その後まず動いたのは村田だった。
「じゃ、これで銀のチーム点は確保できたから、俺は降りるよ。
次があるから怪我したくないしね」
と、槍を今度は杖代わりにしながら、ゆっくり騎馬から降りる。
俺と確実に1対1の勝負してみたいなら、2人で不死川を潰せばいいし、どちらでも良いなら俺は奴とやってくるから、決着つくのをそこで見てればいいんじゃね?」
と、宇髄は村田をねぎらったあと、錆兎にそう提案してくる。
その言葉に錆兎は迷うことなく答える。
「俺様は絶対に負けないし、どちらでも一緒だな。
ま、ここからはガチ勝負、正々堂々と行くか」
「りょ~うかいっ!
ってわけで、どっちとやりあっても良いけど、俺は勝率が少しでも高い方とやりたいんで、不死川に行きたいんだけど、不死川、お前はどうよ?」
宇髄がそう呼びかけると、それまで所在なさげに手の中で刀をくるくると回していた不死川は
「俺もどっちでも構わねえ。
だがやるなら正々堂々とやりてえしな。
宇髄よりは錆兎の方が行儀よく待っててくれる気がするから宇髄で」
と言うと、刀をパシッとしっかりと握り直した。
ここでようやくきちんとした試合っぽいものが初めて見られた。
普段は粗暴だし中等部に入るまでは武道など習っていなかったのだろうが、3年間、真面目に学んだのだろう。
不死川は意外にもきちんと基本に忠実に綺麗に剣を使う。
と、宇髄は村田をねぎらったあと、錆兎にそう提案してくる。
その言葉に錆兎は迷うことなく答える。
「俺様は絶対に負けないし、どちらでも一緒だな。
ま、ここからはガチ勝負、正々堂々と行くか」
「りょ~うかいっ!
ってわけで、どっちとやりあっても良いけど、俺は勝率が少しでも高い方とやりたいんで、不死川に行きたいんだけど、不死川、お前はどうよ?」
宇髄がそう呼びかけると、それまで所在なさげに手の中で刀をくるくると回していた不死川は
「俺もどっちでも構わねえ。
だがやるなら正々堂々とやりてえしな。
宇髄よりは錆兎の方が行儀よく待っててくれる気がするから宇髄で」
と言うと、刀をパシッとしっかりと握り直した。
ここでようやくきちんとした試合っぽいものが初めて見られた。
普段は粗暴だし中等部に入るまでは武道など習っていなかったのだろうが、3年間、真面目に学んだのだろう。
不死川は意外にもきちんと基本に忠実に綺麗に剣を使う。
宇髄はどちらかというと独特でトリッキーな型だが、どちらもなかなか崩れない。
打ち合い、受け流し、また打ち合い、かわして、また打ち合う。
周りはそれを固唾をのんで見守っていた。
そうして数分も打ち合っていただろうか…。
いきなり宇髄の騎馬がバランスを崩して倒れかかった。
ああっ!!!
と、会場からあがる声。
勝ったっ!!
と、不死川は一瞬息を吐きだす…が、そこで宇髄の身体が宙に浮いた。
そして気づけば不死川の騎馬の上。
剣を投げ捨て、素手と素足で不死川を騎馬の下に突き落とした。
ええええっ??!!!!
金狼寮の騎馬の上でピースサインを掲げる宇髄に、驚く一同。
「別に自分の騎馬の上にいないとってルールはなかったよな?」
と、にかっと笑う。
「…確かにな。
でも相手の騎馬の上に飛び乗るとは、さすがの俺も驚いた」
と、まだ目を丸くしたまま、錆兎が言いつつも、そろそろ出番かと剣を構えようとすると、なんと宇髄はあっさりとそこからクルクルっと回転しながら地面に飛び降りた。
「あ~、俺もここでリタイアするわ。
次があるしな。
そもそもがこの作戦、ホントは対錆兎用の隠し技だったから、勝ち狙うには手の打ち見せ過ぎたし、勝てる可能性の低い勝負で怪我のリスクは負いたくねえ」
と、笑って肩をすくめる。
周りはそれを固唾をのんで見守っていた。
そうして数分も打ち合っていただろうか…。
いきなり宇髄の騎馬がバランスを崩して倒れかかった。
ああっ!!!
と、会場からあがる声。
勝ったっ!!
と、不死川は一瞬息を吐きだす…が、そこで宇髄の身体が宙に浮いた。
そして気づけば不死川の騎馬の上。
剣を投げ捨て、素手と素足で不死川を騎馬の下に突き落とした。
ええええっ??!!!!
金狼寮の騎馬の上でピースサインを掲げる宇髄に、驚く一同。
「別に自分の騎馬の上にいないとってルールはなかったよな?」
と、にかっと笑う。
「…確かにな。
でも相手の騎馬の上に飛び乗るとは、さすがの俺も驚いた」
と、まだ目を丸くしたまま、錆兎が言いつつも、そろそろ出番かと剣を構えようとすると、なんと宇髄はあっさりとそこからクルクルっと回転しながら地面に飛び降りた。
「あ~、俺もここでリタイアするわ。
次があるしな。
そもそもがこの作戦、ホントは対錆兎用の隠し技だったから、勝ち狙うには手の打ち見せ過ぎたし、勝てる可能性の低い勝負で怪我のリスクは負いたくねえ」
と、笑って肩をすくめる。
「ちょっと待て!俺は全然出番なしか?」
「金寮2,3年伸しただけで十分じゃね?」
「金寮2,3年伸しただけで十分じゃね?」
「最後のお前のアレに全部持ってかれた気がするんだが…」
と、錆兎は口を尖らせるものの、降りてしまったものはもう仕方ない。
最終的には不戦勝と、今ひとつ不完全燃焼気味に、寮長対抗騎馬戦は銀狼寮の優勝で幕を閉じたのだった。
と、錆兎は口を尖らせるものの、降りてしまったものはもう仕方ない。
最終的には不戦勝と、今ひとつ不完全燃焼気味に、寮長対抗騎馬戦は銀狼寮の優勝で幕を閉じたのだった。
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