寮生は姫君がお好き57_茂部太郎、クラブ対抗借り物競走前まで

ということで、日々堪能。
本当に心の底から堪能。

毎朝身支度を終えて寮のホールで待っていると、階段でつまずいたりしないように皇帝に気遣われながら手を取られた姫君が降りてくる。

にこやかに何か話す皇帝に少しはにかんだように微笑む姫君。


ああ…眼福…
まるで大好きな【エルサイア・オデッセイ】の1シーンのようだ。

たまに姫君がつまずきそうになって、皇帝に支えられたりするシーンを見られたりした日には、絶叫を堪えるのが大変だ。

その後は遠くから皇帝と姫君を護衛するように寮生皆で移動。

中等部と高等部の校舎の境界まで来ると、名残惜しそうに姫君の額に口づける皇帝にまた茂部太郎達は心の中で大絶叫。

毎日のことでも大絶叫。


帰りは残念ながら茂部太郎達は同人活動同好会の活動のため2人の様子を見る事は出来ないが、夕食時にはまた、ふたりが寄りそっている図が見られるので、ガン見しつつ自身の食事をする毎日だ。


気候の良い日はたいてい食堂で食事を摂る寮生達と離れて、皇帝と姫君はテラスで食事。

普段はきつい印象の皇帝がいつになく優しい表情で姫君の小さな口に匙やフォークを運ぶ図も、少し恥ずかしそうに口を開ける姫君の様子も、尊すぎて悶え転がる日々。

入寮から日を追うごとに近くなっていく2人の距離。

最初は姫君の口にソースなどが付くとナプキンで拭っていたのが、指先で拭うようになり、その自身の指先を当たり前に舐める皇帝に心の中で悲鳴。


先日など、とうとう姫君の頬についたソースをペロリと直接舐め取る図を見て、その夜は3人集まって

──あれ、何があったんだっ?!
──カインとアリア、絶対に出来てるよなっ?!
──とうとう初夜終えたのかっ?!!

などと盛り上がり、それから2人の初夜談義に突入。


かつて出した【エルサイア・オデッセイ】のエロ同人誌にその姿を重ねて大いに語り合っている間に、そこはまだまだ青いDKなのもあって色々ピンチになって、2人はきまずそうに自室に戻る旨を告げて帰っていった。

何故?なんのために?などとは誰も言わないし、茂部太郎も聞かない。
みんなわかっている。

茂部太郎だって友人達が帰ったあと、皇帝と姫君のそういう行為を妄想してそれをオカズに何回か抜いたのだから…。


今まではディスプレイの向こうの2次元のキャラでの妄想だったところが、目の前にキャラがそのまま飛び出して来たような2人がいるのである。

声、息づかい、ちょっとした表情など、実際にリアルで視覚、聴覚、嗅覚などで感じることのできる2人で想像すると、興奮度が違う。

2人の身長差や体格差…。

あの皇帝に姫君が組み敷かれて…まだ高く可愛らしい声で啼きながら、真っ白な全身を薄桃色に染めて登りつめさせられる様子を思うと、何度でも抜けてしまう。

それ以来、茂部太郎のその時のオカズは皇帝と姫君の濡れ場の妄想一択になった。

まあ実際は姫君は任期の間は寮全体のものなので、そんなシーンはないのだろうが、妄想するだけは自由である。

エロだけでなく、2人の日常のちょっとしたやり取りを見るたび、色々なストーリーが脳内に出来あがっていく。

それを仲間2人と語り合いつつ、R18でない部分は同好会で本にして楽しむ。


日々楽しい。
とても楽しい。

当事者だったらこんな楽しみ方は出来ないので、モブに生まれて良かったっ!と、モブ生活を謳歌している。


そんな中、ついに皇帝と姫君の絡みが増えるイベント体育祭がやってきた!

早朝から自寮のテントを準備しなければならない大変さも、そこに2人が並んで座ってイチャイチャしてくれるのかと思えば楽しい作業だ。

そうして準備を終えて皇帝にエスコートされてくる姫君に萌え…その後の開会式での自寮の皇帝の宣誓シーンにも萌えた。

…俺はお前の身と名誉を守るためだけに、今、ここに存在している。
…だから俺を信じて守ってくれと願って欲しい…


なんて、もうアリアを守るカインそのものだ。


実はあれか?
まさか皇帝も【エルサイア・オデッセイ】のファンだったりするのか?!

などと小声で友人2人と盛り上がり、その後の姫君の小さな可愛らしい

──…ま……守って………
の言葉に悶え転がった。


もうお前らマジで結婚しろっ!!と言いたい。
声を大にして言いたいっ!!
そしてその新居の寝室の壁になりたい…と友人達と語り合った。


その後、短距離、中距離、長距離走を仲睦まじく観戦する2人を堪能。

そして待ってましたの馬車引きリレー!!

全てが素晴らしいっ!
体育祭万歳!!!

………と、その瞬間までは、茂部太郎も思っていた。

そう…部活別借り物競走の借り物の紙を見るまでは………


Before <<<  >>> Next (3月18日公開予定)




0 件のコメント :

コメントを投稿