現実は小説より奇なり…そう言ったのは誰だったのか……
次に義勇が目を覚ました時には、とんでもなくあり得ない現実が待っていた。
そこは薄暗い義勇の自宅の部屋ではなく、無機質すぎる元々通っていた病院のベッドでもなく、そして、つい先頃までいたホテルのように豪華な病院の特別室でもなかった。
次に義勇が目を覚ました時には、とんでもなくあり得ない現実が待っていた。
そこは薄暗い義勇の自宅の部屋ではなく、無機質すぎる元々通っていた病院のベッドでもなく、そして、つい先頃までいたホテルのように豪華な病院の特別室でもなかった。
――いちおう男の子なんだから、これはねえだろうよぉ
――あー、でもな、錆兎が男OKとは思ってもみなかったし?絶対に女の子だと思ったから…
――だ~か~ら~!!そういうんじゃないとさんざん言っているだろうっ!!
――何言ってんだぁ?お前、まぎれもなくそういう相手前にした態度だったぜぇ?別に清い仲だろうと特別ってのは特別じゃね?
――えーっ!まだ何もしてねえのかよっ?!ずいぶん長期間通ってなかったかっ?!
――だ~か~ら~~!!最初の頃はじいさんだと……
――あー、もうそういうホラはいいから。
――ホラじゃないっ!!
――まあ、あれだろぉ?この子病気だから、それ良くなる前にやったら死んでしまいそうだしなぁ。
――ああ、そっか、そうだよな。でもまあ可愛い子だよな。人形みてえな顔して大人しそうで…錆兎の好みって言われれば納得できるわ
――おかしな真似したら…っっ
――しないしさせねえから、大丈夫。天元がが何かしそうになったらちょんぎってでも止めてやるから安心しろぉ
――ちょっ!!おまっ!そこまで言うかぁっ?!実弥、お前怖ぇよっ!!!
――いや錆兎の特別だしなぁ?遊びで手ぇ出したらだめだろぉ。
――お前いつから俺より錆兎優先になったんだ?
――まあ錆兎がとかいう以前に、こいつちっちゃぇし?恋愛っていういみじゃぁお前よりは錆兎の方がちゃんとしてそうだしなぁ
――ひでぇっ!俺は派手に美形で周りが放っておかねえだけで…
実に賑やか…いや、騒々しいレベルだ。
他の2人は知らない。
だが錆兎に取って親しい相手らしい。
ずいぶんと打ち解けている感じがする。
少し寂しい…が、まあそれより現状を把握する事が先だ。
おそるおそる目を開くと見知らぬ部屋。
病室ではない。
少なくとも義勇はこれを病室とは認めない。
何しろ一面フリルとレースの世界だ。
幾重にも重なったレースで覆われた天街付きのベッドに横たわるなんて日が自分の人生の中で来るなんて思ってもみなかった。
無造作に横に置かれているクッションも淡いブルーのレースのフリフリ。
枕元には可愛らしいウサギのぬいぐるみまである。
不本意…非常に不本意だが、秘かに幸せだ。
実は義勇は可愛いモノ綺麗なモノが大好きなのだ。
何やら言い争っている錆兎達3人を尻目に、こっそりと枕元に座ったウサギに手を伸ばし、抱き締めてみる。
ふわふわとした…しかししっかりとした触感。
思わず顔をうずめればかすかに香る花の香り。
うっとりとその感触に酔っていたら、いつのまにやら静かになった3人に揃いも揃って凝視されていて硬直した。
「ぎゆうっ!気付いたのかっ!!気分はっ?!!」
と、真っ先に駆け寄ってきたのは錆兎…だと思ったのだが、何かが違う……
目…そうだ、目だ。
目が藤色だ。
錆兎は茶色い目をしていたはずだ…。
――あー、でもな、錆兎が男OKとは思ってもみなかったし?絶対に女の子だと思ったから…
――だ~か~ら~!!そういうんじゃないとさんざん言っているだろうっ!!
――何言ってんだぁ?お前、まぎれもなくそういう相手前にした態度だったぜぇ?別に清い仲だろうと特別ってのは特別じゃね?
――えーっ!まだ何もしてねえのかよっ?!ずいぶん長期間通ってなかったかっ?!
――だ~か~ら~~!!最初の頃はじいさんだと……
――あー、もうそういうホラはいいから。
――ホラじゃないっ!!
――まあ、あれだろぉ?この子病気だから、それ良くなる前にやったら死んでしまいそうだしなぁ。
――ああ、そっか、そうだよな。でもまあ可愛い子だよな。人形みてえな顔して大人しそうで…錆兎の好みって言われれば納得できるわ
――おかしな真似したら…っっ
――しないしさせねえから、大丈夫。天元がが何かしそうになったらちょんぎってでも止めてやるから安心しろぉ
――ちょっ!!おまっ!そこまで言うかぁっ?!実弥、お前怖ぇよっ!!!
――いや錆兎の特別だしなぁ?遊びで手ぇ出したらだめだろぉ。
――お前いつから俺より錆兎優先になったんだ?
――まあ錆兎がとかいう以前に、こいつちっちゃぇし?恋愛っていういみじゃぁお前よりは錆兎の方がちゃんとしてそうだしなぁ
――ひでぇっ!俺は派手に美形で周りが放っておかねえだけで…
実に賑やか…いや、騒々しいレベルだ。
他の2人は知らない。
だが錆兎に取って親しい相手らしい。
ずいぶんと打ち解けている感じがする。
少し寂しい…が、まあそれより現状を把握する事が先だ。
おそるおそる目を開くと見知らぬ部屋。
病室ではない。
少なくとも義勇はこれを病室とは認めない。
何しろ一面フリルとレースの世界だ。
幾重にも重なったレースで覆われた天街付きのベッドに横たわるなんて日が自分の人生の中で来るなんて思ってもみなかった。
無造作に横に置かれているクッションも淡いブルーのレースのフリフリ。
枕元には可愛らしいウサギのぬいぐるみまである。
不本意…非常に不本意だが、秘かに幸せだ。
実は義勇は可愛いモノ綺麗なモノが大好きなのだ。
何やら言い争っている錆兎達3人を尻目に、こっそりと枕元に座ったウサギに手を伸ばし、抱き締めてみる。
ふわふわとした…しかししっかりとした触感。
思わず顔をうずめればかすかに香る花の香り。
うっとりとその感触に酔っていたら、いつのまにやら静かになった3人に揃いも揃って凝視されていて硬直した。
「ぎゆうっ!気付いたのかっ!!気分はっ?!!」
と、真っ先に駆け寄ってきたのは錆兎…だと思ったのだが、何かが違う……
目…そうだ、目だ。
目が藤色だ。
錆兎は茶色い目をしていたはずだ…。
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