしなくはないわけだが
(いや、違う!俺はそんな不純な動機でぎゆうを助けたわけでは…)
と、慌てて頭を横に振ってそんな邪な考えを脳内から追い払う。
相手は病人…相手は病人…と、まるで少女人形のようにレースに埋もれながら眠る相手を前に脳内でお題目のように唱えていると、お前はエスパーか?!というようなタイミングで、実弥の
――何言ってんだぁ?お前、まぎれもなくそういう相手前にした態度だったぜぇ?別に清い仲だろうと特別ってのは特別じゃね?
という突っ込みが入って膝から崩れ落ちそうになった。
もう本当にこいつら嫌だ…と、つい先日あれほど感謝したにも関わらず錆兎はため息をついたのだった。
それはさておき、とりあえず義勇が目覚めるまで何か淹れるか…と、悪友達の後ろのドアからキッチンに向かおうと錆兎がベッドに背を向けると、何故か悪友がこちらを凝視している。
いや…錆兎を通り越して後方を……
――なんだ、あれ…可愛いな、おい。
と、珍しくトーンを落とした宇髄の呟きに錆兎はバッと後ろを振り向いて…悲鳴をあげそうになった。
ピンクのウサギをぎゅっと抱きしめて顔をうずめる少年。
ふわりとした真っ白な寝間着もあいまって、まるで人形のように愛らしく、動いているのが不思議なくらいだ。
可愛いっ!ぎゆう、可愛すぎだろうっ!
脳内花が舞い踊り、銀の鈴の音が響き渡る。
意識が無事戻った事、そしてその様子がこの上なく可愛らしかったことですっかりテンションがあがった錆兎は
「ぎゆうっ!気付いたのかっ!!気分はっ?!!」
と、駈け寄るが、そこで舞い上がりきったテンションは当の少年の
「お前…誰だ…?」
の一言で地の底まで叩き落とされる事になった。
いや、確かに可愛い、そういう意味でもいけるかも…と、ふわふわのベッドに義勇を寝かせてフリフリの掛布をかけてやり、あまつさえ、その横にウサギのぬいぐるみを寝かせてやった図のあまりの愛らしさに思ったりしなくはないわけだが
(いや、違う!俺はそんな不純な動機でぎゆうを助けたわけでは…)
と、慌てて頭を横に振ってそんな邪な考えを脳内から追い払う。
相手は病人…相手は病人…と、まるで少女人形のようにレースに埋もれながら眠る相手を前に脳内でお題目のように唱えていると、お前はエスパーか?!というようなタイミングで、実弥の
――何言ってんだぁ?お前、まぎれもなくそういう相手前にした態度だったぜぇ?別に清い仲だろうと特別ってのは特別じゃね?
という突っ込みが入って膝から崩れ落ちそうになった。
もう本当にこいつら嫌だ…と、つい先日あれほど感謝したにも関わらず錆兎はため息をついたのだった。
それはさておき、とりあえず義勇が目覚めるまで何か淹れるか…と、悪友達の後ろのドアからキッチンに向かおうと錆兎がベッドに背を向けると、何故か悪友がこちらを凝視している。
いや…錆兎を通り越して後方を……
――なんだ、あれ…可愛いな、おい。
と、珍しくトーンを落とした宇髄の呟きに錆兎はバッと後ろを振り向いて…悲鳴をあげそうになった。
ピンクのウサギをぎゅっと抱きしめて顔をうずめる少年。
ふわりとした真っ白な寝間着もあいまって、まるで人形のように愛らしく、動いているのが不思議なくらいだ。
可愛いっ!ぎゆう、可愛すぎだろうっ!
脳内花が舞い踊り、銀の鈴の音が響き渡る。
意識が無事戻った事、そしてその様子がこの上なく可愛らしかったことですっかりテンションがあがった錆兎は
「ぎゆうっ!気付いたのかっ!!気分はっ?!!」
と、駈け寄るが、そこで舞い上がりきったテンションは当の少年の
「お前…誰だ…?」
の一言で地の底まで叩き落とされる事になった。
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