「う~ん…一緒に居すぎてそれが当たり前になってて忘れちゃってるんじゃない?」
甘味処、竜屋。
そこはおはぎが美味しい、不死川実弥の行きつけの店である。
良いことがあった時、嫌なことがあった時、そしてただひたすらにおはぎが食べたくなった時にも不死川は足しげくこの店に通っていたのだが、この所なんだかおはぎを見るのが辛くて足を向けられないでいた。
原因は言わずと知れた水柱、冨岡義勇の婚約である。
不死川の好物だからといつもおはぎを懐に寄ってきた冨岡は、明日、幼馴染の錆兎と祝言をあげることになっていて、まあ、はっきり言ってしまえば冨岡に惚れていた不死川は失恋をしたわけだ。
それも初めから全く可能性がなかった恋ではなく、男として育ってきた冨岡が女に戻って一人では心細いと思ったところで、それまで守り支えてきてくれた幼馴染を頼りにしようという婚姻で、もしそれまでに同じように優しい態度で支えてきてやっていたならば、不死川だって夫になれる可能性はあったのである。
不死川の好物だからといつもおはぎを懐に寄ってきた冨岡は、明日、幼馴染の錆兎と祝言をあげることになっていて、まあ、はっきり言ってしまえば冨岡に惚れていた不死川は失恋をしたわけだ。
それも初めから全く可能性がなかった恋ではなく、男として育ってきた冨岡が女に戻って一人では心細いと思ったところで、それまで守り支えてきてくれた幼馴染を頼りにしようという婚姻で、もしそれまでに同じように優しい態度で支えてきてやっていたならば、不死川だって夫になれる可能性はあったのである。
みずからのそれまでの態度を猛烈に後悔するも、時すでに遅し。
彼女を守り支える役を自分にまかせて欲しいと申し出たが、お前といると怖いと言われてしまった。
そこをどうにかならないかと思ってはみたもののどうにもならず、彼女が明日、自分以外の男と祝言を挙げるというところまで来ると、本当に諦めるしかないとなって、不死川はおはぎのやけ食いをしに、本当に久々に竜屋に足を運んだのだ。
彼女を守り支える役を自分にまかせて欲しいと申し出たが、お前といると怖いと言われてしまった。
そこをどうにかならないかと思ってはみたもののどうにもならず、彼女が明日、自分以外の男と祝言を挙げるというところまで来ると、本当に諦めるしかないとなって、不死川はおはぎのやけ食いをしに、本当に久々に竜屋に足を運んだのだ。
山盛り注文したおはぎ。
あれほど好きだったはずなのに、どうにもいつものような味がしない。
甘じょっぱい涙味だ…
感情を抑えきれない予感もしていたため、目立たぬ一番奥の片隅で黙々とおはぎを食う大男。
そんな竜屋に入ってくる乙女二人。
どこかで聞いたことがある声にこそりと様子を伺えば、非常に目立つ桃色の髪が目に入る。
女性となった冨岡と仲良くなった女性柱二人。
不死川が冨岡に近づくことに良い顔をしない、いまできれば一番会いたくない部類の人間だ。
なので、なるべく彼女たちの視界に入らぬよう身をひそめる。
2人は入り口を入ってすぐの席に陣取り、甘露寺の方はいつものようにものすごい量の甘味を注文し、それをすごい勢いで口に運びつつ、冨岡の話に興じている。
義勇さんが…という言葉が出た時点で、自分は見つからないように隠れつつも、不死川の耳は必死に二人の声を追い始めていた。
どうやら昨日も3人で女子会だったようである。
そこで冨岡は泣いていたらしい。
甘じょっぱい涙味だ…
感情を抑えきれない予感もしていたため、目立たぬ一番奥の片隅で黙々とおはぎを食う大男。
そんな竜屋に入ってくる乙女二人。
どこかで聞いたことがある声にこそりと様子を伺えば、非常に目立つ桃色の髪が目に入る。
女性となった冨岡と仲良くなった女性柱二人。
不死川が冨岡に近づくことに良い顔をしない、いまできれば一番会いたくない部類の人間だ。
なので、なるべく彼女たちの視界に入らぬよう身をひそめる。
2人は入り口を入ってすぐの席に陣取り、甘露寺の方はいつものようにものすごい量の甘味を注文し、それをすごい勢いで口に運びつつ、冨岡の話に興じている。
義勇さんが…という言葉が出た時点で、自分は見つからないように隠れつつも、不死川の耳は必死に二人の声を追い始めていた。
どうやら昨日も3人で女子会だったようである。
そこで冨岡は泣いていたらしい。
原因は錆兎。
なんでも今回の婚姻は彼の許可なく冨岡がかなり強引に進めたもので、そのため彼の方からは夫婦になりたいという意思表示が一切ない、それが悲しいということだ。
冨岡は錆兎の意志を確認する前にお館様に祝言を挙げたい旨を申し出て、お館様から錆兎に義勇と祝言を挙げることを伝えたということで、断り切れなかったらしい。
錆兎も気の毒と言えば気の毒だが、祝言を挙げるというのに相手に求婚もしてもらえないのはやはり可哀そうだと、女性柱二人で話している。
なんでも今回の婚姻は彼の許可なく冨岡がかなり強引に進めたもので、そのため彼の方からは夫婦になりたいという意思表示が一切ない、それが悲しいということだ。
冨岡は錆兎の意志を確認する前にお館様に祝言を挙げたい旨を申し出て、お館様から錆兎に義勇と祝言を挙げることを伝えたということで、断り切れなかったらしい。
錆兎も気の毒と言えば気の毒だが、祝言を挙げるというのに相手に求婚もしてもらえないのはやはり可哀そうだと、女性柱二人で話している。
それを聞いて彼女達が店から出たあと不死川は立ち上がり会計を済ませると、外に飛び出た。
涙はとっくに乾いていた。
冨岡の祝言の話を聞いた頃から死んだようだった目は輝きを取り戻している。
そんな不死川が駆け込んだのは花屋だ。
そしてとりあえずと目についた可愛らしい桃色の花を包んでもらう。
それを持っていく先は決まっている。
現在、義勇が住んでいる錆兎の家だ。
これは最後のチャンスだった。
花を買うのなんて初めてで本当にガラでもないとは思うが、そんなことを言っている場合ではない。
花を買うのなんて初めてで本当にガラでもないとは思うが、そんなことを言っている場合ではない。
錆兎が未だ求婚すらしていないというならば、それを自分がしてやれば義勇の気持ちが動く可能性がわずかばかりはあるんじゃないだろうか…
そんな久々に浮かれた気持ちで想い人の家まで急いだ。
花を握り締めて錆兎の家の傍まで行くと、甘露寺の高い声が響いてくる。
どうやら彼女たちは竜屋をでたあと、3人きりの女性柱となる同僚を元気づけようと、甘味を土産にこちらに駆けつけていたらしい。
庭先からこっそり様子を伺えば、竜屋ではなんだか深刻な状況のように語っていたが胡蝶と甘露寺に対峙する冨岡は手に見事な薔薇の花を持って笑顔。
「錆兎さんたらそんな素敵な求愛を用意なさってらしたんですね。
まあ、卒のない方ですから祝言まで本当に求婚の言葉がないなんてことはありえないと思ってはいましたが、薔薇の花を持って花言葉を添えて求婚なんて洒落たこと、女性の側は夢を見たりも致しますが、なかなかしてもらえる人はいませんよ」
そんな久々に浮かれた気持ちで想い人の家まで急いだ。
花を握り締めて錆兎の家の傍まで行くと、甘露寺の高い声が響いてくる。
どうやら彼女たちは竜屋をでたあと、3人きりの女性柱となる同僚を元気づけようと、甘味を土産にこちらに駆けつけていたらしい。
庭先からこっそり様子を伺えば、竜屋ではなんだか深刻な状況のように語っていたが胡蝶と甘露寺に対峙する冨岡は手に見事な薔薇の花を持って笑顔。
「錆兎さんたらそんな素敵な求愛を用意なさってらしたんですね。
まあ、卒のない方ですから祝言まで本当に求婚の言葉がないなんてことはありえないと思ってはいましたが、薔薇の花を持って花言葉を添えて求婚なんて洒落たこと、女性の側は夢を見たりも致しますが、なかなかしてもらえる人はいませんよ」
「そうね。女の子が夢見るような素敵な求婚ね。
きゅんとしちゃう」
と、胡蝶と甘露寺がニコニコと言う。
2人とも沈み込む義勇をとても心配していただけに、今回のことに関しては自分のことのように嬉しそうだ。
きゅんとしちゃう」
と、胡蝶と甘露寺がニコニコと言う。
2人とも沈み込む義勇をとても心配していただけに、今回のことに関しては自分のことのように嬉しそうだ。
幸せオーラに包まれた微笑ましい光景。
「明日はいよいよ祝言でお忙しいでしょうし、あまりお邪魔したら申し訳ないので私たちはお暇しますね」
「また祝言を挙げて落ち着いたら女子会しましょうねっ!」
と、義勇が元気なことに安堵した二人はそう言って早々に辞していった。
…ああ…そうだったのかァ……と、呆然と立ちすくむ不死川。
錆兎にも至らぬ点があるならそこを突けば…と思ったのだが、常に義勇を見守り支え続けた男に不死川が出来るようなことで出来ないことなどあるはずがなかったのだ。
おそらく準備に時間がかかり過ぎていたか、効果的な時を待っていたか…
とにかく不死川が暴言と暴力について考えている時間に、錆兎は相手を喜ばせ癒す方法を考え続けていたのだから、勝てるわけがない。
ただ唯一になりたいという望みを断られただけで善意自体を否定されたり悪意をぶつけられたりしたわけでもないのに、心はこんなに痛いのだ。
相手の善意を踏みにじって殴るなど、自分がやってきたことは本当に万死に値する。
体以上に心に大怪我を負わせてきたのであろう自分は、好意どころか善意すら受ける権利など一生ないのだ…
「明日はいよいよ祝言でお忙しいでしょうし、あまりお邪魔したら申し訳ないので私たちはお暇しますね」
「また祝言を挙げて落ち着いたら女子会しましょうねっ!」
と、義勇が元気なことに安堵した二人はそう言って早々に辞していった。
…ああ…そうだったのかァ……と、呆然と立ちすくむ不死川。
錆兎にも至らぬ点があるならそこを突けば…と思ったのだが、常に義勇を見守り支え続けた男に不死川が出来るようなことで出来ないことなどあるはずがなかったのだ。
おそらく準備に時間がかかり過ぎていたか、効果的な時を待っていたか…
とにかく不死川が暴言と暴力について考えている時間に、錆兎は相手を喜ばせ癒す方法を考え続けていたのだから、勝てるわけがない。
ただ唯一になりたいという望みを断られただけで善意自体を否定されたり悪意をぶつけられたりしたわけでもないのに、心はこんなに痛いのだ。
相手の善意を踏みにじって殴るなど、自分がやってきたことは本当に万死に値する。
体以上に心に大怪我を負わせてきたのであろう自分は、好意どころか善意すら受ける権利など一生ないのだ…
そう自覚してしまうと体中から力が抜けて動けなくなり、不死川はしばしそこにたたずんでいた。
そしてあまりに呆然としてそこに居すぎたのか、二人を見送った義勇に気づかれてしまったらしい。
「不死川、どうした?
錆兎に用事だったか?」
と、そう声をかけられて不死川は焦った。
ちらりと不死川の手元に視線を移して
「…不死川が花を持っているなんて珍しいな。
好いた相手でも出来たのか?」
と言う義勇には微塵も悪気はない。
先日に炭治郎が好いた相手が別に出来たからと錆兎に挨拶にきたのを聞いていたから、なんだ不死川もだったのか…と思っただけなのだが、今の不死川にはなかなか厳しい言葉だった。
そしてあまりに呆然としてそこに居すぎたのか、二人を見送った義勇に気づかれてしまったらしい。
「不死川、どうした?
錆兎に用事だったか?」
と、そう声をかけられて不死川は焦った。
ちらりと不死川の手元に視線を移して
「…不死川が花を持っているなんて珍しいな。
好いた相手でも出来たのか?」
と言う義勇には微塵も悪気はない。
先日に炭治郎が好いた相手が別に出来たからと錆兎に挨拶にきたのを聞いていたから、なんだ不死川もだったのか…と思っただけなのだが、今の不死川にはなかなか厳しい言葉だった。
「おう…ちょっとこれから渡しにな。
ま、薔薇なんて高価で洒落た奴じゃねえけどなァ。
ここを通りがかったのはたまたまだァ」
明治に入ったあたりで輸入されるようになった西洋の薔薇は、近年温室などで栽培が盛んにされるようになっては来たが、まだまだ庶民の手に気軽に渡るものではない。
ましてやそれに込められた意味に合わせての求愛なんて、うわつかたの人間でもなければしないだろう。
少なくとも不死川にはそんな発想は微塵もなかった。
ただ花屋にいって可愛いと思った花を買って贈る。
それだけでもとんでもなく洒落ている気分になっていた。
そんな自分がどうにも恥ずかしくなって手の中の花を隠すように少し手を後ろにすると、義勇はその花に視線を向けて、
「…撫子か。愛らしいな」
と、にこりと優しい笑みを浮かべる。
そうか、これが撫子だったのか…と、不死川は自分で買ったにもかかわらず、初めてその花の名を知った。
「不死川の想い人は撫子が似合うような可憐で愛らしい人なのだな。
私は…全てを無防備に委ねる相手としては色々ありすぎて無理だが、今でも不死川と友人になれたらと思っている。
だからもしその娘さんと上手く行ったらぜひ錆兎も一緒に二組でお茶でも飲もう」
義勇は元々がおっとりと優しい性質なのだ。
だからあれだけ殴っても罵っても怒りも嫌いもしない。
だがそれでも悪意をぶつけ続けた相手だから心から信頼することは一生できない…そう宣言されているようで、不死川は地の底まで落ち込んだ。
暴力、暴言というのは、やった側は忘れてもやられた側はその痛みを忘れることはない…
以前錆兎に言われた言葉が脳内をぐるぐる回る。
許されることはあっても、信じられることは生涯ないのだ。
許されたあとでもその咎は生涯自分が背負っていくしかない。
それだけでもとんでもなく洒落ている気分になっていた。
そんな自分がどうにも恥ずかしくなって手の中の花を隠すように少し手を後ろにすると、義勇はその花に視線を向けて、
「…撫子か。愛らしいな」
と、にこりと優しい笑みを浮かべる。
そうか、これが撫子だったのか…と、不死川は自分で買ったにもかかわらず、初めてその花の名を知った。
「不死川の想い人は撫子が似合うような可憐で愛らしい人なのだな。
私は…全てを無防備に委ねる相手としては色々ありすぎて無理だが、今でも不死川と友人になれたらと思っている。
だからもしその娘さんと上手く行ったらぜひ錆兎も一緒に二組でお茶でも飲もう」
義勇は元々がおっとりと優しい性質なのだ。
だからあれだけ殴っても罵っても怒りも嫌いもしない。
だがそれでも悪意をぶつけ続けた相手だから心から信頼することは一生できない…そう宣言されているようで、不死川は地の底まで落ち込んだ。
暴力、暴言というのは、やった側は忘れてもやられた側はその痛みを忘れることはない…
以前錆兎に言われた言葉が脳内をぐるぐる回る。
許されることはあっても、信じられることは生涯ないのだ。
許されたあとでもその咎は生涯自分が背負っていくしかない。
今更ながらそのことに気づいて不死川は何も知らない義勇ににこやかに見送られながら、錆兎の家を後にした。
さて行き場のなくなった花をどうしようか…と、義勇が完全に見えなくなってからふと足を止めて手の中の花に視線を向ける。
以前なら腹をたてて打ち捨ててしまったところだが、今はなんだかそれもひどい行動の気がしてためらわれた。
そんな時前方から
「不死川さん、こんなところで何をしてるんです?
まさか義勇さんにまたおかしな言いがかりをつけに行くんじゃないでしょうね」
と、ややとがった声が聞こえて顔をあげると、そこには竈門炭治郎が立っていた。
それでなくとも気に入らない相手のその腹立たしい言葉に正直ムカっとしたが、その喧嘩っ早い性格のせいで自分の幸せを永遠に逃したのだと思って思いとどまる。
「…方向を見ろォ。
別にあいつん家に向かってるわけじゃねえだろうがァ」
と、それでも炭治郎のその言葉を否定しつつ、あ、と思いつく。
捨てるのも花が哀れだし、ちょうど良いか…
「これ、やる。受け取れ」
と、手の中の花を炭治郎に押し付けて、先を急ぐから…と、唖然とする炭治郎を残してさっさと錆兎の家から遠ざかろうと、足早に去って行った。
…え?なんで、突然花を??
押し付けられた炭治郎は驚いて去り行く不死川と彼が渡してきた花を交互に見比べるが、何か聞こうにも当の不死川ははるか遠くまで行ってしまっている。
「ま、いっか。義勇さんか禰豆子にでもあげよう」
と、炭治郎はそう思いなおして、義勇が祝言を挙げる前にきちんと本人に会って謝罪をと思って持参した手土産の菓子を持つ手と反対側の手に持つと、予定通り錆兎の家に向けて歩き始めた。
この一連の巡りあわせがこのあと大いなる誤解と混乱を生むのだが、不死川も炭治郎も、この時はそれにきづくことはない。
さて行き場のなくなった花をどうしようか…と、義勇が完全に見えなくなってからふと足を止めて手の中の花に視線を向ける。
以前なら腹をたてて打ち捨ててしまったところだが、今はなんだかそれもひどい行動の気がしてためらわれた。
そんな時前方から
「不死川さん、こんなところで何をしてるんです?
まさか義勇さんにまたおかしな言いがかりをつけに行くんじゃないでしょうね」
と、ややとがった声が聞こえて顔をあげると、そこには竈門炭治郎が立っていた。
それでなくとも気に入らない相手のその腹立たしい言葉に正直ムカっとしたが、その喧嘩っ早い性格のせいで自分の幸せを永遠に逃したのだと思って思いとどまる。
「…方向を見ろォ。
別にあいつん家に向かってるわけじゃねえだろうがァ」
と、それでも炭治郎のその言葉を否定しつつ、あ、と思いつく。
捨てるのも花が哀れだし、ちょうど良いか…
「これ、やる。受け取れ」
と、手の中の花を炭治郎に押し付けて、先を急ぐから…と、唖然とする炭治郎を残してさっさと錆兎の家から遠ざかろうと、足早に去って行った。
…え?なんで、突然花を??
押し付けられた炭治郎は驚いて去り行く不死川と彼が渡してきた花を交互に見比べるが、何か聞こうにも当の不死川ははるか遠くまで行ってしまっている。
「ま、いっか。義勇さんか禰豆子にでもあげよう」
と、炭治郎はそう思いなおして、義勇が祝言を挙げる前にきちんと本人に会って謝罪をと思って持参した手土産の菓子を持つ手と反対側の手に持つと、予定通り錆兎の家に向けて歩き始めた。
この一連の巡りあわせがこのあと大いなる誤解と混乱を生むのだが、不死川も炭治郎も、この時はそれにきづくことはない。
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